事務所探訪:2015年11月号 Vol.48

事務所探訪

アトーニーズマガジン 事務所探訪

多種多様な「働く場」としての法律事務所を、読者に代わり、編集部が取材します。事務所の理念・方針・特徴・こだわりや工夫が凝らされた事務所の“日常風景”を分かりやすくお伝えします。

Style of Work

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大本総合法律事務所

顧客満足とリーガルアクセスを第一に 新たなサービスを次々に打ち出す

東京駅直結のインテリジェントビルにオフィスを構える大本総合法律事務所。所長は、大本康志弁護士だ。交通事故被害者、刑事事件、相続に強く、離婚などの一般民事事件、知財事件などの企業法務も幅広く取り扱う。現在は東京本店に加え、名古屋、金沢に支店を置き、弁護士15名が所属するが、前身となる事務所は大本弁護士一人、自宅マンションの一室が仕事場だった。「開設当初は月に2、3件の国選弁護事件のみ。仕事を増やすため、交通事故被害者側の弁護を専門領域に定め早い時期から〝完全成功報酬・着手金ゼロ円〞を謳ったサービスを始めたことが効を奏しました。それが事務所の礎となっています」そう振り返る大本弁護士。交通事故被害者(および刑事事件、相続)の専門Webサイトも展開し、リーガルアクセスの間口を拡げる一方で、一般社団法人むち打ち治療協会顧問を務め、整骨院などからの紹介により手堅く案件を獲得。大本弁護士は事務所経営において、既存の概念に固執しない。先の着手金ゼロ円しかり、小口債権回収の完全無償化、企業法務では名付けて「MALF(M&A LawFirm)」というサービスも提供中だ。「通称〝マルフ〞は、中小企業間の統合、プライベートエクイティファンドによる投資などをリーズナブルに提供するもの。売買価格数億円までの中堅・中小企業やベンチャーのM&Aを中心とし、主に数十億円規模の案件を支援させていただいています」リーズナブルで最適なリーガルサービスを受けられるようにと、中小企業に特化したM&Aを商品化したわけだ。こうしたサービスと、大本弁護士自身の姿勢が事務所をかたちづくる。その姿勢とは、「どんな相談が来ても断らない」だ。相談はメールやファクスでも受け付けるが、電話も365日24時間対応。夜間休日の電話の受け手は大本弁護士自身。休みなく電話を受ける体制を敷くと所員が気の毒、しかし困っている人に窓口は常に開いておきたいという理由からで、夜中3時に新規の相談が来たこともあったそうだ。また1件1500円の書面作成も厭わない。支払いが困難な依頼者には着手金の分割払いを提案することもある。「〝入り口〞が小さくても、相談者が困っていたら〝基本、やる〞が私のスタンス。その代わり受けたら途中でやめない、やめさせたくない。確かに経営者の立場からすると、着手金だけで終わってしまっては経営が立ちゆかない。しかし何より顧客の信頼を裏切ることになるのは、弁護士としての自分を許せない。ですから所員にもミスの報告は会議で必ず行ってもらいます。わずかなコミュニケーションの行き違いによるクレームなどが出ないよう、目配りします」事務所へ依頼があった案件は、最初から弁護士が聞き取り対応する。その後、大本弁護士と内容を協議し、担当弁護士を決め任せるが、〝交渉〞の場面では大本弁護士が出張ることが多い。「相談者が弁護士に求めるのは、法律の知識以上に相手方との交渉能力。しかし残念ながら判例や法律知識を教える授業はあっても、弁護士の交渉術を教える授業はない。所員にはOJTで、私の交渉を見て学んでもらうのです」過去に受任した不動産取引事件、巨額詐欺事件、いずれも被告側の弁護に立ち、被告に有利な判決を勝ち取ったものの成功報酬を支払ってもらえなかったという苦い経験もある。「失敗ばかり」と笑う大本弁護士。しかしそれが糧となって現在がある。「若い弁護士には、専門性もさることながら〝弁護士としてあるべき姿〞を保ち続ける代理人・弁護活動をするよう指導しています。お金を稼ぐために弁護士になったのではないという、志を忘れるなということです。たくさんの信頼を得ることで仕事も増えるという側面はありますが、それを第一目的にするのではなく、一つひとつの案件を大切にクライアントと向き合って処理していくという基本を、まずはじっくり実行し、継続していくことが大切。それができた時に初めて、〝法律を使って〞弁護士が仕事をするやりがいを得られると思うのです」

■プロフィール

  • ●所在地
  • 〒100-6617
  • 東京都千代田区丸の内1-9-2
  • グラントウキョウサウスタワー 17階
  • TEL/03-5224-4555
  • http://www.ohmoto.biz/
  • 弁護士15名(うち名古屋支店、金沢支店に各2名)。
  • ●アソシエイトは60~66期、年齢20~30代前半が中心の若い人材が揃う。