事務所探訪:2016年11月号 Vol.54

事務所探訪

アトーニーズマガジン 事務所探訪

多種多様な「働く場」としての法律事務所を、読者に代わり、編集部が取材します。事務所の理念・方針・特徴・こだわりや工夫が凝らされた事務所の“日常風景”を分かりやすくお伝えします。

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弁護士法人 とびら法律事務所

舞い込む相談件数、年間600件。離婚分野を究める千葉県有数の事務所

村上真奈弁護士と鶴岡大輔弁護士が代表を務め、離婚分野に特化した法的サービスを提供する、とびら法律事務所。離婚専門の事務所とした理由を、両弁護士が説明してくれた。

「私たちはもともと家事事件を得意としておりますが、〝人の人生に深くかかわれる〞〝人のためになり、感謝されることにやりがいを感じる〞〝人間の本質を見ることができ、自分たちも人として成長できる〞という点が、離婚分野に特化した理由です。特化することで、私たち弁護士の事件処理能力および依頼者の要望に十分応える能力の向上にもつながります。また、明確な特徴を打ち出すことで、法律事務所としての勝ち残りを図る狙いもあります」

離婚に関する裁判例や裁判官の論文などを研究・知悉していることはもちろん、行政からの支援に関する知識経験も豊富に蓄積されているため、依頼者は、いわば〝かゆいところに手が届くサービス〞を受けられる。村上弁護士は言う。

「例えば、離婚前に社会保険などの手続きをしておくことをお勧めしたり、別居中(離婚成立前)、実際に子どもを育てているほうの親に児童手当が行政から支給されるための手続きについてご説明するなど、依頼者が新しい生活にスムーズに入れるよう、様々な観点からアドバイスを行っています。離婚成立と子どもの学校への入学が前後する場合など、戸籍上の苗字ではなく、離婚後の親の苗字を学校に申請しておくといったアドバイスも、喜んでいただけた例の一つです」

所属弁護士全員が心がけていることについて、鶴岡弁護士は次のように語る。

「一つは、受任したらすぐに着手するということ。相手方にもただちに連絡を取ります。もう一つは、安易に調停を申し立てず、できるだけ協議で解決するということです。これらは、依頼者が早く新しい生活へ踏み出せるようにという思いから。依頼者の本音と要望をくみ取り、どうやってそれを実現してさしあげられるかに加え、相手方との交渉に力を入れて長期化させないことを重視します」

鶴岡弁護士の〝肌感覚〞では「協議は3カ月、調停は半年、訴訟は1年かかるイメージ」だという。多少の幅はあるものの、その期間内での解決に尽力する。ちなみに、わずか2週間で解決した事案もあったそうだ。しかし、協議で解決しようとすれば、調停に比べ、はるかに依頼者や相手方とのコミュニケーションの頻度が増える。同時並行で複数の依頼者と接し、適切なアドバイスを行うためには、〝他者の知恵〞、弁護士間のナレッジ共有が不可欠だ。

「日頃から事務所内では、情報交換や相談が飛び交います。終了した事件については、各弁護士が事例報告メモを作成して全員に回覧し、月3回のミーティングの際に質疑応答の時間を用意。また、担当事件で使用した裁判例は、重要判例集として事務所で統一的に管理し、いつでも閲覧・利用可能な状態にしています」と、村上弁護士。さらに、離婚専用の相談票や質問シートをつくり、相談者・依頼者の語る大切なポイントを聞き漏らさないよう、細かく記録することを徹底している。

同事務所は、この10月に弁護士法人化をしたばかり。今後も積極的に弁護士を採用し、カウンセラーも配置していく予定だという。今後の展望を村上弁護士に聞いた。

「長い間、離婚ができなかった方の離婚訴訟で、こちら側の主張立証が認められ、最終的に有利な条件で和解が成立した時、和解の席で依頼者が感極まってうれし涙を流してくれたことがあります。一般的に難しいといわれますが、男性側に親権をもたらすことができ、感激してくれたこともあります。解決後に依頼者から幸せな人生を送っているという報告が届くことも多く、その人生にかかわれてよかったと心底思います。そのように依頼者の人生に寄り添い、重大な節目に立ち会うこと自体が、この仕事のやりがい。また、家族法の不合理な規定や判例を変える活動もしていきたいと考えています。こうした私たちの考えや仕事の姿勢、事務所の方向性などに共感し、離婚事件に熱意を持って取り組める人と、ぜひ一緒に働きたいですね」

■プロフィール

  • ●所在地
  • 〒260-0028
  • 千葉市中央区新町3-7
  • 高山ビル3階
  • TEL/043-306-7380
  • http://tobira-rikon.com/
  • ●設立2014年。離婚分野に特化した法的サービスを提供(受任事案の95%以上が離婚分野)。財産分与、養育費、慰謝料、年金分割など金銭面にも配慮したきめ細やかなアドバイス・サポートを行う。「相談者の前に立ちはだかる壁を、新しい人生を歩むための扉にしたい。親しみやすく心のこもったサービスで、相談に来やすい事務所(いつでも扉を開いている事務所)でありたい」という思いを込めて、とびら法律事務所と名付けた。初回60分は相談無料で、平日夜間・土曜日の相談予約にも対応。男女いずれかの弁護士を選べるようにするなど、相談者がアクセスしやすい環境づくりに注力している。