Vol.71
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代表弁護士は、高坂敬三弁護士。パートナー8名、アソシエイト9名、エグゼクティブアドバイザー1名、顧問2名、客員弁護士2名、カウンセル1名の陣容。なおベテラン勢の叙勲者多数で、2016年に高坂弁護士、19年に夏住要一郎弁護士が旭日小綬章を、同じく19年に中村隆次弁護士(客員弁護士)が瑞宝中綬章を授与された

代表弁護士は、高坂敬三弁護士。パートナー8名、アソシエイト9名、エグゼクティブアドバイザー1名、顧問2名、客員弁護士2名、カウンセル1名の陣容。なおベテラン勢の叙勲者多数で、2016年に高坂弁護士、19年に夏住要一郎弁護士が旭日小綬章を、同じく19年に中村隆次弁護士(客員弁護士)が瑞宝中綬章を授与された

STYLE OF WORK

#132

色川法律事務所

大阪地盤の企業法務プロフェッショナルが、伝統を守り、新たな時代に歴史をつなぐ

老舗法律事務所の基盤となるもの

色川法律事務所の設立は、1927年。創設者は大阪弁護士会会長や最高裁判所裁判官も務めた色川幸太郎弁護士(故人)。また、林藤之輔弁護士(故人)も最高裁判事を務めており、2名の最高裁判事を輩出する、大阪の歴史ある法律事務所として知られる存在だ。

同事務所は長い歴史のなかで、これまで、全国8地方裁判所で提起されたサリドマイド事件、エイズ事件、西淀川大気汚染公害事件、下請従業員の組合からの団体交渉要求につき親会社の使用者性が争われた事件、夏祭りの花火大会において歩道橋上で死傷者が生じた事故の損害賠償請求事件など、多くの事件に関与してきた。また、関西を基盤とする企業、各種財団・社団法人、自治体、医療機関、学校法人など、様々な団体の法務パートナーも務めている。代表の高坂敬三弁護士に、案件の傾向などを尋ねた。

「当事務所は企業法務を基盤としながら、労働事件、医事・薬事紛争、行政争訟、製造物責任訴訟、知的財産権をめぐる紛争などの代理人を数多く務めてきました。数十年にわたるお付き合いをしてきた顧客がほとんどであり、顧問業務および社外役員業務は相当数あります。顧問業務を通じて、企業および各種団体のガバナンス――組織再編、個人情報保護、社内調査委員会、新たなビジネスの仕組みなどに関する助言・関与が増えたと感じています。いずれにしても当事務所では企業法務に関する案件が多く、かつ〝飛び込み〞はあまり受けず、顧問先の法的サポートを主として、各企業がトラブル・紛争に至らぬよう、各社の予防法務に力を入れています」

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    色川幸太郎弁護士が使用した書籍には、たくさんの書き込みが残る(写真は『破産法・和議法(法律学全集)』)
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    若手弁護士たちも、色川弁護士が旨とした言葉である「地位に驕らず 顧客に阿らず 利益を貪らず」を、遺訓として大事に心に刻む(写真の揮毫は、高坂弁護士の知人の書家の手によるもの)

躊躇なく意見できる弁護士であれ

色川法律事務所
弁護士(59期)嶋野修司

近年、取り扱いが特に増えている案件としては、森恵一弁護士を中心とした倒産案件だという。一例を、嶋野修司弁護士に尋ねた。

「身寄りのない高齢者の身元保証や生活支援をする、公益財団法人日本ライフ協会破綻の際に森弁護士が破産管財人を務め、私も破産管財人代理として共に対応しました。その負債総額は12億円超で、高齢者を中心とした会員は全国に約2600名もいました。会員は、この破綻によって身元保証を失い、入院が困難になったり、葬儀などの死後事務の費用を失うなど大きな被害を被りました。日本が抱える社会問題の大きさを痛感する、大変難しい仕事だったことが印象に残っています」

ほか、C型肝炎被害訴訟の製薬メーカー側の代理人、アスベスト訴訟の企業側代理人なども、同事務所が近年関与している案件だ。

色川法律事務所
弁護士(22期)高坂敬三

高坂弁護士は言う。

「私は、顧問にしても社外役員にしても、かかわる企業および経営者に対して、弁護士は、いわゆる〝ノーブレスオブリージュ(与えられた身分に応じて果たすべき社会的責任と義務がある)〞の姿勢で臨むべきと考えています。選んでもらった以上は、責務を全うする。発言において躊躇せず、少数意見であっても、自らが正しいと思ったことは貫きとおすということです。そこから先の判断は、企業および経営者の仕事となりますが、その発言を我々ができるかどうかで、顧客との信頼関係の深さは変わってきます。そうして培ってきた当事務所と顧客との関係の深さを、これからの若い世代が永くつないでいってほしいと思っています」

