Vol.68
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グループ法務部の陣容は8名(うち有資格者3名)。左から部長の川﨑友紀氏(64期)、八木優大氏(66期)

グループ法務部の陣容は8名(うち有資格者3名)。左から部長の川﨑友紀氏(64期)、八木優大氏(66期)

THE LEGAL DEPARTMENT

#93

GMOインターネット株式会社 グループ法務部

ビジネスシナジーの加速を法的側面から支援。一人ひとりが自走し、“頼られる法務部”に!

金融事業参入で上がる難易度

GМОインターネットは、インターネットインフラ事業で国内トップクラスのシェアを誇るGМОインターネットグループの事業持株会社だ。グループ法務部は、本社およびグループ各社の役員、法務部門担当者と連携しながらグループ全体の法務を担当している。同部部長の川﨑友紀氏に、業務内容を聞いた。

「主に、サービス運営に関する法律相談対応やアドバイス、契約書レビュー、利用規約の作成、社内規程の整備などが日常的な業務です。また昨今、プロバイダ責任制限法に関する請求対応、本社での捜査関係事項照会、捜索差押令状等の執行対応も多くなっています。それらと並行して新規事業立ち上げ時の支援、グループジョイン(M&A)案件なども手がけています」

GMOインターネット株式会社 グループ法務部
グループ法務部のメンバーは全員、即戦力の中途採用。有資格者は一般民事系の法律事務所出身、企業法務経験者、他のメンバーはインターネット系企業などからの転職者

同グループでは2018年7月、GMOあおぞらネット銀行が事業開始。同社は銀行経営とリスク管理に関するノウハウを持つあおぞら銀行グループとの共同出資銀行だ。このプロジェクトはグループ法務部全体の力を底上げする好機となった。

「当社はGMOあおぞらネット銀行を所属銀行とする銀行代理業の許可を取得したのですが、銀行代理業はこれまで手がけてきたIT事業より、リスク感応度が〝一段高いところにある〞と痛感しました。正直、当部では金融系の事情に詳しいメンバーが不足していました。そこで各自、銀行法などの関連法令を集中的に勉強し、当局や銀行の方々と折衝を繰り返しました。『今の私たちの体制でどこまでできるのか?』という現状と〝求められること〞とのギャップを埋めるべく、当社システム部門や事業部門取締役とも膝を突き合わせ、様々な意見・アドバイスを吸収しながら体制構築しました。まだ始まったばかりではありますが、このプロジェクトをとおして新たな力が備わったと思いますし、足りない知識・技術を認識して次へつなげる契機となりました」

ほかにGMOクリック証券なども運営する同グループでは、さらにインターネット金融事業を強化させていくという。

「今後も金融事業全体でシナジーを生み出していく計画は継続します。それに伴い業務量が増え、各案件の難易度も上がっています。GDPR(EU一般データ保護規則)や各種法改正への対応もあるので、日々の業務と新規プロジェクトの両軸をきちんと回せるよう、メンバーも増やしていきたいと考えます」

各自が業務に集中でき、経営層とのディスカッション機会を増やせるよう、一人ひとりの自走を目指しながら環境整備していくのが、当面の目標だ。

常に頼られる法務部でありたい

日々の業務で多いのは、やはり事業部門からの相談だ。

「『ちょっと法務に聞いてみよう』と、直接相談に来てくれる人は多いですね。私たちも、積極的に話を聞きにいっています。そもそも当社はみんなフレンドリーで、コミュニケーションがとりやすいんです」

そうした日々のやりとりを通じ、「当社事業部門の頼もしさを感じています」と語る川﨑氏。

「私たち管理系・法務系の頭では思いつかない独創的なアイデアで、『ビジネスがしたい』という相談がかなりあります。例えば、ある事業部門の担当者が、社内で使用している販売管理システムをお客さま用に商品化したいと相談に来ました。『お客さまご自身でバーチャル口座を開設してもらうのが大変なので、当社のバーチャル口座をお貸ししたい。これを絶対実現したい!』と。『え? 銀行口座を貸す?』と驚きましたが、そのアイデアの面白さに惹かれ、私も『なんとか商品化したい!』と手を尽くし、実現しました。そのサービスがローンチされた時、担当者と一緒に喜べたことが嬉しかったです」

同社では、社員一人ひとりの仕事に経営者視点を求めている。

「事業の売り上げ、利益、コストに照らし、契約書一つ書くにしても、どんな書き方をすればムダなコストが発生しないで済むかと試行錯誤しています」と川﨑氏。経営マインドも重要だが、法務にとって最も大事なスタンスは「事業にブレーキをかけないこと」だ。

「事業開発や商品開発、売りたいという思いを正しい形で実現するためのサポートが私たちの役目。法令の観点に立ちながらも、どうしたら仲間がやりたいと思うことを実現できるかに腐心することが喜びでもあります。まさにビジネスの上流(企画段階)から入り、下流(ローンチ)までかかわれる面白い仕事です」

とはいえ、法務部ならではのインシデントやトラブル対応など、ネガティブな局面にも対応していかねばならない。

「どんな時であっても、笑顔を見せることを忘れないという気風があります。ネガティブを引きずるといろいろとうまく進まなくなります。勢いがある時も行き詰まった時も前向きに。論理的思考性があり、法律のプロとしての知識・技術を持っていることも大切ですが、常に前を向いて仕事や仲間に向き合える方と働いていきたいですね」

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    同社では様々な福利厚生制度・施設の拡充を図る。施設には社内託児所や24時間無料カフェなど。子供が最長2歳に達するまで取得できる育児休業制度や、介護休業制度、在宅勤務、時短勤務、時差出勤制度などで多様な働き方を応援(写真は24時間無料カフェ)
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    社内託児所
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    グループ法務部の食事会の様子