<第1回:法律事務所コラム②>法律事務職員のお仕事は?(2/3)

Q 前回、Yさんが勤務されているのは企業法務を中心に扱う小規模法律事務所であると伺いましたが、弁護士は具体的にどのような仕事をしていますか?

A 顧問先から依頼された仕事をすることが多いようです。顧問先からの業務依頼は直接弁護士のメールに届くため、私は詳しい内容までは把握していないのですが、どの弁護士も忙しくしていることが多いです。訴訟案件はそれほど多くなく、訴訟をするとしても顧問先が関係しているものがほとんどです。ただ、女性弁護士が1人在籍していまして、この先生は離婚案件なども手がけることがあります。

Q それでは、Yさんご自身が日頃されているお仕事について具体的に教えてください。

A 法律が関係する部分は先生方が担当されますので、私は基本的には一般事務作業のみ担当しています。現在は弁護士4名に対して事務職員は私1人のため、私が事務作業全般を一手に引き受けています。具体的には、電話対応、来客対応、資料のコピー、事件記録のファイリング、FAXや郵便の送受信、裁判所や弁護士会、郵便局などへのおつかいが業務の中心です。破産管財人の業務が来た時などは、所定の書式に従って資料のドラフト作成をお手伝いすることもあります。

Q 4人もの弁護士を1人の事務職員で支えるというのは相当大変ではないですか?

A 確かに、しなければいけない作業が重なると大変ですが、私が入所した時には他の事務職員もまだ在籍していたので基本的なことは教えてもらえましたし、前任者が残してくれたマニュアルもありますので、対応できています。また、先生方もベテランが多いので、私の忙しさを見計らって作業依頼をしてくれているように感じています。私の手が回らない時には、弁護士自身が事務作業をおこなってくれることもあります。

Q 他の事務職員の方がいないとなると、わからないことがある場合にはどのように対応していますか?

A 時間に余裕がある時には、引き継いでもらった事務所内のマニュアルに加え、市販されている法律事務職員向けのマニュアルなども読みながら、調べて対応するようにしています。調べても自信が持てない時や急ぎの作業で調べている時間がない時には先生に質問することもありますが、どの先生も丁寧に教えてくれます。

Q 法律事務所に転職されてから携わった仕事で、特に印象に残っていることはありますか?

A 最初に訴訟事件のファイルを作った時のことが一番印象に残っています。ファイリング作業自体は基本的なものですが、間接的であれ「裁判」という場面に自分が携わっているのだと実感し、気が引き締まると同時に、頑張ろうという気持ちになったことをよく覚えています。

Q 弁護士の仕事をサポートするにあたり、心がけていることがあれば教えてください。

A 弁護士は常に多数の案件を抱えていますし、スピード感を持って仕事をすることが求められる場面も少なくありません。弁護士には、法律を使って考える作業や法的な書面を作成する作業といったような「弁護士にしかできない仕事」に集中してもらいたいので、事務作業についてはなるべく私が迅速に処理できるようにしたいと思っています。
また、弁護士は仕事に集中していると時間が経つのを忘れてしまっていることがありますので、それぞれの先生方のスケジュールについて、私もしっかりと把握し、余裕を持ってリマインドするように心がけています。
加えて、事務職員は法的な業務は行わないとはいえ、業界ならではの専門用語などもありますし、やはり法律や法律業界について理解していたほうがサポートしやすい部分はあると思います。そこで、「マンガでわかる○○法」など、一般の人にもわかりやすくまとめられた書籍を利用して少しずつ勉強するようにしています。

Q 弁護士は夜遅くまで働いたり土日に働いたりすることも少なくないと思いますが、Yさんも残業になることはあるのですか?

A いえ、私が残業になることはほぼありません。平日の9時30分から17時30分が業務時間ですが、定時で帰宅させてもらっていますし、土日に出勤を求められたこともありません。作業が終わらなかった時は、急ぎの場合には先生が続きの作業を自ら行ってくださっています。ただ、この点は法律事務所によっても大きく違う部分だと思います。残業の有無や残業手当については就職前に十分確認されるとよいかもしれません。

Q ありがとうございました。弁護士が本来の業務に集中できるように気を配っていらっしゃることがよくわかりました。これから法律事務所で働きたいと思っている方にもとても参考になったと思います。次回がYさんへの最後のインタビューになります。次回は法律事務所での仕事のやりがいについてお聞きしたいと思いますので、またよろしくお願いいたします。

A はい、よろしくお願いします。

記事提供ライター

社会人経験後、法科大学院を経て司法試験合格(弁護士登録)。約7年の実務経験を経て、現在は子育て中心の生活をしながら、司法試験受験指導、法務翻訳、法律ライターなど、法的知識を活かして幅広く活動している。

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