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生田 美弥子 Miyako Ikuta
弁護士法人 北浜法律事務所 東京事務所 
パートナー弁護士
第二東京弁護士会所属

生田 美弥子

欧州、北米、東南アジア、日本企業が目指す
クロスボーダー・ビジネスの国際関係法務を
事務所の総力を挙げ、ワンストップでサポート

弁護士法人 北浜法律事務所 東京事務所 パートナー弁護士

パリ、ハノイ、ニューヨーク、東京と世界4都市で、弁護士としての実務を経験してきた生田美弥子弁護士。大学時代の海外留学以降、“次々やって来るチャンス”を掌中に収めるべく、もがきながらも懸命に高い壁を乗り越えてきた。国際関係法務、M&A、情報・IT、データプロテクション、知的財産権、争訟・紛争、ESG法務と、幅広い分野の専門知識を実地で身につけてきた生田弁護士の、“これまでとこれから”を聞く。

弁護士の道

フランスが弁護士人生の出発点

弁護士 生田 美弥子

私の父は、銀行員から弁護士、そして裁判官に転じた人でした。父の転勤に伴い、子供時代は京都・埼玉・東京・北海道・神奈川で過ごし、大学で京都に戻りました。高校時代の憲法の授業で法律や人の権利に興味を覚え、大学は法学部に進学し、4年時に交換留学でフランスへ渡りました。しかし、フランス語が堪能なわけではなかったので、劣等生だった私は授業についていくのに精いっぱい。1年かけてようやくフランス語に慣れ、「このまま帰国するのはもったいない」とパリ第2大学大学院(法学)へ編入、大学院のプログラムで法律事務所へ研修に行きました。当時は欧州統合が展開されていくという大きな変革期で、研修先の弁護士から「今後、外国人はフランスの弁護士資格が取れなくなるかもしれない。日本人はまだ誰もいないから挑戦してみたら」と言われ、その気に(笑)。当時はフランス滞在の要件が非常に厳しく、難しい挑戦ではないかと思いましたが、何とかクリア。気づけば現地の弁護士になっていました(パリ弁護士会登録)。
そして弁護士1年目の時に、所属事務所から、ベトナム支店に行ってほしいと言われ駐在が決定。「ドイモイ政策がうまくいけば、必ず日本企業のニーズは拡大する。フランスで自分の顧客がついて身動きがとれなくなる前に、ぜひ行ってみなさい」とボスに励まされ、ベトナムに渡りました。確かに、日本企業の進出案件や投資案件などが多くありました。そこでは、交渉も契約書面もグローバルには英語が必須であると体感しました。その後に戻ったフランスでも、大型案件では英語対応が求められましたから、グローバルな弁護士業務には高度な英語力と英米法系の理解が必須と痛感。そこでアメリカ留学を決め、渡米しニューヨーク州の弁護士に。振り返ると、目の前に来た波に乗り、その際に求められる知識・経験を、つど必死に身につけながら、歩んできたように思います。

その後、アメリカ同時多発テロ事件をきっかけに日本に帰国し、渉外系法律事務所に入所。外国法事務弁護士としてクロスボーダー案件に携わっていましたが、日本にロースクールができたことをきっかけに日本の弁護士資格を取得。現在、3つの弁護士資格を持って、欧州、米国、東南アジアに取引がある日本企業からの案件を中心に、多様な国際案件に関与しています。

弁護士 生田 美弥子

得意分野

クロスボーダーをワンストップで

弁護士 生田 美弥子

フランスの法律事務所に勤めていた1990年代、日本では欧州の大手ラグジュアリーブランドがもてはやされた時期でもあり、フランス企業を中心に日本で展開するライセンスビジネスのサポートなど知財案件に対応することが多かったです。他方で、在仏日本人が絡む案件――交通事故や離婚などのいわゆる一般民事事件や、傷害や殺人などの刑事事件も担当。中堅職になると、ボスとともに、EU進出を目指す日本の大手メーカーとフランス大手自動車会社のジョイントベンチャー事業による200億円規模の対仏投資にも携わりました。ゆえに、在仏時代に経験した案件の規模は、大小様々です。ルクセンブルグのEU裁判所にもいた経験から、EU法の重要性も認識しており、「欧州に関係あることなら、できる限りワンストップで」というスタンスで、渉外・企業法務をメインに、様々な規模のクライアントのご相談に対応してきました。

現在は、日本企業のアウトバウンドの投資支援だけでなく欧州企業のインバウンド投資支援にも注力しています。主に日本企業の欧州進出の際のM&A、知財ライセンス契約、ディストリビューション契約といったコーポレート・トランザクション、国際仲裁や倒産などの国際紛争解決に携わっています。また、最近ではGDPR対応などのデータプライバシー案件を含むグローバル・コンプライアンス案件も取り扱っています。加えて、国内上場企業の社外監査役も務めており、コーポレートガバナンス関連の実績も豊富です。例えば、フランスを中心とした欧州企業へのアウトバウンドM&A案件では、対象会社のデューデリジェンス(DD)を現地弁護士に依頼する場合には、日本企業の事情や意向を汲んで適宜リクエストを行うなどしてDDの精度を上げ、その後の契約交渉では欧州企業側の行動について先回りすることで円滑に進めることができます。日本以外の大陸法系の国と英米法の両方での知識と経験がある弁護士は非常にまれであり、欧州の主要国(フランス、イギリス、ドイツなど)に投資したい日本の依頼者・現地企業・現地弁護士との間で生じやすいコミュニケーションギャップやロスを、かなりの精度で防ぐことができます。こうした理由によって、相手方の動きについて先回りし想定することが可能となるので、実際にクロスボーダーM&Aの成功精度が高まり、余計なコストが大幅にセーブできたと喜んでくださるクライアントが増えています。

