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石原 坦 Hiroshi Ishihara
アンダーソン・毛利・友常 法律事務所 外国法共同事業 パートナー
弁護士/ニューヨーク州弁護士/カリフォルニア州弁護士
第一東京弁護士会所属

石原 坦

プラクティス×インダストリー(新分野)+クロス・ボーダー英語対応──。
時勢のさらに先を行く、付加価値の高いエクスパティーズを提供

アンダーソン・毛利・友常 法律事務所 外国法共同事業
パートナー
弁護士/ニューヨーク州弁護士/カリフォルニア州弁護士
第一東京弁護士会所属

“カナダ生まれの日本育ち”。小学校の卒業文集に「弁護士になってたくさんの人を助けたい」と書いた少年時代。そして弁護士として活躍する今、クロスボーダーM&Aやヘルスケア・ライフサイエンスを専門領域とし、「Best Lawyers 2022」(『The Best Lawyers in Japan 2022』)を受賞した石原坦弁護士の、“これまでと、これから”を聞く。

弁護士への道

最初の司法試験の“つまずき”に学び、弁護士を志す

弁護士 石原 坦

今の私の生き方や仕事の進め方を振り返って考えると、出身校である武蔵中学校・高等学校の「建学の精神(武蔵の三理想)」が原点にあるようです。それは「東西文化融合のわが民族理想を遂行し得べき人物。世界に雄飛するにたえる人物。自ら調べ自ら考える力ある人物(自調自考)」に、という教育方針。いわゆるリベラル・アーツを重視した教育のもと、自由にのびのびと中高時代を過ごすことができました。

弁護士 石原 坦

高校卒業後は、東京大学経済学部に入学。なぜ法学部を選ばなかったのだろうと我ながら不思議ですが、当時は広く経済活動について学べる経済学部のほうが将来の選択肢が広いような気がしていたのかもしれません。大学3年の時、法学部の親友が「司法試験を受ける」というので、一緒に塾通いを始めました。初めての短答試験は通ったものの、論文試験は不合格。一方で、親友は短答試験も論文試験も1回目で合格。その頃は、「一発合格は無理」「そもそも法学部ではないから」など、初めから「ダメだろう」と思いこんでいたため、成し遂げることができなかったのでしょう。しかし、そのおかげで、「自分自身に上限を課しては何事もうまくいかない」と気づくことができました。それは仕事であっても同じで、「成功させるには何をすべきか」と前向きに考えれば、どのような難題でも何らかの突破口は見えてくるものです。

弁護士 石原 坦

一度の失敗を経て開眼し、司法試験に本気で臨んだことで、憲法、民法や破産法など「その法律は何のためにあるのか。それはどう世の中の役に立つのか」といった根本から学び直し、法律の面白さや弁護士という仕事の大切さを再認識しました。弁護士として人の役に立ちたい、社会の役に立ちたいと、真剣に考え始めたのはその頃からです。

得意分野

知的好奇心で新分野を探究

弁護士 石原 坦

私の弁護士としてのスタートは2000年。「日本と海外との懸け橋になれるような仕事を」「そのためには海外の法律にも精通した渉外弁護士になりたい」と、今の西村あさひ法律事務所の門をたたきました。クロス・ボーダーのM&Aに数多く関与させていただきましたが、なかでもヨーロッパの大手製薬企業による日本の大手製薬企業との提携案件は、英語による交渉の醍醐味や、洗練された契約書に触れさせていただく貴重な機会となりました。そうして入所から4年後にニューヨークのロースクールに留学させてもらい、念願であったニューヨーク州とカリフォルニア州の弁護士資格を取得しました。

米国での留学や研修の経験を生かすため、2010年には外資系法律事務所に移籍し、さらに国内企業と海外企業とのライセンスや、ヘルスケアベンチャーへの出資といった取引に携わる機会が増加しました。私個人に声をかけてくださるクライアントが増えてきたのもその頃からです。そのうちの一社が、再生医療を扱う企業でした。

当時、医療・医薬品・医療機器のいずれにも明確に分類されない再生医療は、法律上の位置付けが明確ではなく、どのような規制が適用されるかも明らかではありませんでした。また、ヘルスケア分野に詳しい弁護士がほとんどいなかったこともあって、「これは自分で調べて考えるしかない」と覚悟を決め、業界の法規制や商慣習について本格的な勉強を開始しました。留学を終えて帰国した頃から、自分の専門性や将来のキャリアについて考えていたので、この再生医療を扱う企業との出合いや、未知なる分野への知的好奇心が、弁護士としての“次のステージ”へ進むための貴重な足がかりとなったのです。

現在、私はM&Aやヘルスケア・ライフサイエンス分野の取引を多く取り扱っています。特にヘルスケア・ライフサイエンス分野は変化の激しい領域ですので、「自分で調べて自分で考える」ことが好きな私にとって恰好の領域です。たまたま導かれたかたちではありましたが、結果として私の弁護士としての専門性を構成する重要な要素となっていますから、人生は面白いものだと思います。

