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南摩雄己 Yuki Namma
AI&ベンチャー法律事務所
代表弁護士
第一東京弁護士会所属

インハウスとして培った“ビジネスと経営判断”の勘所が強み。
ジェネラルな視点と提案で、ベンチャー企業の成長に貢献

南摩 雄己

AI&ベンチャー法律事務所
代表弁護士

法律事務所勤務経験×大手企業・ベンチャー企業の法務責任者×最先端のAI・IT分野の知見――これが、南摩雄己弁護士を表すキーワードだ。企業法務に“内外両面”からかかわったからこそできる、一歩踏み込んだ契約法務、AIなど最先端分野の法律およびビジネスにおけるアドバイスが最大の強み。常に新たな挑戦を続ける南摩弁護士の、“これまでと、これから”を聞く。

弁護士の道

「身につけたい能力。納得できるスキル」を求めて

学生時代、興味を持ち、積極的に学んだのは知的財産法。弁護士としてのスタートも、知財ブティックと呼ばれる法律事務所です。エンターテインメント分野を中心とした契約のドラフト、契約交渉、紛争処理など、知的財産関連の法実務に従事しました。ただ、日々の業務のなかで“企業法務に関する基礎力”をもっと身につけたいと感じ、より幅広く企業法務が学べる法律事務所へと移籍。そこで、コンプライアンス関連を中心とした企業法務一般の知見を身につけました。やがて、事務所のお客さまである経営者や法務部員と接するうち、「企業の意思決定の仕組みやビジネスの仕組みをもっと知りたい」と考えるようになり、インハウスローヤーとして株式会社LIXILへ転職し、マネージャーを務めました。さらには、法務機能全般をあずかる環境で力を試したいと、大手より裁量を持てるベンチャーへ。都合2社で、“ゼロ・イチ”から法務機能を整えていくことや、経営判断をサポートすることも含め、法務機能全般をマネージする法務責任者を務めました。そうしてインハウスローヤーとしてひととおりの経験を積み、次はこうした経験を提供する側にまわるため、現在の法律事務所を開業。私がこうして居場所を変えてきたのは、「身につけたい能力、納得できるスキル」を求めたから。所属した法律事務所・企業には、様々な経験を積ませていただき、感謝しかありません。

弁護士 南摩 雄己

なかでもLIXILでは、ビジネスの初歩と、「企業法務はどうあるべきか」という、今のすべての業務の核となる部分を学ばせてもらいました。若手向け選抜型リーダー研修制度に参加してビジネスの基礎を学び、入社3年目には日本国内の契約全般を管理する部門長(商事法務室長)も任せてもらいました。国内1兆円規模、従業員4万人、取引先も含めると“たくさんの人”の人生にかかわる仕事で、一つ判断を誤れば多くの人を不幸にしかねない――「大きな影響力を持つ組織を管理する基本」は、上司である本部長の背中を見て学んだものです。それは極めてシンプルで、「ルールどおり、公平にやる。おかしな話には一切応じない」ということ。言い換えればインテグリティ(誠実・高潔)。これが私の大事な業務指針の一つです。

弁護士 南摩 雄己

得意分野

契約法務のプロフェッショナルとして

現在、M&A・事業承継、アライアンス・新規事業、経営目線でのリスクマネジメント体制や法務体制の設計・構築・運用支援などを中心とし、ジェネラルに企業法務をサポートしていますが、契約法務全般を特に得意としています。これまでIT、メーカー、エンターテインメント各業界特有の契約はもちろん、M&A、資本業務提携、合弁、ベンチャー投資、共同開発、新規事業に関する契約など1万件以上の契約書の作成・リーガルチェック、および交渉を行ってきました。インハウスローヤー時代の実感値として“外の法律事務所に出す契約書(問題がある契約)”は、せいぜい3%。問題なく進められる残りの97%の契約書(企業が弁護士に依頼しないもの)も見てきたことで、契約書に対する公正な目・判断力が鍛えられました。そういった経験が、私の契約法務の礎となっています。

契約法務では、自社側の利益を確保し、リスクを減らすことはもちろん、ビジネスの当事者としてお客さまからの信頼獲得も同時に行わなければなりません。法務観点だけでは詳細の検討が難しい株主間契約や投資契約の「事前承諾事項・事前協議事項」の議論、共同開発契約の「知的財産権の帰属」の議論など、新たな価値を創出できるビジネスチャンスでもある。こうした視点は、インハウスローヤーとしてビジネス現場に近いところで経験を積んだからこそ培われたもの。契約書のドラフトやレビューに限れば、「やがてAIに代替される」ともいわれますが、私はそれをはるかに超えるレベルで契約法務を究めたい――そう考えています。

弁護士 南摩 雄己

交渉の具体例を一つ。請負型の開発契約で「契約不適合責任を追求できる期間はいつまでか?」といった議論が、ベンダー側にいるとよく生じます。私はその際、民法改正に関する議論(期間制限。目的物の「引渡時」から1年以内が、「不適合を知った時」から1年以内に改正された)に持ち込むのは、よい手法だとは思いません。「ベンダーの開発チームがプロジェクトごとに組成され、開発完了後は解散する」というケースでは、ベンダーが長期の対応責任を負うよりも、成果物について早めに問題点を洗い出して改善するほうが、ユーザーにとっても有意義。特にAI開発技術者はひっぱりだこで、プロジェクトが終わったら抜けて他社に移る(いなくなる)ことも、ままあります。ですから、対応責任の期間を延ばすのではなく、逆に短くして、その代わりに「どのようなフォロー(プロセス・内容など)をベンダーがユーザーに対して行うか?」を議論・交渉し、契約書に落とし込む。そのほうが双方にとって有益であり、ベンダー側もユーザーの信頼を得られます。法律とビジネスの両方を知っているからこそ、Win-Winの関係を構築するための選択肢の提案ができるのです。

