Vol.73-74
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左より、上野興一司法書士、飛渡貴之弁護士(66期)、村尾龍雄弁護士(47期)、本多正克司法書士・土地家屋調査士

左より、上野興一司法書士、飛渡貴之弁護士(66期)、村尾龍雄弁護士(47期)、本多正克司法書士・土地家屋調査士

STYLE OF WORK

#141

キャストグローバルグループ

究極のワンストップサービスを提供したい−。10種の士業が集結する“新組織”、始動!

過去に類を見ない一大士業グループ

2020年7月31日――弁護士、公認会計士、税理士、弁理士、中小企業診断士、公認不正検査士、司法書士、土地家屋調査士、行政書士、社会保険労務士、全10種の専門資格を有するメンバーが集結し、専門知識を要する様々なソリューションをワンストップで提供する士業グループが誕生した。それが、キャストグローバルグループ(以下、キャストグローバルG)だ。

同グループは、登記・法務の専門家集団であるA.I.グローバルグループ、国内案件を中心にリーガルサービスを提供する弁護士法人あい湖法律事務所、弁護士法人キャストを中核とし、中国・ASEANに強いコンサルティングファームであるキャストグループを加えた3つの組織がタッグを組んだもの。キャストグローバルGのCEО村尾龍雄弁護士にグループ誕生の背景と狙いをうかがった。

「仲間が年々成長し、日本および国際社会のお役に立てる存在になるためにはどうすべきか考え続けた結果、『士業(専門家)が“つながる”ことで新しい世界へ』というビジョンにたどり着きました。そして、その解が、個々の専門性を高める活動とプロボノ活動双方の重要性を理解しつつ、資格の異なる専門家が相互啓発しながら、共に発展していくために協働することでした。この考えに賛同してくれた各“創業者”と意気投合し、このたびの合併が実現しました」

キャストグローバルグループ
「集結した10種の士業と、正義を守る戦隊ヒーローをかけて、私たちは『士業戦隊ジュウレンジャーである』と、いつも笑い合っています」(4名各氏)

村尾弁護士が意気投合した“創業者”が、あい湖を率いる飛渡貴之弁護士と、A.I.グローバルグループを率いる上野興一司法書士と本多正克司法書士・土地家屋調査士だ。これによりキャストグローバルGは、国内21拠点、海外8拠点(台北、上海、蘇州、広州、北京、香港、ホーチミン、ヤンゴン)、士業・スタッフ合わせて総勢400名規模の組織となる。COOを務める上野司法書士は、期待を次のように語る。

「私たちは登記業務の件数・品質で業界トップクラスを自負していますが、今後もお客さまに“選ばれ続けていくため”に進化を続けねばなりません。品質保持(大量案件への関与)はもちろん、アウトバウンド案件などのシェア獲得、さらなる業容の拡大とブランド力の強化を加速するため、アジア市場に強みを持つキャストグループと、国内業務に強みを持つあい湖との協働を決めました。従前、私たちが強みとしてきた国内“ローカル”マーケットにおいては、相続や事業承継などの業務で弁護士・税理士と協働することで、さらに質の高いワンストップサービスを提供できることは間違いないでしょう。また、そうした利便性のみならず、お客さまの新たな困り事の解決、ご要望の掘り起こしもできると考えます」

続けて本多司法書士が、昨今の士業を取り巻く状況などについて説明してくれた。

「士業はそれぞれ独占業務を有していますが、例えば相続関連、商業登記の分野では司法書士のみならず行政書士も活躍し始めています。弁護士と司法書士の業務分野においても垣根があるものの、改正入管法など、取り扱い分野によっては、将来的にその垣根が曖昧になることも予想されます。そもそも“資格の垣根”とは資格者側の都合・論理でしかなく、お客さまからすれば『要望をどう解決してくれるのか』がすべて。私たちの理念『For Customer〜お客様のために〜』を追求し続けるために、今回の“士業共栄”という選択をしました」

飛渡弁護士にも、合併を決めた理由をうかがった。

「もはや戸口を開けていれば弁護士のもとに仕事(お客さま)が来る時代ではありません。常に自己研鑽し、“挑戦と成長”し続けることが必要です。私たちはこれまで、主に国内の個人案件を取り扱ってきましたが、企業法務や国際法務などを強化することで、新たなブランド力を確立したいと考えていました。村尾弁護士はじめ、キャストの先輩弁護士の渉外業務やアジア展開などのノウハウ・知見を学びとることができれば、私たち自身の成長スピードを加速させられる――そう確信したことが、今回の合併を決断した理由です」