ヘルスケア・ライフサイエンス分野は、医学、薬学、法学に加えて、最新のテクノロジーや倫理が交錯する分野。“一つの分野の専門家”では完結できません。また、COVID-19によって、国や人種や年代に関係なく、誰にとっても身近かつ重要な普遍的価値をもたらす分野であることが再認識されました。自分も法律家としてその問題解決や価値創造の一端を担えること、クライアントやその先にいる人々が喜んでくれるであろうことが、大きなやりがいとなっています。

弁護士 石原 坦

こだわり

「プラクティス×インダストリー(新分野)+クロス・ボーダー」という専門性

弁護士 石原 坦

“弁護士の専門性”とはどのようなものか――。私の場合は、①M&Aといったプラクティスという横軸。②ヘルスケア・ライフサイエンスといったインダストリーという縦軸。この2つをかけ合わせたことが、独自の専門性となっています。“付加価値”と言い換えてもいいかもしれません。これに加えて、“クロス・ボーダー(英語)”も一つの専門性になります。私にとって、自分のプラクティスを形成するうえでの要素として、“インダストリーへの興味”が大きかったと思います。商社への出向経験から、製造業分野が好きということもあるのかもしれません。特に、誰もやったことがない新領域、規制の内容が不明確な領域、そこを開拓していく仕事に強く惹かれます。既に存在する答えを探しにいくよりも、明確な答えがない領域で、自ら答えを考えて、解決方法を模索するほうが、“自調自考”の精神、培ってきた価値観に合致していると思うのです。

現在は、金融業界、自動車業界など多様なインダストリーで大きな変容が起きています。既存の事業・サービスにデジタルをかけ合わせることで新しいツールやマーケットもどんどん生まれています。Fin-Tech、Digital-Healthなどがその代表例ですが、ヘルスケア業界においては、新型コロナウイルスの影響でオンライン診療が加速しました。オンライン診療はコロナ禍以前においてはあまり活用されていませんでした。現在も診療報酬の問題や「対面診療と同等の情報が得られるのか」といった懸念はありますが、新しい技術を導入して少しでも社会に役立つシステムになればと思います。コロナ禍における新しい時代には、過去の経験からは予見できないリスクもありますが、だからやらないというのではなく、やるにあたってどんなリスクがありそうか、そのリスクはどうしたら避けられるか、そのためには法律や制度をどう解釈し、どう変えることが有益なのか……弁護士として、そのような課題に挑戦していきたいのです。

また、私の専門性として、「クロス・ボーダー(英語)対応」も加わるため、より付加価値の高いリーガル・サービスをクライアントに提供できるのではないかと考えています。海外案件を行うにあたっては、「結論からまず先に伝えること」と、「適切なキーワードをコンテクストに応じて使うこと」を大切にしています。ロジックや理由ももちろん大事ですが、クライアントが最も知りたいのは、法律上そのビジネスが「できる?できない?できるとしてどんなリスクがある?」といった点に収斂されます。クライアントにとって必ずしも馴染みがあるとはいえない法律的な用語や解釈を相手に伝える時は、「難しいことをわかりやすく、直截に」が基本。私の「英語でのアドバイスはわかりやすい」と、クライアントに評価していただけることは大変嬉しいです。

展望

創業者の生の言葉を聞く

弁護士 石原 坦

ヘルスケア・ライフサイエンス分野では、ファンドによるバイオベンチャーに対する投資案件や、産学連携に伴う大学発ベンチャーなどが増え続けている印象です。そのような案件においては、創業者の熱い想いをじかに聞いたり、開発の現場を見学させていただく機会がありますが、そうした“リアルな経験”を積み、“現場の人から学べる”ことは何にも代えがたい喜びです。

ヘルスケア・ライフサイエンス分野に限らず、“デジタル”や自社技術を転用して、新規事業を始めるクライアントがいます。インバウンド・アウトバウンド問わず、グローバル展開を進めるクライアントがいます。クライアントが何か新たなビジネスモデルに挑戦する際に、「一緒に検討し、一緒に議論しながら進めていく」ということを、これからもやっていきたい。「その製品は一体何ですか?」「そんなビジネスを考えていらっしゃるのですね!」という話をクライアントとできることにワクワクします。“自調自考”をベースに、もちろん規制やリスクは押さえつつ、法律の観点から、そのビジネスを一歩深堀りできるようなアドバイスをしていきたい。クライアントの視点に立って、「もっとこうしたほうがビジネスが円滑に進むのでは」と、自分なりに考えて提案することに、私の付加価値があると思っています。

弁護士 石原 坦

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近年、アンダーソン・毛利・友常 法律事務所では、ヘルスケア・ライフサイエンス関連のご相談が増えています。その場合には、ご相談の内容に応じて、適切なチームを組成して、対応しています。例えば、不祥事対応や刑事事件に関するご相談をいただいた場合は、事務所内で当該分野を専門とする弁護士と協働するかたちをとります。自分とは異なるエクスパティーズが必要な場合には、当事務所内の私の目から見て“当該案件に最も適切な弁護士”をクライアントに紹介するよう心掛けています。クライアントに対してはもちろん、自分としても“いい仕事”がしたいと思っています。それによって、クライアントが「石原弁護士に頼んでよかった」と満足してくれることが一番です。クライアントからのご相談には、私が持てるリソースをフル活用して、対応してまいります。

※取材に際しては撮影時のみマスクを外していただきました。

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