Vol.46
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法務部メンバーの男女比は、ほぼ6対4。有資格者含め、中途採用者の割合は約4割。ワークライフバランスの醸成に積極的に取り組む

法務部メンバーの男女比は、ほぼ6対4。有資格者含め、中途採用者の割合は約4割。ワークライフバランスの醸成に積極的に取り組む

THE LEGAL DEPARTMENT

#54

みずほ証券株式会社 コンプライアンス統括グループ 法務部

法務部は“プロフィットセンター”。戦略法務をプロアクティブに推進する

法務部創設7年目で36名の組織を構築

同社コンプライアンス統括グループに属する法務部。36名のメンバー(2015年7月現在)のうち、弁護士資格保有者が12名在籍している(大手法律事務所からの出向者2名を含む)。同部の前身となる旧みずほ証券法務部を一からつくってきたのが法務部長・金井仁雄氏だ。

「当初、メンバー8名でスタートし、09年に新光証券、13年にみずほインベスターズ証券と合併。その法務部の人員が加わりました。しかし、当社のビジネスをサポートする体制を確立するにはとても足りず、社内弁護士を積極的に採用してきたのです」と、金井氏は振り返る。現在の法務部は人員も揃い、担当分野を大きく3つに分けている。

「契約書のリーガルチェックや個別相談、債権管理案件などを担当する〝企業法務〞。リテールを中心とした調停・訴訟、金融ADRの斡旋、前段階の苦情対応などを担当する〝法務管理〞。そして、フロント(営業部門)のデリバティブ取引のドキュメンテーションを手がける〝デリバティブ法務〞の3部門で構成しています。陣容としては、企業法務が20名ほど、法務管理が10名、残り数名がデリバティブ法務の担当です」

会社の事業戦略の法的サポートをミッションとする法務部が、現在重視しているのは次の2点。

「グローバル対応と、国内外の規制動向をキャッチアップし、法的サポートを行う。これが現在、最も重視するミッションです。規制についていえば、当社は銀行系ですから、ドッド・フランク法、およびその中のボルカールールなどの影響を直接的に受けます。デリバティブでも、アメリカ、EU、香港、シンガポールなどで新たな規制ができていますし、そうした動きを踏まえ、ビジネスのスピードを緩めずに新しい商品・市場開発を推進できるよう、社内体制の構築を含めて検討しながら、法的サポートを行っています」

みずほ証券株式会社 コンプライアンス統括グループ 法務部
メンバーとのコミュニケーションも大切な仕事。金井氏は毎日メンバー1人をランチに誘い、仕事やプライベートについて聞く機会を設けている

法務部もプロフィットセンターになれる

金井氏はこれまで、銀行の法務部などで渉外案件、証券化、会社更正、あるいは私的整理ガイドラインの上場企業初適用となった案件に携わってきた。また、不動産ファイナンス部などでのフロント経験も。そうした経歴を持つ金井氏は、常に〝法務部員としてのマインドセット〞をメンバーに伝えてきた。

「法務がフロントと密接にコミュニケーションを取ることが、非常に重要。ですから当社では、顧客との交渉の場に社内弁護士を同席させることもありますし、法律事務所と同様、マーケティングに類することも行ってもらいます。フロントとのやりとりを通じて、ビジネスの背景を十分理解する。そうなれれば行き詰まった時に、想像力や創造力が働き、〝代替案〞を提示できる。いわばブレーキとアクセル両方の役割を果たさなければならないのが法務の仕事です。特に社内弁護士には、フロントからの相談に対してリスク回避的にならず、バランスを取ってアドバイスしなくてはならないこと、各自が〝社内クライアント〞をしっかりつくっていくようにと、折にふれ伝えています」

自社のビジネスをよく理解し、社内クライアントを増やすことが、なぜ大切か?「法務もプロフィットセンターになれる」との金井氏の言葉に答えがある。

例えば2008年に起きたJ-REIT初の経営破綻(ニューシティ・レジデンス投資法人)は、負債総額1000億円超で再生手続きに入ったが、法務が関与して1年も経たずに不良債権を正常化し、利益を上げた。ほかにも不良債権分野において、法務部主導のもと、いくつもの事案で利益を出すことに成功している。

「つまり〝仕組むこと〞によって法務部も〝儲けようと思えば儲けられる〞わけで、会社にとってはプロフィットセンターとなり得るのです。これこそが戦略法務なのですが、フロントの発想やビジネスの現場を知らなければ実現できないでしょう。プロアクティブに考え取り組み、仕組んでいけば必ず成果を出せますし、〝法務は間接部門〞という意識や受け身の姿勢を変えていけば、仕事の領域は拡がり、人のネットワークもでき、社内で恩も売れ(笑)、成果も上がるわけです。それが個々の部員にとっての法務の面白さ、やりがいにもつながると、私は考えています」

複数の企業が合併し、社内弁護士をはじめとする中途入社者も多い同社法務部。36名のカルチャーもバックグラウンドも、多種多様だ。金井氏は「個性の強い人が多く、クセのあるメンバーもいる中で、それをまとめ上げるのはなかなか大変」と笑う。しかしここでなら、社内弁護士や法務部員としての誇り高きビジネスマインドを育むことができるに違いない。

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    22時以降の残業は原則禁止。「効率よく、集中して業務を遂行する」と、金井氏。会議は法務管理、企業法務など、部門ごとに週1回、全体で2~3カ月に1回実施
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    社内弁護士のデスクの書棚は2段構えになっており、必要な資料・書籍はすぐ手の届く場所に。写真は、金融レギュレーションを得意とし、金融庁への出向経験もある弁護士のデスク