Vol.59
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左より大江哲平弁護士・弁理士、Han Xu弁護士(マサチューセッツ州弁護士)、吉井重治代表取締役社長、井上聡之弁護士(ニューヨーク州弁護士)、藤木実氏(経営企画・知財調達担当)

左より大江哲平弁護士・弁理士、Han Xu弁護士(マサチューセッツ州弁護士)、吉井重治代表取締役社長、井上聡之弁護士(ニューヨーク州弁護士)、藤木実氏(経営企画・知財調達担当)

THE LEGAL DEPARTMENT

#74

株式会社IP Bridge

知財戦略×事業戦略――オープンイノベーションの促進と新たな市場・収益、人材活用の仕組みを創出するプロ集団

〝知財〞の力を見直し、有効活用法を新提案

企業などから調達した特許のライセンスによる収益化、中小・ベンチャーに対する知的財産権を利用した新規事業創出支援を行うアイピーブリッジ。産業革新機構を主要株主として300億円の知財ファンド運営のために2013年に設立された。代表取締役社長の吉井重治氏に事業内容と使命をお聞きした。

「知的財産をめぐっては、かつての自前主義からオープンイノベーションへと変化し、自由市場での取引対象となりつつあります。しかし、日本では特許の有効な活用は5割を大きく下回り、大学が手にするライセンス料は全体でも年20億円規模にとどまり、米国などに比べれば100分の1程度と極めて物足りない状況。我々はグローバルなオープンイノベーションの実現を目指し、〝事業目線〞で企業や大学の知財戦略や施策の立案・実行を支援するために立ち上がりました」

そうした実行支援を多角的かつ複合的に行うため、4つの柱を打ち立てている。

「1つめはイノベーション事業。知財ベースの新規事業支援です。特に中小の場合、優れた技術を持っていても活用のすべを持たない企業は少なくありません。そうした企業の成長を促すべく、いい知財を発見し事業化します。また、大企業においても選択と集中によって事業化が断念された優れた知財が存在します。そうした知財にかかわった技術者などと連携して、新たな事業を創出するモデルも構築しています。2つめはライセンス事業。オープンイノベーションによる産業の健全な発展のためには適切な特許ライセンス環境の構築が必要です。企業や大学は、必要なライセンスを取らずに事業参入するような企業がいても、その特許権の行使に消極的なところも多い。そうした企業や大学から調達した特許、約3500件の技術的・事業的な価値を理解し、特許技術交渉を行う。時には国内外の訴訟などの手段も駆使して、その価値を顕在化し、適切な条件でライセンスし、得られた収益をその企業や大学に還元します。3つめは知財リスク管理を必要とする企業を支援する、知財リスクマネジメント事業。4つめは知財ファイナンス事業。知財を新たな資産と捉え、知財と金融が重複する領域で事業を創出しています」

  • 株式会社IP Bridge 法務部
    オフィスは半蔵門、内堀通り沿いにあり、窓からは皇居の緑と、丸の内オフィスビル群を望む
  • 株式会社IP Bridge 法務部
    短時間で効率的に会議などができるよう、立ったまま話せるスペース。元は外資系法律事務所だったため、窓側には仕切られた執務室が並ぶ。同社では主に会議室として活用

知財の未来を描く プロ人材が集結

各事業を支えるのが、経営支援、法務支援、知財支援、金融支援という4つのファンクションに所属するメンバーで、案件ごとにチームを編成し、取り組む。同社には吉井氏はじめ、CEO経験者、弁護士(日・米)、弁理士、米国金融機関経験者など様々な領域の専門家が集結する。イノベーション事業を中心に法的サポートを行う大江哲平弁護士は、やりがいをこう語る。

「私は〝イノベーションを起こす仕事〞を担当しています。事後的に解決するのではなく、これから起こるべきことを起こしていくという側に立ち、予測されるリスクを低減する。それだけではなく、そもそもの条件・枠組みの構築などポジティブなことに頭を使い、弁理士とディスカッションをしながら事業目線で知財を捉え、取得から活用までを自らクリエイトしていけるところが面白い。知財の価値を上げ、価値を生み出す人たちにきちんと収益として返還していくことにも意義を感じます」

また米国ローファームのリティゲーション分野で経験を積み、主に米国特許の権利侵害などに関与するHan Xu弁護士にも仕事のやりがいを聞いた。

「当社は真のプロの集まり。だからこそ非常にチャレンジングな仕事ができています。日本、米国、欧州、アジアと、マルチ・ジュリスディクションに対して取引や問題が発生するので、常に知識のアップデートが必要で、実務経験も多く積めます。若くても自身の責任と権限で幅広い案件に関与できるので、キャリア形成にあたり大きな財産となっています。企業のみならず社会に大きなインパクトを与える立場で仕事ができることも、若手弁護士にとってはいい経験になると思います」

知財の新たな活用、知財による事業創出というダイナミックな領域にグローバルな視点をもってチームで立ち向かう。弁護士にとって新しい働く場所、働き方を同社は提示してくれる。

  • 株式会社IP Bridge 法務部
    ファンクションごとに“シマ”を形成。しかし仕切りはなく、コミュニケーションが取りやすい。お互いの業務進捗もすぐ確認できるほどの距離の近さ
  • 株式会社IP Bridge 法務部
    7月に行った屋形船での懇親会には、ほぼ全社員(約30名)が参加