Vol.35
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前列左より阿部正幸弁護士(31期)、畔柳達雄弁護士(9期)、手塚一男弁護士(19期)
後列左より村田真一弁護士(47期)、唐澤貴夫弁護士(42期)、飯田研吾弁護士(62期)、森岡誠弁護士(54期)、城石惣弁護士(65期)、木﨑孝弁護士(43期)

前列左より阿部正幸弁護士(31期)、畔柳達雄弁護士(9期)、手塚一男弁護士(19期)
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STYLE OF WORK

#61

兼子・岩松法律事務所

民事訴訟と特許訴訟の礎を築いた事務所。伝統を未来へつなぐ訴訟の専門家集団

専門訴訟・法廷業務に強く、株主代表訴訟も多く手掛ける

兼子・岩松法律事務所
エントランスには事務所開設者の兼子一氏(左)、岩松三郎氏(右)の写真が掲げられている

兼子・岩松法律事務所は、東京大学民事訴訟法教授の兼子一、初代最高裁判所判事岩松三郎らが1957年に開設した伝統ある事務所。その成り立ちを手塚一男弁護士に聞いた。

「日本の民事訴訟法の基礎づくりに尽力した兼子先生が、強制執行法・倒産法の大家である岩松先生の協力を得て、理論を実践に移すことを目的として開設した事務所。主に民事系の訴訟が一つの基盤。また当時、兼子先生は知的財産法関係の立法、法改正にも関与されており、知的財産分野、中でも特許権侵害訴訟がもう一つの基盤です」

現在の業務範囲は幅広いが、主要な分野は、知的財産関連訴訟、会社法関連訴訟、医療関連訴訟、およびこれらにかかわる紛争処理や企業法務など、やはり“専門訴訟・法廷業務に強いこと”が最大の特徴といえる。

「オリンパスの取締役責任調査委員会をはじめ、日本債券信用銀行、東邦生命、大正生命といった金融・生保企業、中央官庁の問題に関する調査委員会などに、数名が関与しています。また、株主代表訴訟も数多く手掛け、その中には後の実務に影響を与えた野村證券損失補填事件、大和銀行事件などが含まれています。また倒産事件の分野でも会社更生や破産の管財人業務に多く関与してきました」

  • 兼子・岩松法律事務所
    東京大学先端科学技術研究センター先端知財人材育成オープンスクールを修了した森岡誠弁護士は、「一定規模で訴訟をメインにする事務所は多くなく、魅力を感じた」と語る
  • 兼子・岩松法律事務所
    会社法のエキスパートである手塚一男弁護士。法制審議会商法部会、会社法部会委員を務めたほか、キリンホールディングス、旭化成などの監査役でもある
  • 兼子・岩松法律事務所
    現在、司法研修所民事弁護教官を務める木﨑孝弁護士

特許法・特許訴訟の黎明期から同事務所では、「ポリプロピレン特許訴訟」や「ポリエステル特許訴訟」をはじめとして、様々な特許訴訟に恒常的に関与。近時は、米国ジョージ・ワシントン大学への留学および知的財産権を専門に扱う著名な法律事務所であるフィネガン事務所(DCオフィス)での勤務経験を有し、ニューヨーク州弁護士資格を持つ村田真一弁護士が特許訴訟に積極的に関与するとともに、国際案件も取り扱う。ほかに顧問先の企業で生じた、川崎公害訴訟、東京大気汚染公害訴訟などの訴訟代理人も多く引き受けてきた。公害訴訟や調査委員会を引き受ける際は、他事務所との共同作業となる。

「他事務所の弁護士との共同作業は、仕事の進め方、考え方などの勉強となり、刺激にもなって、“切磋琢磨し合えるよい経験”になります」

兼子・岩松法律事務所
執務室にドアはなく、相談しやすい環境

同事務所の若手教育はOJTが基本。また業務の進め方は、案件の規模により異なるが、数名のチーム制だ。

「アソシエイトやパートナーの区別なく、日常のやり取りの中で議論・合議し、法律的な問題の解決策を探ります。だから若手もどんどん上の弁護士と議論できる。開設以来、特別な勉強会は実施していませんが、『セミナーを受けたい』、『留学したい』など本人からの強い希望があれば応援します。これが昔から変わらないスタンスです」

兼子・岩松法律事務所
「お互いが独自の得意分野を持つ弁護士なので、多様な知見を共有。訴訟の経験ができることが一番のやりがい」と飯田研吾弁護士(左)。入所すぐに医療関連訴訟に関与した城石惣弁護士(右)も、「弁護士にしかできない、訴訟を極めたいと思っています」と語る

最後に、事務所の未来予想図を尋ねた。

「訴訟、特に専門訴訟を業務とする事務所は、記録や証拠の見方、判断に対して相当な正確性を要求されますが、これはいわば、どの分野の弁護士にも求められる基本的な力量。弁護士は高いレベルでその根本的資質を維持し、新たな法律問題の正義のあり方をかたちづくる存在です。そういった意味で、事務所運営は若い人たちの考えを反映し確実に、変化していますが、“訴訟を中心に”という方針は変わらないと思います」

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