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中山達樹 Tatsuki Nakayama
中山国際法律事務所 代表弁護士
第一東京弁護士会所属

コンプラを変え、会社を変え、日本を変える。

中山 達樹

中山国際法律事務所 代表弁護士

朝3時に起床し、ブログ『川塵録』を1本執筆後、朝5時には事務所で執務開始。夜明けとともに3キロのランニング後、朝7時からジムで汗を流し、心身とも澄み切った状態で執務再開。「己を律する」姿勢を崩さない、白いスーツがトレードマークの中山達樹弁護士。アジア新興国の法務に強く、現地での根回しや人間関係の構築など、場数がモノを言う海外のリアルなビジネスの修羅場をくぐってきた。その経験を糧に、日本の閉塞感を打ち破る「インテグリティ」を唱え続ける中山弁護士の、「これまでと、これから」を聞く。

弁護士の道

信頼・尊敬される日本人として世界で働く

中学生の頃に父から聞いた「ブラジルの人口の1%を占める日系人は“Guaranteed”と言われ、他国の人にはない信頼と尊敬を得ている」という話が、その後の人生の指針となっています。「多くの人から尊敬される日本人になりたい」「国と国の架け橋となり、日本人の高潔さを世界に広めたい」という使命感に駆られ、この思いを実現するために渉外弁護士を選択しました。

弁護士 中山 達樹

アジア法務のパイオニアである三宅・山崎法律事務所(当時)でキャリアをスタート。入所間もなく、IPBA(環太平洋法曹協会)を創設した三宅能生弁護士のカバン持ちをして、国際ビジネスのマナーや人心掌握術を間近で学びました。その後、シンガポールの名門法律事務所Drew&Napierで執務し、世界中の弁護士とさらに大きなネットワークを築いてきました。

弁護士 中山 達樹

海外法務を中心に様々なクライアントをサポートしてきましたが、私が極真空手の黒帯だからでしょうか、タフな闘争案件を多くご依頼いただきます。防弾チョッキを着て海外セレブを守るという弁護士らしからぬ仕事も経験しました。ある国際案件で私の仕事ぶりを見た海外のシニア弁護士から、「Tatsuほどクライアントにコミットするヤツを見たことがない」と言ってもらえたことが、私の誇りです。2年前までは平気で週に1度くらいは徹夜していました。クライアントの「依頼に応える」なんて言葉は甘っちょろいし、生半可。クライアントと共に本気で笑い、本気で泣く。情熱(Passion)とクライアントへの共感(Empathy)が強ければ強いほど、智慧もスピードも高まる。こういう私のプロフェッショナリズムを通じて、日本人の高潔さを世界に広めていくことが私の使命です。

弁護士 中山 達樹

得意分野

インテグリティのエバンジェリストとして

  • 弁護士 中山 達樹
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私が得意とする仕事は大きく2つ。一つは、海外法務全般。取扱案件の7割が国際案件で、そのうちの7割が日本企業からの依頼です。また、その7割がアジア太平洋地域への進出案件です。これまでに培ってきた世界の法曹人脈をフル活用し、スピーディに「この案件で、この予算で、この国なら、この弁護士と組む」などの総合戦略を固めます。そして、クライアントのオーダーに応じて細かくカスタマイズしながら、ワンストップで安価なサービスを提供できる体制が強みです。

もう一つは、インテグリティのエバンジェリスト(伝道師)としての活動です。インテグリティとは、難しいコンプライアンスを、「アンラーン」(Unlearn、学び直して解きほぐす)して明るく発展させたもので、「8割のコンプライアンスに2割のリーダーシップを加えた」イメージです。なお、日本企業の時価総額ランキング20位中、6割の12社がホームページでインテグリティを語っています。

なぜ私が、インテグリティに着目するのか? 理由は次の通りです。シンガポールから帰国した2011年以降、海外労務、海外贈賄防止、海外競争法などのセミナーを数多く行ってきました。そこで受講企業の方々から、「いかにしてコンプライアンスを“自分ごと”として現場に捉えてもらうかに苦労している」という悩みを多く聞き、日本企業のコンプライアンスの限界を感じてきました。また、企業の方々と会食をすると、50代の役員や部長が85%話し、40代の課長が10%話し、30代の主任はお酒を注ぐばかりで5%も話さない(話せない)……という場面をたくさん見てきました。そこに「日本企業の閉塞感」を強く感じました。この閉塞感に風穴を開けるのがインテグリティです。

そもそも、コンプライアンスとインテグリティの違いは何でしょうか? コンプライアンスは「消極的なマネジメント」です。不正防止のみを目的とし、西洋医学(外科手術)的に、厳しく「北風」のようにMustを押し付けるのがコンプライアンスです。「ある行為が法律や規程(ハードロー)に反するか」を監視し、違反という結果を出さない=Do things right(ちゃんとやる)に重点を置きます。

