Vol.68
HOME事務所探訪山下総合法律事務所
  • ▼弁護士のブランディング支援サービス

    Business Lawyer's Marketing Service
  • ▼弁護士向け求人検索サービス

    想いを仕事にかえていく 弁護士転職.JP
  • ▼弁護士のキャリア形成支援サービス

    弁護士キャリアコンシェルジュ
  • 当社サービス・ビジネス全般に関するお問い合わせ

前列左より、山下聖志弁護士(55期)、塚原雅樹弁護士(61期)、厳逸文弁護士(中国弁護士)。
後列左より、五十嵐良平弁護士(70期)、小澤拓弁護士(65期)、立川献弁護士(67期)

前列左より、山下聖志弁護士(55期)、塚原雅樹弁護士(61期)、厳逸文弁護士(中国弁護士)。
後列左より、五十嵐良平弁護士(70期)、小澤拓弁護士(65期)、立川献弁護士(67期)

STYLE OF WORK

#124

山下総合法律事務所

クライアント、社会、そして所員にとって、「かけがえのない存在」であり続ける事務所に

伝統的な企業法務、海外案件、専門的業務の三本柱で業務にあたる

山下総合法律事務所
山下聖志弁護士/2002年、柳田野村法律事務所(現柳田国際法律事務所)入所。05~07年、大手証券会社法務部出向。10年、ミシガン大学ロースクールLL.M.課程修了。11年、米国ニューヨーク州弁護士登録。12年、パートナー就任。16年、山下総合法律事務所設立

2016年8月設立の山下総合法律事務所。設立者の山下聖志弁護士に、強みを聞いた。

「対応業務の基本となる三本柱があります。一つめは契約法務、株主総会対応、М&Aなど伝統的な企業法務。二つめはインバウンド・アウトバウンド両面の海外案件。三つめは金融商品取引法や先端分野がかかわる専門的業務です。海外案件は特に強化したい分野です」

昨年末に、中国弁護士が入所。将来的には米国弁護士の採用も検討する。「事務所が拡大すれば、中国と米国については一通り当事務所で対応できる体制にしたい」との戦略を語る。

同事務所では設立以来、様々な企業におけるМ&Aや、MBOによる非公開取引の第三者委員会委員なども務めてきた。思い出に残る案件について、山下弁護士が教えてくれた。

「設立当初、まだ弁護士が私一人だった時に引き受けた上場企業のTOB案件です。私は公開買付者である個人投資家のサポートをしました。当時はおそらく日本で初めてのスキームで、平たくいえば『TOBで株主から株を買うのと同時に、会社からも新株と自己株を引き受ける』という、実はものすごく複雑な案件だったのです。個人投資家なのでデューデリジェンスこそ最小限度だったものの、日本初のスキームということで非常に苦労しました。しかし当然ながら、やりがいはひとしお。クライアント側の希望と当局側の要求と、連日深夜までギリギリのせめぎ合いでした。一人でよくやりきれたなと、思い出します」

その案件を山下弁護士に紹介してくれたのは、独立後の仕事を気にかけてくれていた先輩弁護士だった。独立した時、顧客はほとんどゼロ。事務所を軌道に乗せられたのは、そうした弁護士仲間や、かつてのクライアントのおかげだ。

「前事務所の後輩弁護士2名が、それぞれ転職してインハウスローヤーになっていました。私が独立してすぐ『山下先生、うちの顧問になってください』と声をかけてくれました。それは嬉しかったですね。また、かつてお手伝いしたクライアントが、私の新事務所をネットで探し出してくださったり。過去のご縁一つひとつを大事につなげながら、業容を広げてきました」

山下総合法律事務所
懇親の場は、歓迎会・食事会のほかサプライズの誕生会も。「各自、カラオケ、ボウリングなど好きなものにこだわりが(笑)。所員が増えてそんな部活ができていくのが楽しみです」(山下弁護士)。写真は山下弁護士の誕生会。ケーキに「感謝状」が添えられる

クライアントばかりではなく、先述のとおり弁護士仲間からも慕われる山下弁護士。独立を知り、「待ってました!」とばかりに入所してきた弁護士も。「独立から3年は一人で頑張ろう」と考えていた山下弁護士だが、設立2年目から弁護士が増え始め、気付けば現在の陣容6名。

「一人でTOBに奮闘していた頃は、これほど仲間が増えるとは想像もできませんでした」と笑う。

そもそも山下弁護士が独立したのは、「若手弁護士に活躍の機会を提供し、彼らが自由にのびのびと働ける環境をつくりたい」という思いがあったから。

「私は『天賦はそれぞれ違うもの』という信念を持っています。ですからそれを伸ばす助けになりたい。細かい法律に強い人がいる、紛争に強い人がいる――いろんな若い弁護士が集い、のびのび仕事ができる。そんな〝場〞をつくりたくて独立しました」

アソシエイトであっても、クライアントとの打ち合わせなどで、積極的にフロントに立つ。

「成功も失敗も肌で感じられることが、彼らの糧になります。最初は若手が担当することに驚かれるクライアントもいますが、その場で徹底的に考え、徹底的に相手の立場に立つ姿勢を見れば、『山下総合はクライアントファーストの精神が行き届いている』と気付いてくださいます」

そうして仕事を任された弁護士の成長は早い。ただ放任ではなく、きちんとそれぞれの仕事に目配りもするのが山下流。

「基本的に『報告をし、相談さえ欠かさなければ、自由に』というスタンスです。私の一挙手一投足を気にする弁護士は要りません。私のために働く事務所ではなく、自分と事務所のために働く意識でいてほしい。〝内側〞に気をとられず、クライアントに全力を集中し、一人前になっていってほしい。そして一つひとつ任せて、任せたことには報い、正しく評価することを心がけています」

「この仕事は、結局は人」と言い切る山下弁護士。

「クライアント社会、所員、当事務所にかかわる方々すべてにとって、かけがえのない事務所になりたい。我々の存在意義は、法律という道具を使って問題解決を図ること。少々口はばったいですが、平和をつくるため、と私は思います。例えば勝ち目のない裁判でも、その方々が納得できる道筋をつくれるかが大事。弁護士の仕事の相手は〝人の心〞です。当事務所にかかわる方々の心が最終的に平穏を得られるよう、その方の〝荷物〞を肩代わりしたり、下ろして差し上げたりしながら、リーガルサポートを進めていきたい。そうして、この事務所の影響力、存在価値をより広げていきたいです」

  • 山下総合法律事務所
    仕切りを設けず、互いの顔が見えるようにデスクを配置。いつでもすぐに議論ができる。
  • 山下総合法律事務所
    「IT翻訳機の導入など、弁護士の作業効率化を順次進めています。弁護士が本来成すべきことに集中し、彼らがきちんと休める環境整備をしていきたいですね」(山下弁護士)