事務所探訪:2017年1月号 Vol.55

事務所探訪

アトーニーズマガジン 事務所探訪

多種多様な「働く場」としての法律事務所を、読者に代わり、編集部が取材します。事務所の理念・方針・特徴・こだわりや工夫が凝らされた事務所の“日常風景”を分かりやすくお伝えします。

Style of Work

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和田倉門法律事務所

コーポレートとタックス分野を中心とした高度な法的サービスを提供するプロ集団

2016年1月に開所したばかりの、和田倉門法律事務所。設立メンバーは、税務訴訟のエキスパートで知られる鳥飼総合法律事務所で経験を積んだパートナー5名。高田剛弁護士に、取り扱う案件の傾向を聞いた。「会社法・金融商品取引法を中心とするコーポレート分野、タックスプランニング・税務訴訟を中心とする租税法分野、およびそれらが融合した案件の対応が多いです。コーポレート分野においては、まさしく会社法を駆使した特殊な案件を多く取り扱っております」

会社法を駆使した案件とは、いわゆる東京地裁民事第8部が扱う商事訴訟や非訟、保全事件などだ。小出一郎弁護士も「事案ごとに異なる利害関係者が、それぞれ会社法を駆使してやり合うという事案になると、どうしても民事第8部に関係する事件が増えます。その取り扱いの割合が、当事務所全体業務の中のパーセンテージでみるとかなり高いことが特徴です」と語る。「ある日の民事第8部の開廷表を見たら、朝から晩までうちの弁護士名が書いてあった」というのも、同事務所内での逸話となっているそうだ。また租税法分野においては昨今、次のような傾向が顕著であると、内田久美子弁護士と石井亮弁護士。

「『国税当局の税務調査が入ることになったが、最近は難しい裁判例も出てきている。その裁判例を踏まえたうえで対策を検討したい』などといった、税務調査に対応するためのご相談が増えています。つまり、以前は処分を受けてからの事案、訴訟などに関する依頼が多かったのですが、今は税務調査の段階で、どんなことが争点になりそうか、訴訟になったらどう対応すべきか、またどんな証拠を用意するべきかなどのご相談が、我々のもとに寄せられています」

特殊な案件を扱えること、クライアントの要望に合わせた柔軟な対応ができることは、各弁護士が高度な専門知識を有するからなのはいうまでもないが、パートナーの経歴の多彩さも一役かっているようだ。例えば、宇賀村彰彦弁護士は公認会計士の資格も有し、企業会計、税務的視点を加えたアドバイスができる。また中村隆夫弁護士は企業の代表や社外役員などを務めたのち弁護士資格を取得した〝ビジネスの実態〞を知る弁護士である。そうした弁護士たちが、協力し合って取り組むので、経営者にとって〝かゆいところに手が届く〞法的サービスが受けられるのだ。

高田弁護士は、そうした弁護士たちが醸成している所内の雰囲気を次のように語る。

「重視するのは風通しのよさ。専門性の高い案件に少人数で取り組むには、ノウハウの結集や弁護士同士の切磋琢磨が不可欠。元々同じ事務所出身で仕事のやり方も気心も知れた仲間ですが、その利点を生かすため、環境にも配慮しました。各自のデスクはパーティションで仕切らずオープンにし、自由闊達に意見交換や情報共有ができるようにしました。若い弁護士にとっては、担当案件以外でも周囲の弁護士の話し方やその内容などから、多くのことを自然と吸収できるはず。得るべきものが多い環境になっていると思います」

高田弁護士は取材の最後に、「会社法分野と税法分野を融合させることで最大限の力を発揮し、さらに情報法など周辺法で業務の柱を太くしていきたい。また一人ひとりが〝強い個〞であることを前提に、強いチーム力で先端的かつ創造的な法的サービスを提供していきたいです」と締めくくってくれた。

■プロフィール

  • ●所在地
  • 〒100-0004
  • 東京都千代田区大手町1-5-1
  • 大手町ファーストスクエア 
  • イーストタワー19階
  • TEL/03-6212-8100
  • http://wadakura.jp/
  • ●パートナー6名、アソシエイト7名、カウンシル1名、事務スタッフ3名の陣容。事務所名は開設地の近く、皇居外苑の地名を借りて名付けた。会社法、金融商品取引法分野と租税法分野を中心として、ワンストップサービスの提供を心がける。