Vol.35
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前列左より、高木由美子弁護士(53期)、大貫憲介弁護士(41期)、山本奈緒弁護士(新65期)、およびパラリーガル、セクレタリーの面々。
全員がすぺての情報を共有し、業務に当たる

前列左より、高木由美子弁護士(53期)、大貫憲介弁護士(41期)、山本奈緒弁護士(新65期)、およびパラリーガル、セクレタリーの面々。
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STYLE OF WORK

#62

さつき法律事務所

「健康的な社会づくり」に貢献するべく、外国人事件のエキスパートとして走り続ける

外国人事件のエキスパートとして“社会的に弱い立場の人たちの権利が保障されている社会”を目指す

1992年設立の、さつき法律事務所。多言語対応で、様々な外国人事件を扱う事務所は国内では希少な存在といえる。代表の大貫憲介弁護士に、同事務所の歩みを尋ねた。

「私は東京地方裁判所で司法修習をしたのですが、その時に外国人、特にアジアの方々の刑罰が異常に重いことを知ったのです。後日、その問題をテーマとした論文を書くための取材の過程で、さらに外国人事件への関心が深まりました。そして外国人を当事者とする法律案件に取り組むことを決め、事務所を開設して以来、数多くの外国人事件に関与しています」

さつき法律事務所
「常に被害者、弱者の側に立ちたい」と、大貫弁護士

大貫弁護士に、これまでの印象深い事件を尋ねたところ、次の2つを挙げてくれた。

「弁護士登録直後の頃、“オーバーステイの外国人が日本人と結婚してもビザが取得できないこと”に問題意識を持ち、数人の弁護士と共に弁護団を結成しました。この活動を受けて、92年に入国管理局の内部基準が改正され、以後、1年間に数千〜1万件が合法化されるようになりました。また同じく入管関係で、日本人女性と結婚したオーバーステイのバングラデシュ人側の代理人となり、勝訴率2%といわれていた国を相手とする行政訴訟で勝訴したこともとても思い出深い仕事ですね」

そのように数々の外国人事件に一石を投じてきた大貫弁護士。現在、国内のオーバーステイ外国人就労者数は、大貫弁護士が独立した20年前に比べ、約4分の1に減少している。つまり、外国人にとって、合法的な立場で定住できる環境整備が進んだといえるだろう。

「昨今は外国人の定住化が進み、国際離婚・相続、および離婚に伴う親権や子どもの国籍問題も多く扱うようになりました。外国人との子どもの問題に事務所として対応しているのは、とても少ないと思います」

もちろん、日本人が依頼者となる事件も扱うが、受任業務の約8割が外国人に関する案件。入管事件、刑事事件、家事事件、国籍に関する問題、労働事件と、在日外国人のコミュニティなどを通じて口コミで寄せられる依頼、大使館からの紹介で受任する事件が非常に多いという。

さつき法律事務所
米国カリフォルニア州弁護士資格も持つ高木弁護士(右)は、渉外法律事務所を経て入所。新65期・山本弁護士(左)の頼れる先輩

同事務所には大貫弁護士ほか2名の弁護士と3名のパラリーガル、1名のセクレタリーが所属している。事務所会議では進行中の案件を全員で、“隅から隅まで”チェックする。高木由美子弁護士は言う。

「当事務所に来られる依頼者の多くは、複雑で入り組んだ状況に置かれており、まさに“駆け込んでくる”方も少なくありません。それが年間200件以上あり、当然、言語もまちまち。だから当事務所は、所員全員が“真の戦力”。迅速かつ丁寧に対応するためには、全員で案件を共有する姿勢が欠かせません」

さつき法律事務所
譜面台に資料を置いて作業を進める大貫弁護士

所員一丸となって取り組めるのは、大貫弁護士の志に全員が共感しているから。その志について、大貫弁護士はこう語る。

「私の弁護士としてのテーマそのものですが、日本法の適用は、外国人にも等しくあるべきもの。誰であれ、悪いことをすれば逮捕され、稼いだ分の税金を払う。そうした部分は当たり前に適用されるのだから、日本人が普通に享受している部分も適用しないと不公平です。また“どんな社会が万人にとって生きやすいのか”といえば、それは“社会的に弱い立場の人たちの権利が保障されている社会”と、私は考えます。そうした人たちの権利が保障されている社会こそ、身体的、精神的、物理的にストレス、格差、抑圧がない、住みやすく健全な社会なのです。この“最低のライン”を守り、素晴らしい社会づくりに貢献していくこと、ゆがみを正していくことが、私たちの仕事なのです」

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    3名の弁護士は1カ所に机を並べ、すぐに情報共有できる環境に。高木弁護士(左)は「ほかの人が思いつかない“クリエイティブな法律構成”ができるのが大貫弁護士の強み。ぜひ、その思考回路を学びたい。尊敬できる先生です」と語る
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    アメリカ、中国、インドネシアと、多様な国・人名が書かれたファイルが並ぶ資料棚
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    事務所内至る所に依頼者や所員がお土産で持ち寄った民芸品等などが飾られ、相談者の心を和ませる。所員全員でミュージカル鑑賞に行くなど、アットホームな環境