Vol.41
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16名中、12名が弁護士資格を有する専門家集団(前列中央が金兵氏。右端が柏尾氏)

16名中、12名が弁護士資格を有する専門家集団(前列中央が金兵氏。右端が柏尾氏)

THE LEGAL DEPARTMENT

#47

バークレイズ証券株式会社 法務部

“ネバー・セイ・ノー”の流儀を貫き顧客に常に最高のプロダクトを。グローバル展開を支えるプロ集団

チームで取り組み最高のプロダクトを

同社は、ロンドンに本拠を置くバークレイズ銀行の投資銀行部門の日本法人だ。総勢16名で構成する法務部のうち、12名の部員が弁護士資格(日本の弁護士資格者は9名)を持つ。

「当社は機関投資家による株式・債券・デリバティブ取引などを仲介するマーケッツ業務と、金融機関や事業法人による資金調達やM&Aによる組織再編などに関する投資銀行業務の2つが事業の柱。法務部の組織は、これらの事業を担当する2つのユニットに、訴訟や株主総会、取締役会などに携わるユニットを加えた計3ユニットで構成されます。案件によっては、各ユニットから部員を選抜して、チームを組むこともあります」と金兵正樹マネージング・ディレクターは説明する。

金兵氏と共に部内をまとめる柏尾哲哉ディレクターは、「ユニットが担当する案件は、必ずチームで仕事をします。金額的にも規制対応としても重大な法律問題を扱っており、ミスは許されません。プロフェッショナルでも間違う可能性があることを前提に、クロスチェックを行い、最高のプロダクトを提供するのが、我々の使命だと認識しています」と話す。

世界的に事業を展開するバークレイズ・グループの中で、日本法人はアジア太平洋地域部門の重要拠点である。同地域は東京のほかシンガポール、香港など5カ国に拠点を持ち、国際色豊かな112名の法務部員が在籍する。「海外の同僚と毎日連絡を取り合って、共に国境を超えた業務を行うほか、毎月のビデオ会議で、情報交換を行いながら懇親も深めている」(柏尾氏)のだそうだ。

バークレイズ証券株式会社 法務部
「法務部のメンバーは、とにかくレベルが高い。仲もいい」と柏尾氏(左)。案件にはチームで取り組み、クォリティチェックをしながら進めていく

規制をとらえ、チャンスに変える

バークレイズ証券株式会社 法務部
期待の新人3人。左から、リチャード・ブリークリーさん、高柳奈緒子さん、宗像孝純さん。いずれも大手証券会社や弁護士事務所などでのキャリアがある

金融機関のビジネスは、法律や詳細な行為規則などの遵守が不可欠の条件となる。ルールは多岐にわたり、改正の頻度も極めて高い。

「そうした情報収集も行いながら、ビジネス部門にリーガルリスクについて、きちんと理解してもらうのが我々の役目。ただし、規制で制約されているということは、逆にいえば規制緩和によってビジネスチャンスの広がる可能性があることを意味するのです」と金兵氏は言う。

「今は、日本に再び活発な金融マーケットを呼び戻そう、というトレンドですから、そうした方向の法改正も頻繁に行われます。それをいち早くとらえて、どこまでが可能になったのかを的確にアドバイスできるのは、我々法務部しかありません」

実際、2011年に、新たな債券市場「東京プロボンド」が開設。当初ほとんど活用されなかった仕組みだったが、同社の法務部が証券取引所などと共同して検討を重ね、制度のボトルネック解消などに貢献。当該市場を活用した最初の資金調達案件を同社が担当するなど、ビジネスの拡大に結実した。

そうしたリーガルアドバイスの基本は、「〝ネバー・セイ・ノー〞だ」と金兵氏は強調する。

「〝ノー〞と言うのは簡単。でも必ずソリューションを用意するからこそ、現場は我々を信頼してくれる。本当にダメな〝ノー〞もわかってくれるのです」

それを貫くためには、法務部員としての、一人ひとりのレベルアップが欠かせない。

「ネットで調べれば、出る結論もあります。それを提示すれば、顧客は満足するかもしれません。でも本人の血肉にはならない。時間がかかっても自分の頭で考え、納得するまで勉強する人とは、時間の経過と共にどんどん差が広がっていく。それが、私の経験から得た〝良い弁護士〞になれるかどうかの分岐点です」

続けて柏尾氏は、「弁護士数が急増する中、弁護士の役割や仕事の範囲を固定観念で決めつければ、縮まるパイを奪い合うことになるだけ。自分が持つスキルを社会にどう生かしていくのかという新しい視点を持てば、インハウスロイヤーも含めて、いろいろな進路が開けてくるはず」と、若き法律家へのメッセージを語ってくれた。

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    毎月1回開く「ランチミーティング」。食事をしながら様々なテーマについて話し合う。時には金兵氏自ら議題を設けての発表も。弁当選びは輪番制で担当するが、今回は英国人のマイケル・ブロック氏が寿司をセレクト
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    社内にあるカフェのスタッフも国際的で、英語しか通じない。サラダバーも併設しており社員に人気だ
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    卓上カレンダーには、海外拠点を含め、法務部門全メンバーの顔写真が載る