EXTRA
ARTICLE
  • ご意見・ご感想はこちら
  • 無料 転職支援サービスに今すぐ申し込む
  • 無料メンバー登録 将来のために情報収集をスタート
  • 弁護士や法務の転職・求人情報なら弁護士転職.jp

木津 嘉之 Yoshiyuki Kizu
西村あさひ法律事務所 
パートナー弁護士
第一東京弁護士会所属

木津 嘉之

ヨーロッパプラクティス×クロスボーダーM&A+戦略的交渉力で
欧州ビジネスにおける法的ストレスから日本企業を解放し
クライアントのビジネスを成功に導く

西村あさひ法律事務所 パートナー

新型コロナ禍、ウクライナ情勢、GDPR(一般データ保護規則)の規制強化などにより、日本企業が欧州市場で展開するビジネスの難易度が高まっている。この状況に頭を抱える企業からの相談が引きも切らない弁護士――それが、欧州地域を含む、クロスボーダーM&A案件を中心とする企業法務全般を得意とする木津嘉之弁護士だ。「Who’s Who Legal:M&A and Governance 2022 – Legal Marketplace Analysis」(Law Business Research)のleading individualを受賞するなど、特に、欧州地域を含むクロスボーダーM&A取引で高い評価を得ている木津弁護士の、“これまでと、これから”を聞く。

弁護士の道

日本と欧州の架け橋になるため、国際弁護士を目指す

父親の海外転勤に伴い、小学1~5年生までをルーマニアの首都ブカレストで過ごしました。1989年に革命が起き、チャウシェスク政権が倒れる様子を目の前で見たことは、今でも強く記憶に残っています。ブカレストで暮らしていた間、欧州各地を行脚し、現地の人々と触れ合ったことで、「いつか欧州と日本の架け橋となるような仕事がしたい」と考えるようになりました。大学在学中に、「弁護士として、法を用いて人や社会の役に立つ仕事をする」という将来設計を描き、法科大学院に進学。就学時、ダイナミックな事業戦略である企業買収に興味がわき、企業法務に関心を持ったというわけです。

司法修習修了後は、西村あさひ法律事務所に入所しました。7年ほど勤務した後、英国ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンのロースクールに留学し、LL.M.を修了。その後、ドイツ、フランス、イタリアの大手法律事務所のM&A部門、パリに所在した日本企業のM&A戦略室で働き、欧州案件における経験を積みました。日本企業の案件だけでなく、欧州の事業会社やファンドなどの案件にも携わったことで、欧州企業側の思考や交渉の仕方を体得できたことが、今も私の大きな糧となっています。

弁護士 木津 嘉之

得意分野

徹底した現地主義による事業戦略遂行サポート

弁護士 木津 嘉之

現在、私はクロスボーダーM&Aを中心とした、欧州全域の国際取引案件を担当しています。西欧のみならず、東欧や北欧の企業買収、投資案件にも幅広く携わっています。取扱案件の8割は、日本企業による海外企業買収などのアウトバウンド案件、2割は海外企業による日本企業買収といったインバウンド案件です。

クロスボーダーM&A における私の強みは2つあります。1つ目は、「事業戦略上の参謀機能を果たせる」こと。一般的に、M&Aで弁護士が関与するのは、DD(デューデリジェンス)や契約交渉といったエグゼキューションのフェーズのみですが、私はクライアントに帯同し、欧州各国を回って買収先の選定段階からお手伝いします。また、相手企業との契約交渉・実行フェーズのみならず、買収後のPMI(ポスト・マージャー・インテグレーション)までトータルに対応させていただくケースも少なくありません。クライアントの事業戦略上の重要ポイントを深く理解したうえで、第三者的な立ち位置ではなく「クライアントの参謀」として意見を述べ、買収後に事業が適切にワークし、当初想定されたM&A戦略・シナジーを達成することを意識して進めます。M&A戦略上最低限必要な交渉事項について、相手が無理を通そうとするケースでは、クライアントと協議しつつ、相手方に対して交渉の中止も辞さない強い姿勢も見せながら買収案件をまとめ上げたこともあります。

2つ目は「交渉学に基づいた戦略的交渉ができる」こと。大学時代、日本の交渉学の第一人者である教授に師事し、LL.M.留学中も専攻科目の一つでした。交渉では、「Zone of Possible Agreement(ZOPA、妥結可能条件・範囲)」の理解が重要です。相手のZOPAを見極め、クライアントにとって最良の結果となるような妥結点を探ります。ただ、言うは易し、行うは難し。私は、そこに徹底的にこだわって、できるだけクライアントとともに現地に赴き、交渉の席につき、ランチタイムなどもフル活用して、相手の交渉スタイルや文化的背景、性格、視線、身振り手振りなどから適切なタイミングを計り、こちらの要求を効果的に打ち出せる策を練ります。昨今では、オンラインや電話での交渉も多くなりましたが、以前は1カ月に1度は、数日から数週間程度の欧州出張に出かけていました。オンラインでは相手の反応が読み切れないうえ、その国の法令や社会の変化などのリアルな情報を得ることが難しく、やはりZOPAを把握するためにも、現場が重要だと思っていますので、現在も状況を見ながら少しずつ欧州出張を再開しています。現地主義が、私の弁護士としてのスタイルであり、クライアントのM&A戦略を交渉に反映する最も効果的な方法と考えています。