〝合衆国型経営〟で自立した組織運営を

弁護士法人キャストと弁護士法人あい湖法律事務所は法人合併し、弁護士法人キャストグローバルとして始動。しかし専門資格が異なるA.I.グローバルグループは法人合併ができない。これをどのように解決したのか、村尾弁護士は次のように説明する。

「資格の異なる専門家がグループ名称やロゴを共有し、同一ブランドのもとに業務を行う“機能合併”という考え方で運営していきます。これにより、非弁提携の問題を完全回避しつつ、様々な資格者が協働で、ワンストップサービスを提供するという体制を実現しました」

法人合併・機能合併ではあるが、「基本的に各組織の運営は、従前同様、独立に行う」と村尾弁護士。

「あい湖、A.I.グローバルグループ、キャストグループ、それぞれの独立性を維持して運営していきます。いわば“合衆国型経営”で、アメリカの各州が国防や外交に関しては一つの国家としてまとまって行動するように、必要があれば独立性の垣根を越えて、一つの総合コンサルティング集団として行動するということです」

上野・本多両司法書士、飛渡弁護士も「村尾弁護士が考案した“過干渉しない方針”が気に入っている。おかげでメンバーの反対意見もほとんどなく、スムーズに受け入れられた」と口を揃える。

キャストグローバルグループ
あい湖法律事務所は、弁護士13名を含む全25名の陣容の法律事務所。個人の相談者も多数訪れるため、相談者目線でのオフィスづくりを心がける(写真はキッズスペースを設けた相談室)

士業の世界に特化したダイバーシティを推進

合併の効果について上野司法書士は、「司法書士の仕事は見方によって、非弁にあたる懸念をはらむケースもある。そうした時、すぐ協働できる弁護士がいるのは心強い。業務の振り分けに迷うことなく、クオリティコントロールの不安もなく、即座にスルーパスできる弁護士がいるわけで、私たちが悩ましく感じていた問題が完全解消できる。キャストグローバルGは実質、士業の独占的な業務をすべて扱えることになるでしょう」と期待を込める。むろん即時連携に内在する非弁提携のリスクに対しては、別途、組織を横断する倫理委員会が中心となり内部教育を徹底し、その遵守を心がけていく。“士業業界”に一石を投じるであろう、この3社合併。村尾弁護士は、なぜ3人に声をかけたのか?

「それぞれが皆“創業者”であることが大きな理由です。『一を聞いて十を知る』というか、意見を求めた時や何らかの決断を下す時、リスクを取り、苦しい局面を切り抜けてきた経験を持つ創業者同士だからこそ通じ合う場面が多々あります。言うなれば、“テレパシー的なコミュニケーション”ができるということです。それが全員にとって魅力的でした。同じ創業者同士、誰が年上とか、誰が最も社業が長いかなど関係なく、『誰が最も合理的な意見を述べているか』『誰が最も競争力の高い提案をしているか』を基準に意見を採択し、組織づくりをしていこうと話しています」

同グループが目指す今後の展開について、村尾弁護士は次のように語ってくれた。

「弁護士を含む士業・専門家が働くフィールドは、専門性を高め、進化の努力を怠った瞬間にお客さまが簡単に離れていく厳しい世界です。しかし、たった一人や少人数で厳しい環境に立ち向かうより、同じ志を持つ仲間と協働して道を切り開くほうが、何倍も仕事を楽しめ、かつお客さまにとって最高のサービスが提供できることは間違いありません。しかも私たちは日本とアジアの士業・スタッフが国籍関係なくやっていくわけで、模倣不可能な“究極進化系”の総合コンサルティングファームとなり得る可能性が高い。この試みを、いずれ海外でも同様に展開していくつもりです。今はまず、当グループがスムーズに走り出すための環境整備に注力しつつ、一定期間の協働機会を設けて相性が合うとお互いが確信できれば、また別の専門家組織とつながることがあるかもしれません。ぜひ、これから始まる私たちの挑戦に、注目していただきたいと思います」

キャストグローバルグループ
A.I.グローバルグループは、司法書士、土地家屋調査士、行政書士など、有資格者約70名を含む250名超の陣容を誇る国内トップクラスの専門家集団。全国主要都市に営業所を置く

Editor's Focus!

あい湖法律事務所は、法人合併にて「弁護士法人キャストグローバル」に改称。A.I.グローバルグループは“機能合併”という形態で「キャストグローバルグループ」に改称。“観念的に組織を統一する試み”のもと、共通の名称を冠して、暫定的ロゴを作成したが、年末までに400名のスタッフ全員の支持を受ける新ロゴを作成する予定だ

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