一方、インテグリティは「積極的なリーダーシップ」です。コンプライアンスのみならず、広く会社理念の実現という企業目標に立ち返り、東洋医学(漢方薬)的に、暖かく「太陽」のようにBetterを考えるのがインテグリティです。「会社理念を実現するためにあるべき姿(ソフトロー)は何か」を考え、将来の理想へ歩む過程=Do the right thing(正しいことを行う)に重点を置きます。

弁護士 中山 達樹

また、インテグリティを実現するためには、組織が“One Team”として企業理念との一体化を目指す必要があります。これは企業の価値観、行動様式、組織文化に踏み込むものであり、組織目標に向けた社員一人ひとりの積極的な行動(リーダーシップ、勇気、コミュニケーション)を要求します。インテグリティにはリーダーシップや勇気などの美徳が詰まっているため、企業理念との一体化にも役立ちます。つまり、インテグリティを導入することで、不正防止やコンプライアンスに役立つのみならず、組織全体のパフォーマンスも上がるのです。組織の隅々までインテグリティが行きわたれば、会社は必ず変わります。会社が変われば、日本も必ず変わり、その閉塞感は必ず打破できます。

現在も、財閥系メーカー、通信、インフラ、不動産業などの多くの大手企業やプロスポーツ団体に私が提供している「インテグリティ研修・ワークショップ」では、ご依頼いただいたクライアントと何十回もすり合わせをしながら、企業理念や組織ごとの問題点に応じ、研修プログラムや講演スライドを丁寧にカスタマイズしています。カスタマイズすればするほど、研修効果が上がることを実感しています。

こだわり

リスクを取って生きる

私は、2015年の中山国際法律事務所開設後も、IPBA役員として活躍する傍ら、シンガポール国立大学リー・クアンユー公共政策大学院や米国・シリコンバレーのシンギュラリティ大学に通い、世界中の人材と切磋琢磨して外から日本を俯瞰してきました。そこで、日本の閉塞感は「同質性が高い→同調圧力が強い→リーダーシップがない」という構造に基づくと気づきました。そうであるなら、その逆の「同質性が低い→同調圧力が弱い→リーダーシップがある」という仮説が成り立つはずです。そこで、この仮説に基づき、日本をもっと自由にすることに使命感を感じています。

弁護士は自由業です。弁護士が自由でなければ、企業で働く皆さんも自由になれません。「日本社会は……」と偉そうに閉塞感を批判したり、諦観したりするだけでなく、自分自身が批判される立場に立ってリスクを取りたいです。クライアントに「リスクを取って、不正に対し“Speak up”しましょう!」と大上段で語るだけで、自らはリスクを取らない弁護士にはなりたくありません。それでは説得力はゼロです。なぜ私が白いスーツを着て人前に立つのか? あえて人と異なる派手な衣装を着ることで、自分が立てた仮説――同質性や同調圧力に抗うことで、日本をもっと自由で明るい社会にする――の検証をしているからです。私がこうしてリスクを取る姿勢が、日本の閉塞感打破の一助になるはずです。

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展望

コンプラを変え、会社を変え、日本を変える!

独立して一経営者となった私は、ハーバード大学やNASAで利用されている経営理論としてのインテグリティ理論を学びました。これをコンプライアンスに当てはめ、オリジナルのインテグリティ理論を確立しました。私のインテグリティ研修を受講した企業の担当者から、「部署名をコンプライアンス部ではなく、インテグリティ部に名称変更したい」「インテグリティがあれば、コンプライアンスは不要ですね」「日本全体にインテグリティが広がればいい」などの感想をいただけていることは、嬉しい限りです。

弁護士 中山 達樹

2021年12月23日に、『インテグリティ ーコンプライアンスを超える組織論』という書籍を刊行します。世のため人のために精一杯貢献したい。世直しをしたい。人様に何らかの価値を提供したい。自分が死ぬ時は生まれた時よりも少しでも良い世の中にしたい……そんな思いで書き上げた渾身入魂の一冊です。私の思いや発言が、組織を変え、会社を変え、ひいては日本の閉塞感を打破するきっかけになること。それを心底から願っていますし、そこに使命感を感じています。

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弁護士 中山 達樹

本書では、インテグリティを、「個人のインテグリティ」と「組織のインテグリティ」に分けています。「個人のインテグリティ」は誠実さや高潔さと近いため理解しやすいですが、組織のインテグリティ(企業理念との一体性)はあまりなじみがないと思います。そのインテグリティを、日本の文化・教育・宗教など広汎な見地から、具体例を豊富に紹介して、分かりやすく解説しています。

本書をご覧いただければ、コンプライアンス改善のみならず、リーダーシップ養成、コミュニケーション改善、組織風土改革などにつき、具体的な方策を深く知ることができます。本書をヒントに、コンプライアンスを変え、会社を変え、日本を変えていきましょう! ぜひご一読ください。

※取材に際しては撮影時のみマスクを外していただきました。

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