事務所探訪:2015年9月号 Vol.47

事務所探訪

アトーニーズマガジン 事務所探訪

多種多様な「働く場」としての法律事務所を、読者に代わり、編集部が取材します。事務所の理念・方針・特徴・こだわりや工夫が凝らされた事務所の“日常風景”を分かりやすくお伝えします。

Style of Work

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アリシア銀座法律事務所

若手女性弁護士が描く新たなロールモデル。 目指すは、強く、しなやかな事務所経営

アリシア銀座法律事務所は、企業法務、相続、離婚問題を3本柱にリーガルサービスを提供する設立3年目の事務所である。同事務所代表の竹森現紗弁護士が32歳の時に開業。竹森弁護士は、司法修習後、大手渉外事務所に入所し、2年間ジェネラルコーポレート部門でM&A案件などに携わった経歴を持つ。今もなお、独立の道を選ぶ女性弁護士は多くない。なぜ竹森弁護士はその選択をしたのか、きっかけや経緯を尋ねた。「渉外事務所で働いていた時、裁判所で訴訟記録の閲覧をする機会があったのですが、手続きの仕方がわからない。2年も弁護士をしていて、こんなことも知らない自分に愕然としました。当時はチームで仕事をしていましたが、事務所を離れた時に一人で仕事ができるのかと考えると、今のままの自分ではダメだと思い退職を決意しました。しかし、弁護士としてのスキルはまだまだ足りない。そこで企業法務を扱う事務所に席を借り、いわゆる軒弁になったんです」法テラスや弁護士会の法律相談名簿に登録し、メーリングリストもフル活用。債務整理や離婚、当番弁護などの刑事事件も「片っ端から引き受けた」と、竹森弁護士は当時を振り返る。「弁護士として独り立ちしたい、目の前の人の役に立ちたい、仕事も欲しい(笑)、そんな思いで突き進みました。すると徐々に〝自分の顧客〞も生まれ、事務所との契約が切れるタイミングで、開業を決めました」2012年、前身となる世田谷総合法律事務所を開業。その翌年、現事務所名に変更し、銀座に移転して以降も、独立当時の顧客(企業)が継続している。現在は、〝3本柱〞以外の残り4分の1が交通事故や債権回収などの一般民事事件。企業法務は契約書作成や人事労務、コンプライアンス関連のほか、社員の相談も受ける。相続では相続診断協会の理事を務め、講演も頻繁に行っている。営業活動は、顧客や知人の紹介が主だという。「私の長所は、〝いかにも先生〞ではなく、気軽に話せる雰囲気があることかもしれません。営業活動もガツガツせず、ふと困った時に思い出してもらえるような接し方、関係性を大事にしています。『他の弁護士なら、もっと早く仕事につなげられるだろうな』と思うこともしばしば(笑)。でも、それが今の私らしい弁護士としてのスタイルなのです」来所する相談者に対しても、決して煽ったりしない。「相続や離婚など、家族や男女の問題は、こじれると長引きます。相談者にとって何が利益かを考えると〝できる限り、もめずにまとめる〞が一番。当然、戦うべき時は戦いますが、語弊を恐れずにいえば〝戦わない弁護士〞といわれてもいいと思っているくらいです」そんな柔らかく、しなやかな弁護・仕事スタイルが竹森弁護士の特徴だ。最後に事務所の今後について聞いた。「元々、私が弁護士として携わりたいと思っていたのは、医療機関のサポートでした。病院は人が究極に困った時に訪れる場所。常によりよい場所を目指してほしいし、そのお手伝いをしたい。もともと渉外事務所時代も、病院関係や薬事法が絡む業務を担当させてもらっていました。独立後しばらくは、幅広い分野の案件を必死でやってきましたが、実は昨年、乳がんが見つかり、入院して手術を受けたんです。幸い初期だったので仕事にも無事復帰できましたが、病院側の法務に携わりたいという思いが再燃しました。まずは手術の同意書等の書面や労務管理などを手始めとし、病院関連分野を開拓していきます。また、経営的には、事務所運営を安定させるために、優れた人材を採用し、規模を拡大していきたい。私自身〝ワークライフバランスの充実+稼ぐ〞というのは大事なことだと思っています。ただし、そのためには必死で頑張る時期も不可欠。明確な目標と覚悟を持って『この分野を開拓したい』『地方で開業したい』と考える弁護士を積極的に応援できる事務所にしていくことも、一つの目標です」

■プロフィール

  • ●所在地
  • 〒104-0061
  • 東京都中央区銀座2-6-5
  • アサコ銀座ビル9階
  • TEL/03-6228-7041 
  • http://www.a-ginza.jp/
  • ●設立は2013年。現在、弁護士2名、司法書士1名の陣容。事務所名は、ギリシャ語「αληθεια(真理、真実、誠実)」に由来。一般企業法務、M&A、知財、事業再生・倒産、事業承継、債権回収、相続、離婚、交通事故、成年後見、債務整理、および各種示談交渉、調停、訴訟対応。「弁護士ありさ先生のリーガルクリニック」(ブログ)やTwitterも活用し、リーガルアクセスを増やしている。