また、私が所属する北浜法律事務所には、日本の法律事務所としてはめずらしく、欧州地域にフォーカスしたヨーロッパプラクティスグループがあります。私もその共同代表として、M&Aやトランザクション、国際仲裁、訴訟だけでなく、GDPRや個人情報保護法などのデータプロテクション、ESG・サステナビリティ法務など幅広く、かつ最先端の知見を共有しつつ、クライアントをサポートしています。

話を少し戻しますが、ルクセンブルグにある欧州司法裁判所(EU統合前の第一審裁判所)でもトレーニーを経験しました。EUでは行政は容赦なく法執行する傾向が強く、しかし法の原理原則に照らして行き過ぎや間違いがあれば裁判所がこれをしっかり是正するという良循環が社会の当然の前提となっており、その分、行政がのびのびと執行しているように感じました。これに比べると日本の場合、国民や企業に対する執行を行政があまりせず、また裁判所も行政に遠慮しがちであるような気がします。皆が互いに遠慮するなか、コンプライアンスが厳しくなっていますので、自ずと日本の企業は“がんじがらめ状態”になってしまっているようにも思えます。文化の違いといえばそれまでですが、欧米では、行政も裁判所も企業も互いに遠慮なしに行動することが前提となっているのです。こういった欧州を含め、各国の法律や裁判所のありようについて、経験を通じて理解しているからこそできるアドバイス――これが私の一番の強みだと考えます。

弁護士 生田 美弥子

こだわり

日本企業の渉外法務の質を高める

日本企業が海外進出をする際、商慣習が異なる各国現地の弁護士にお願いするのも重要ですが、その手前で、“いつもの日本の弁護士”とタッグを組んでワンストップで対応できれば、企業にとっては、どれほど楽かしれません。「海外では次にどんなことが起こり得るか」――それを精度高く予測し、将来の見通しを早く立てることができれば、企業は安心して“本業”に集中できます。さらに、ビジネス推進やコスト面でも大きなメリットが得られるはずです。特に「欧州に進出する」「初めて海外に進出する」「渉外法務ができるメンバーが社内にいない」といった大規模~中堅・中小企業の経営者の方々にとって、我々は強い味方になれると思います。
90年代以降、欧州、米国へ様々な日本企業が進出し、残念ながら撤退するケースもたくさん見てきました。信じられないかもしれませんが、海外で“原野商法”にひっかかったり、また、事業所撤退時に現地から補助金の返還を求められたり、大規模な労務問題を引き起こしたり、真摯にモノづくりをしている日本のメーカーが海外の取引先を過信して倒産騒ぎに巻き込まれたり、技術を盗み取られたり……。日本国内でビジネスをするのと同じ感覚で海外進出をすると、言い方は悪いのですが“身ぐるみはがされる”ようなことも多々あります。クロスボーダーの企業間契約において、言うべきことは言う、争うべきはしっかり争う、遠慮しない、といったことに慣れていない日本企業はまだ多く、それが原因となり、失敗し紛争化してから相談に来られるケースが大変多いです。これらを完全に避けることは難しいものの、予防し、軽減することは可能です。契約書のチェックや紛争のみならず、交渉を始める前に私たち弁護士にぜひお声がけいただきたい。私は、特に日本の中堅・中小企業がグローバル市場に挑戦する際のお手伝いをさせていただきたいと考えています。

  • 弁護士 生田 美弥子
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展望

“データのプロ”として力を発揮したい

近年、私自身の取り扱いが増えている「データプロテクション」は、日本では“プロジェクト案件”として捉えられる機会がまだ少ない状況です。しっかり企業内の個人情報がどこにあるかをデータマッピングし、適切管理のための仕組みを再構築する前段階から弁護士が入ってサポートすることが欧米では当たり前になってきていますが、日本ではまだ本格化までに時間を要するようです。もっとも、データに関して漏洩や不正アクセスなどが生じれば個人情報保護委員会等の行政対応が必要となるため、独占禁止法に関する公正取引委員会対応のように、弁護士としてお手伝いする場面は増えています。

弁護士 生田 美弥子

Message

当事務所に、「社内で国際法務の対応ができないので、“北浜さん”と一緒にやっていきたい」とお声がけくださる中堅・中小規模のお客さまが急増しており、我々としても得意とするところです。なぜなら、私も含めて所属弁護士は全員、一般的な企業法務の素養をベースに“ある得意分野”を有しつつ、マルチタスクなユーティリティプレイヤーを自負しているからです。専門性が高い検討課題が生じれば、その分野に知見を持つ弁護士と協働しますが、各人がユーティリティプレイヤーですので、少人数でサポートする体制を取っており、顧問契約をしているお客さまのため、個々の得意分野にとらわれず、様々な相談に、誠実かつ積極的にスピード感をもって対応します。

海外進出――企業法務・国際法務の問題は、ぜひ北浜法律事務所にお問い合わせください。特に欧州の案件については、ヨーロッパプラクティスグループの弁護士が喜んでサポートさせていただきます。

※取材に際しては撮影時のみマスクを外していただきました。

弁護士 生田 美弥子