若手は所内外で実力を鍛える

同事務所の仕事の進め方の特徴としては、会社法、労働法、医療法、倒産法、行政法、知財法、競争法、家事法と、8つにチーム分けをしていること。それぞれ、企業取引を巡る事件、労働事件(会社側代理人)、行政事件(地方公共団体側代理人)、医療事件(医療機関側代理人)、知財事件、倒産事件(管財人など)などに関与している。嶋野弁護士に、詳しく伺った。

「顧問先の担当弁護士という立場にある者が顧問先の窓口となりますが、チームに関連する案件の依頼がきた時は、適宜そのチームのメンバーと協力しながら案件を担当します。〝顧問先軸〞と〝専門軸(チーム)〞のバランスのとり方を工夫しながら案件を担当しています。各チームは担当法分野に関する最新情報のキャッチアップや勉強会、情報共有などに力を入れ、常に高度な法的サポートを顧客に提供できる体制を敷いています」

アソシエイトも同様にチームに属して研鑽を積む。アソシエイトは、入所後にすべてのパートナーにつき、あらゆる仕事を経験。3〜5年で専門分野を定め、磨いてもらうというのが事務所の方針だ。有岡一大弁護士(66期)と加古洋輔弁護士(64期)が、仕事のやりがいを教えてくれた。

「顧問先の業種も規模も多様。『こういう案件に関与してみたい』とパートナーに伝えれば、積極的にその分野の案件を振ってもらえる環境です。入所3〜5年目くらいでも、パートナーとタッグを組んで、事件の中心メンバーとして関与できるので、自身の能力向上が図れています」(有岡弁護士)

「私は労働事件に多く関与していますが、ほかにも様々なジャンルの案件を振ってもらっています。行政事件、医療事件、倒産など、新たな経験が積めることにやりがいを感じています」(加古弁護士)

また、顧問先とのつながりを生かした人材交流も盛んだという。嶋野弁護士も、顧問先の東京本社に約3年間出向した経験を持つ。

「出向経験により、顧問先の社風や社内での意思決定の仕組みなどを熟知することができました。私が肌感覚でそれを知っているということもあり、出向後、顧問先の担当者も当事務所に相談しやすくなったようです。より顧問先との関係が深まり、私自身もやりがいをもって仕事ができています」

さらに同事務所では、3〜5年勤務した弁護士本人が希望すれば留学も支援する。

「顧問先の多くが事業をグローバル展開しているので、我々も対応していく必要がある。実際、渉外案件は増加傾向。しかし何よりも、海外に出て日本を見た時にどうか、日本はどんなフィールドで力を発揮できそうかなど、〝外に出てこそ〞見えるものを若手には体験させてあげたい。ですから当事務所では、出向も留学も含めて、〝事務所外での経験〞を推奨しています」(高坂弁護士)

弁護士は知識よりも人格

同事務所は、在京の顧問先対応のため、2015年に東京事務所を開設。東京事務所は、日弁連で同時期に理事を務めた高坂弁護士と田辺総合法律事務所の田辺克彦弁護士が懇意であったことから、アライアンスを組む形で開いたもの。長年、大阪を地盤にしてきた同事務所の新たな試みの一つだ。

今後について「組織は新しい血が入らないと活性化しません。ですから、若手世代を積極的に採用し、入所した弁護士が早く成長できるよう、我々もサポートしていきたい。そうして新規顧問先、案件を増やしながら、徐々に規模を拡大していけたらと思います」と、高坂弁護士。

最後に高坂弁護士から若手弁護士に向けたメッセージをもらった。

「私は〝弁護士の能力は知識ではなく人格〞だと思います。そのためには、いい〝師匠〞につき、そのよい面を吸い取っていくこと。そうして人格を高め、相手から好かれ、かつ自分が相手を好きになることで、信頼関係が深まり、結果として仕事は拡大していきます。私は幸い、色川というすばらしい師匠に恵まれました。反骨精神にあふれ、一方で謙虚でもあり、顧問先からの信頼がとても厚い弁護士でした。法律事務所は、個人の力を最大限に生かせてこそ機能する場所。一人ひとりの人格、人間力の向上がかぎとなります。そういった意味でも、いい師匠を探し、その人のもとで教えてもらい、共に人生を全うする姿勢が大事なのではないでしょうか」

色川法律事務所
執務スペース内には、全弁護士から見える場所に大きな打ち合わせ用会議テーブルや応接セットが用意され、そこここで議論が交わされていた

Editor's Focus!

受付や執務室内には、顧問先ゆかりの品が多数置かれている。写真は、いわば“阪神コーナー”。阪神ファンが多い同事務所ならでは、グッズや観戦記念写真が!「もちろん阪神ファンじゃない弁護士も歓迎(笑)」と、高坂弁護士

色川法律事務所