Vol.11
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前列左より北澤尚登弁護士(53期)、同事務所の設立者である福井健策弁護士(45期)と桑野雄一郎弁護士(45期)、大手映画会社の法務責任者から転身した松島恵美弁護士(51期)。総勢7人の弁護士は、講演、論文・コラムの執筆、大学教員、弁護士会の委員会活動などの社会貢献活動を含め、多方面で多彩な活躍をしている

前列左より北澤尚登弁護士(53期)、同事務所の設立者である福井健策弁護士(45期)と桑野雄一郎弁護士(45期)、大手映画会社の法務責任者から転身した松島恵美弁護士(51期)。総勢7人の弁護士は、講演、論文・コラムの執筆、大学教員、弁護士会の委員会活動などの社会貢献活動を含め、多方面で多彩な活躍をしている

STYLE OF WORK

#15

骨董通り法律事務所

多彩なエンターテインメント・アート活動を支援作品やその製作現場を何より尊重する法律事務所

エンターテイメント・アート界の契約交渉や著作権など知財法に関する業務が全体の8割

骨董通り法律事務所
作品に触れる機会も多く、業界動向などの情報も得やすい環境が整えられている

「映像、演劇、出版などジャンルを問わずアートやエンターテインメント作品が好きです。こうした作品を作り出す場を法律家として支援していきたいというのが、事務所設立の目的です」と語るのは、骨董通り法律事務所の設立者の一人である福井健策弁護士(45期)。南青山でも特にハイセンスで人気の高い通りをその名称の由来とする同事務所では、エンターテインメント・アート界の契約交渉、紛争処理および著作権などの知的財産権に関する相談などが取り扱い業務の8割を占める。

「中でも契約業務、特に欧米を相手にした契約交渉が多いです。次いで、著作権に関する企画や紛争の相談が続きます。ただしこれらはかなり重複します。例えば、ハリウッドとの契約交渉は、必ず著作権をめぐる戦いになりますから」(福井弁護士)

日本のマンガや小説の海外での映画化、海外アーティストのライブやイベントなど対外的な契約に関する国内企業からの依頼が多いが、近年は完全にドメスティックな案件も増えている。「この業界では、契約や法律をビジネスに持ち込むことを敬遠する傾向にありましたが、そうした法意識が変化してきています」(福井弁護士)

骨董通り法律事務所
同事務所では、将来的にエンターテインメント・アートロイヤーとして活躍するような若手も今後採用していく予定。「第一線でカッコいいとか、もうかりそう…などではなくとにかくこの分野が好きで好きでしょうがないという方にこそノウハウを伝えていきたい」(福井弁護士)
骨董通り法律事務所
「仕事の成果が見えやすいので、手応え・やりがいを感じられます。その一方で、理論的なアプローチや知恵を要求される局面が多く、知的刺激も豊富だと思います」と語る同事務所で最若手の北澤弁護士

このように、業界は特化しているもののエンターテインメント・アートロイヤーの業務範囲は広いのが特徴だ。「契約や倒産処理といった企業法務から一般民事まで、業務が多岐にわたるため、ゼネラリストであることが求められています」(北澤弁護士 53期)

また、同事務所では作品や製作現場を尊重しており、作品のサルベージというのも重要な仕事の一つである。「10社で共同製作した映像作品があるとして、そのうち1社の経営が破たんした場合、作品の利用が害される可能性もある。その際は作品を救うことに最善を尽くすよう努力します」(福井弁護士)

さらに、作品や業界の主要プレーヤーはもちろん、特有の業界用語や慣習、ビジネスの進め方を知ることも重要である。「法律のためでなく、面白い作品をつくり出すためにアドバイスする。契約に関する相談でも、法律家が理解しやすいように業界用語を法律用語に翻訳すれば、そこでそぎ落ちてしまう大事な要素があったりします。私たちは業界事情を十分に理解した上で、現場に最も即したアドバイスができるよう意識しています」(福井弁護士)

一方、同事務所では他業界の企業法務や紛争処理も取り扱っており、今後も幅広い分野に力を入れていく方針だ。「現に情報問題やファイナンスに強いメンバーもいますし、業務は多岐にわたりますから各分野に精通している弁護士がいた方が組織としても強い。事務所の適正規模、各弁護士のキャリアの幅などを考慮すれば、取り扱い案件には広がりがあった方がいいと思っています。その中で、自分たちの好きなことや面白いと思うことをやりながら、社会にとって、ちょっとは役に立つことをやっていけたら…」と福井弁護士は今後の展望を語ってくれた。

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    担当した案件のフィギュアや有名漫画家のサイン入り原画などが飾られているオフィスで執務中の桑野弁護士。エンターテインメント・アート以外の企業法務全般も数多く担当している。「企業とアーティストの両方の立場を熟知して対応にあたれるのがメリットですね」
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    これまでにサポートした作品の公演プログラムやDVDなどが並ぶ。製作現場で働く人がその能力や努力に応じた見返りを受けられることを重視し、結果として同事務所側が赤字になってしまうケースもまれにあるとのこと。こうしたところにも、同事務所の業界や作品への思いが表れている
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    案件の規模などにもよるが、二人のチーム体制を組むことが多い。また、事務所全体での情報交換は、事務所運営を含め話し合う月1回の弁護士会議や、上記スペースで事務スタッフを含めた全員で、テーブルを囲むランチ会議で行う。最近見た作品の話題などで、話も大いに弾む