専門性の高い契約についても、積極的に取り組んでいます。例えば、「AI開発契約(機械学習技術を使用したシステム・ソフトウェア開発契約)」について。この種の契約では、データを使用した“学習”によって「モデルのパラメータが調整される」という要素が入ります。そのため「学習用データセット」「学習用プログラム」「推論プログラム」「学習済みパラメータ」といった技術用語と、その実質的な意味を正確に理解したうえで、必要な権利を確保し、適切な使用制限を契約書で定めます。例えば、「需要予測」プログラムや「不正検知」プログラムについて、それぞれの事業戦略と知財戦略により、保護すべき知的財産の範囲が決まるため、これを織り込んだ契約書を設計します。当然交渉もサポートしますが、予想される交渉経過をあらかじめ見越したうえで構成を検討します。契約書の作成時点から交渉は始まっています。

弁護士 南摩 雄己

こだわり

志の高い経営者・ベンチャー企業の“正しい成長”を支えたい

2021年7月、事務所の本格始動の際にバリュー(行動指針)として掲げたのは次の4つです。①専門性/依頼者が不利益を被ることがないよう研鑽に努める。②お客さまのビジネスの理解/お客さまのビジネスに寄り添い、そのビジネスを通じて社会貢献につなげていく。また、ビジネスとそれを動かす人に対して、敬意をはらって仕事をする。③インテグリティ/ルールどおり、公平にやる。おかしな話には一切応じない。自分がかかわることにより、多くの人の“人生”に影響がおよぶ――それを忘れずに、常に正しくある。④迅速性/対応の遅れは、金銭面も含めて関係者への影響が大きいことを常に意識する。

過去の経験すべてが、このバリューの下地ですが、やはりLIXILのインハウスローヤーとして“上場企業の仕組み”を学べたことが大きい。事務所名に「ベンチャー」と入れたのは、当事務所がベンチャー企業のようなものであり、また新たな価値を創出するベンチャー企業を支援していきたいと考えたからですが、そうしたなかには将来的に上場を目指す企業もあるでしょう。上場企業の仕組みに関する知見を生かし、ベンチャー企業が“目指すべき道筋”と、そのために必要な“適切な支援”を提供していきたいと思っています。

弁護士 南摩 雄己

ベンチャー企業の多くは、短期間での利益追求といった強烈なプレッシャーにさらされます。スピードは特に重要です。利益を上げ続けるために、経営陣は次々と施策を検討し、実行に力を入れますから、仮にそれに“待った”をかけるには、相応の理由が必要。「法務視点で、こうすればできる」という代替案や、実行時の具体的リスクを分析しつつ経営陣の“go”と“no-go”の的確な判断を提示しなければなりません。一方で、コンプライアンスも重要。本業で事故が起これば利益どころではなくなりますが、事故以前に従業員が会社を信じられずに次々と辞めてしまい、支障が出てしまう――という事態が先行しているケースも。例えばハラスメントが横行する職場には、誰もいたくないでしょう。「自社がまともであってほしい」という全員の願いに共感し、支えるのも、私の役目です。

ただし、サポートするのは、社会的に正しくあらんとする、従業員はじめステークホルダーの幸せを大切に成長していきたいという志がある経営者・企業に限る――これが私の率直な思い。バリューに掲げたインテグリティは、自分自身はむろん、お客さまにも求めるのが私のこだわりです。

弁護士 南摩 雄己

展望

“例外的なキャリア”も生かせる場を

弁護士 南摩 雄己

企業法務系の弁護士の多くは仕事の専門分化が進み、多様な経験を積むことが難しくなってきていますが、私の場合はその潮流に反して、意識的に“ジェネラリスト”を目指してきました。そこに、AI法務といった“尖った分野”を結びつけていることが強みです。もう一つ、「企業のビジネスおよび管理に関する知見」が豊富なこと。具体的には、規模を問わず“企業におけるビジネスの進め方と管理に関する判断基準や実情”を知っている、特に法務に関して企業の発展段階に応じた組織設計や構築を経験しているということです。関係者の行動意図を先読み・把握しながら、必要な対応・項目についての漏れがあれば指摘し、法務以外での解決の示唆や代替案の提示、説得力ある交渉を進めるといったスキルも強みです。

弁護士 南摩 雄己

法律事務所からインハウスローヤー、そして独立という私のキャリアは、弁護士のなかではまだマイノリティの部類でしょう。しかし、お客さまの業種・業界のことをよく知る、インハウスローヤーも経験した弁護士が集結する事務所――そんな事務所があっても面白いのではと。これから先、弁護士もお客さまのビジネス、経営判断に精通していなければ、選ばれなくなる時代となるのではないでしょうか。ゆえに、そんな“例外的なキャリア”、“多様な経験”を持つ弁護士が生き生きと働ける、個性が発揮できる場所として、この事務所を発展させていきたいと思っています。

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AI&ベンチャー法律事務所はその名のとおり、AI(およびIT)関連法務にエッジを立て、法的問題にリソースを割り振ることが難しいベンチャー・中堅・中小企業にも良質なサービスを提供していくための事務所です。なお、私自身の独立もいわば“ベンチャー”であり、その創業の志を忘れないようにという思いも込めました。「志高く、社会的に価値ある企業として成長していきたい」と願う経営者、企業の皆さまを、全力で支援してまいります。

※取材に際しては撮影時のみマスクを外していただきました。

  • 弁護士 南摩 雄己
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