Vol.53
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経営本部のメンバー。左から、海老原優氏(主に経理担当)、和田瑞樹氏(取締役)、栗山真一氏(法務分野を担当)

経営本部のメンバー。左から、海老原優氏(主に経理担当)、和田瑞樹氏(取締役)、栗山真一氏(法務分野を担当)

THE LEGAL DEPARTMENT

#67

株式会社サイバー・バズ 経営本部(法務担当)

求められるのは、攻めと守り両方の姿勢。ベンチャーならではのダイナミズムを体感

新規事業立ち上げにイチからかかわる

2006年、ネット広告代理店としてスタートしたサイバー・バズ。「コミュニケーションを価値に変え世界を変える」をミッションに、10年以降は新規事業に注力している。最近では、アパレルブランドとバイヤーがオンライン上で商取引ができる「Cloud ‒F」の立ち上げ、また、既存サービスの総合ヘルスケアメディア「ドクターズミー」では、法人向け福利厚生支援サービスを始めるため、AIU損害保険会社とのサービス連携を行った。同社は、平均年齢27歳という若さが事業推進力の源だ。彼らを取りまとめるのが、経営本部の和田瑞樹氏と、同部法務担当・栗山真一氏。法務の働きについて、和田氏が説明する。

「新規事業の立ち上げ時は、栗山に最初から入ってもらいます。リスクマネジメントも法務の重要な仕事ですが、最も重視するのは〝事業を成功させる〞ための提案。ベンチャーであることに加え、当社は若い人材が多く、現場をまだ熟知できていない面もある。なので、〝守り〞も確かに大事ですが、〝攻め〞の姿勢を忘れないようにしています」

株式会社サイバー・バズ 経営本部(法務担当)
同社サービスの一例。左から、ソーシャルメディアにおけるインフルエンサーネットワークサービス「Ripre」、ソーシャルメディアユーザー65万人を超える日本最大級のモニターサービス「ポチカム」、総合ヘルスケアメディア「ドクターズミー」

「既存事業のブラッシュアップも〝攻め〞の一手です。例えば『ドクターズミー』は、1年ほど前から広告のマネタイズに注力しているのですが、クライアントには医療機関や医療・医薬系企業が多く、広告表現についての規制が大変厳しい。そのため医薬品医療機器等法に照らし、法的にどうクリアでき、かつクライアントのニーズをどこまで満たせるかについて、商品構成段階から担当事業部とともに広告出稿規定をつくっていきました。こうした既存事業を次の領域へ進める際の支援についても、〝立ち上げ〞と同じ意識で取り組みます」と、栗山氏。

和田氏が評価する栗山氏の「柔軟性=守るべきを守り、攻める部分は攻められる能力」は、同社法務の大きな武器である。

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    経営本部や管理、技術、営業と、ワンフロアを部門ごとにパーティションで仕切り、事業部制を導入。コミュニケーションがしやすく、一体感もある(写真は営業部エリア)
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    打ち合わせや休憩用のリラクゼーションスペース。隅に設けられたミニ本棚には、新聞・雑誌のほか社長・役員・社員が持ち寄った書籍やマンガも並ぶ

スピード重視で事業推進に貢献

株式会社サイバー・バズ 経営本部(法務担当)
グループごとの目標達成を鼓舞する社内キャンペーンのポスター(モデルは社長)

もう一つ、同社の法務で重視される点について、栗山氏が次のように語る。

「ベンチャーに共通だと思いますが、〝スピード感〞は必須。新規事業に携わりながら、定例的な法務業務もこなします。ある程度、契約書のひな型などはありますが、あてはまらないものはアレンジする必要があり、これも私の担当です。また、当社では若い営業メンバーが自らのアイデアで、お客さまにどんどん新たな提案をします。そのスピードに私たちも合わせていかねばなりません。実際に、営業が現場で新しい商品をつくってくるケースもありますから(笑)。ネット広告業界はまだまだ整備・改善が不十分な側面があって、時には自分たちで試行錯誤しながらルール自体をつくる必要が生じます。もちろん大変ですが、それがこの仕事の面白さでもあります」

今後、法務に必要となるであろう能力を和田氏に聞いた。

「海外でのサービス展開はすでに〝規定路線〞で、アジア圏を中心に進出していくことは間違いありません。ネット広告業界特有なのかもしれませんが、アドテクノロジーを活用する場合、海外製品が多いため、契約などに関して、ますます英語力が必要とされるでしょう」

同社のクレドには、「批評家にならず、行動家であれ。」「全員営業 全員メディア 全員経営者。」「新しい、面白いを探し続ける人であれ。」といった言葉が並ぶ。日々の進化を余儀なくされる同社では、法務であっても、前に進む行動力が求められる。また、経営者視点も、自然と身につけることができそうだ。

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    「新しい市場を自らの手で創るという誇りと覚悟。」など、本文でも紹介したクレドがオフィス内の壁に貼られている
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    半期に一度変えるスローガン。取材時は「自考・自創」だった