  • 弁護士 木津 嘉之
  • 弁護士 木津 嘉之

こだわり

100件におよぶ欧州案件対応経験に基づくソリューション提案

弁護士 木津 嘉之

欧州3カ国で勤務した約3年間と、帰国後の4年間で担当した欧州にかかわる案件は、およそ100件。欧州企業に関連するクロスボーダーM&A案件では、日本人弁護士として最も多くの案件を担当してきたと自負しています。当該経験で得た現地のプラクティスへの深い知見と日本企業の課題を前提に解決策を提供します。例えば、日本国内のM&Aでは通常、譲渡契約に規定される買主のプロテクションが、欧州企業とのM&Aにおいてはマーケットプラクティス上認められないことがあり、「欧州案件においてどう手当てすべきか」といった問い合わせをよくいただきます。例えば、契約締結からクロージングまでの間に重大な問題が起きた時に買主が取引を中止できる権利としての買主の前提条件について、日本や米国では比較的広く認められる傾向があります。ところが欧州では、基本的に取引の確実性が重視され、売主に有利なかたちでの契約実務が一般的であるため、前提条件が限定的にしか認められない傾向にあり、さらには欧州各国でこの傾向に相違があります。さらに、日本ではあまり馴染みのない「表明保証保険」も、欧州では当たり前に利用されます。

クロスボーダーM&Aでは、このように日本と当該国で法律及びその解釈が異なり、また、そもそも文化的背景及びマーケットプラクティスが違うので、当該相違をどのように埋めるのかについて具体的な解決策としてのオプションを豊富に持っていることが大切です。私はこれまで欧州留学や欧州の法律事務所での勤務経験、日欧多数のM&A案件に対応してきたことから、同じ、欧州域内のドイツ、フランス、イタリアであっても、違いがあるということを実体験として知っています。そういった経験を生かして、日本企業が直面しがちな問題に目配りし、クライアントのビジネスニーズに即した総合的・戦略的なソリューションが提案できるよう、常日頃から心がけています。

弁護士 木津 嘉之

展望

日本企業の欧州ビジネスにおける法的ストレスをフリーに

今後、日本企業が国内市場のみでビジネスを行い、成長していくことが難しくなることは間違いありません。アジア市場に進出する企業も少なくありませんが、ポートフォリオ戦略の観点では、米国・欧州市場も無視できないでしょう。ただ欧州は、アジアや米国以上に、ハードルが高い市場であると私は考えます。

ですから私は、「欧州において日本企業がビジネスをする際の法的ストレスをフリーにすること」を目指したいのです。欧州との取引を“グローバル”とひとまとめにして考えるのではなく、各国の“ローカル”をしっかり理解し、それらに応じた解決策を整理したうえで、適切に交渉を進めていく――つまり“グローカル”の視点を併せ持って臨みたいと思っています。それができるのが、私の最大の強みでもあります。日本と欧州の架け橋となり、法的な部分において日本企業がストレスを感じずにすむようサポートしていくため、日々力を尽くします。

  • 弁護士 木津 嘉之
  • 弁護士 木津 嘉之

message

2020年11月、ドイツのフランクフルトとデュッセルドルフに、日本の大手法律事務所として初めて現地オフィスを開設し、ここを拠点に私たちは、欧州を対象としたクロスボーダー取引において質の高いリーガルサービスをシームレスに提供できるようになりました。日本から欧州へのアウトバウンドを含むM&A、日本企業の欧州事業売却、GDPRへの対応、知的財産・営業秘密の侵害に関する紛争対応など、豊富な経験を基盤としたヨーロッパプラクティスの専門性を生かした対応が可能です。

これまでの欧州関連の実績、各種メディアへの寄稿やセミナーなどを通じて、Who’s Who Legalの「M&A and Governance 2022 – Legal Marketplace Analysis」のグローバルM&A弁護士ランキングにおいて、名誉なことにleading individual(日本で選ばれた2名のうちの一人)として選出いただきました。最近は欧州の法令への知見を評価いただき、M&A以外の分野のご相談も増えています。各国の労働法や税務の違いを考慮して、進出すべきマーケットや工場の建設地についてアドバイスをしたり、ウクライナ情勢などビジネス環境の変化を受けた日本企業の欧州事業売却、逆に欧州企業によるアジア投資に関するご依頼も多数受任しています。

欧州では、ブラッセルを中心に新たな法令が制定されたり、マーケットプラクティスが大きく変わる例がよく見られます。そのため、常に最新のニュースをチェックするなど情報のアップデートを怠りません。法的見地のみならず、事業戦略におけるアドバイス、現地事情に詳しいアドバイザーの紹介も可能です。日本企業の欧州でのビジネス成功のために、私の持つすべての経験・知識・能力を駆使して、クライアント企業の海外での成功にコミットさせていただきます。

※取材に際しては撮影時のみマスクを外していただきました。

  • 弁護士 木津 嘉之
  • 弁護士 木津 嘉之