事務所探訪:2017年7月号 Vol.58

事務所探訪

アトーニーズマガジン 事務所探訪

多種多様な「働く場」としての法律事務所を、読者に代わり、編集部が取材します。事務所の理念・方針・特徴・こだわりや工夫が凝らされた事務所の“日常風景”を分かりやすくお伝えします。

Style of Work

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恵比寿松本法律事務所

大手事務所で培ったプラクティスを生かし、複雑なM&Aや経営紛争をフットワークよく解決

東京都心のランドマークの一つ恵比寿ガーデンプレイスタワーにオフィスを構える松本拓生弁護士。大手法律事務所で培った十数年の経験を基に独立、恵比寿松本法律事務所を設立した。「前事務所では多数の企業買収や組織再編事案に従事しました。例えば、海外企業による国内企業の買収や合弁会社の立ち上げといったグローバル事案のほか、プロキシーファイト、株主総会対応、企業不祥事対応など幅広い案件を担当することができ、パートナーも務めました」

順風満帆に思える地位を捨て、〝1人で独立〞という道を選択したのはなぜだったのか。「大手法律事務所では大勢の弁護士がチームを組み、大型案件に臨む体制が整っています。しかし、クライアントが日常的に直面する法律問題は、必ずしもそうした大きな体制を必要とするものばかりとは限らず、案件によってはその場ですぐに法的な判断をして迅速に対応することを優先しなくてはならない局面も多々あります。また、経営者の考え方やパーソナリティ、社風など、その時々の状況に照らした、法律解釈にとどまらないソリューションの提供を望まれることも。勤務弁護士として日々の業務を行うなかで、スピーディに意思決定を下し、日常的なコミュニケーションを増やしてクライアントともっと密な関係を構築するなど、小さな単位でいいので、よりクライアントのニーズに寄り添ったスタイルで仕事がしたいと思うようになり、独立を決意しました」

独立時、「オフィスの場所がすぐわかり、アクセスしやすい拠点を」というアドバイスを先輩弁護士から受け、恵比寿駅徒歩圏内のシェアオフィスを選択。秘書サービスが利用でき、会議室は必要な時だけ借りればよく、結果、効率的な事務所運営ができている。独立に際して〝ハコ〞の準備に手間をかけず、すぐ業務開始できることも、松本弁護士にとっては利点だった。

現在、同事務所のクライアントは、上場・非上場、IPOを目指すベンチャーなど、様々な企業だ。
「例えば、プロキシーファイトやM&A案件で利害対立が生じた場合、全体を俯瞰しつつ特定部分にも目を配り、依頼者にとって最適な落としどころを考えるというケースはよくあります。フットワークよく動き、出された質問・疑問はその場で即答、解決するのがモットーです」

大手事務所のプラクティスを熟知し、細かな〝部分〞で動ける弁護士が求められる案件が、実は多いという。しかし、松本弁護士の現在関与する案件は、それだけでは完結しないことがほとんどだ。
「小規模なM&A、経営紛争などにも多く関与しますが、特にそうした事案では当事者が慣れていないこともあり、予期せぬトラブルが起こりがち。全体を誰かが統括しないと事態が収拾しないことも多いのです。私は、全体を調整しながら、そうした事態を仕切っていくことに面白みを感じています。私がかかわることで、バラバラのピースがぴたっと収まるところに収まり、かかわる全員をハッピーにする、それが一番のやりがいです」

松本弁護士は「〝カウンター5席程度の、知る人ぞ知る鮨店〞のような事務所でありたい」と言う。少人数を、手厚いサービスでもてなし、その評判が評判を呼び、客が増えていくような事務所だ。そんな〝隠れ家的名店〞を目指す松本弁護士に、若手へのメッセージをいただいた。
「鮨店にたとえれば、技術を磨いて〝うまい鮨〞を出す店は山ほどある。その中でお客さまに選ばれるには、お客さまのことをよく観察して、何をどのような順番で食べたいか想像する力、感じ取る力がなくてはいけません。弁護士もサービス業ですから、クライアントが求めるソリューションを提供できる人だけが残っていく。それがまた次の仕事を呼び、自分自身も成長していける。『このドキュメントだけ作成していればいい』『この手続きだけ調べていればいい』というスタイルの仕事は、いずれ人工知能(AI)に代替されてしまうでしょう。ですから、安易に最適解を探そうとせずに、回り道をすることになっても、自分が提供できる最高の顧客サービスのかたちを探してほしいと思います」

■プロフィール

  • ●所在地/〒150-6018 東京都渋谷区恵比寿4-20-3
  • 恵比寿ガーデンプレイスタワー18階
  • TEL/03-5789-5934(代)
  • http://ymlaw.jp/
  • ●2014年4月設立。業務内容は、経営権紛争対応、コーポレート、M↦A、ベンチャー支援、危機管理、国際関係法務など。所属弁護士2名。公認会計士、税理士、経営コンサルタントなどと協働することも多々。事務所名に冠した「恵比寿」の英語表記は、ビル名表記にちなみ「Y」を付した。「YEBISU MATSUMOTO LAWOFFICE」(英語表記)。