“グローバル”“女性活躍”を大切に“一騎当千の士”が集う弁護士事務所を目指す

事業再編・M&A、国内および海外企業との各種取引にかかわる企業法務、事業再生・倒産処理分野を中心に、幅広く法的サービスを提供する坂井・三村・相澤法律事務所。2007年以来、戦略的に事務所を拡大してきた。
「当事務所はいわゆる外資系ですが、東京事務所の弁護士のほとんどが日本人弁護士です。国内マーケットで力をつけてきた二つの事務所(坂井・三村法律事務所および新東京法律事務所)が土台ですから、そもそも自走能力が非常に高い」と坂井秀行弁護士。三村藤明弁護士も、「国内案件についてはほかの外資系に比べて格段の遂行能力がある。またクロスボーダーの倒産や事業再生についても、日本法に精通した弁護士が多くいるからこそ成果が上がる。“足腰が強いこと”が、私たちの特徴です」と語る。
一方でアメリカを中心とする各国主要都市に1100人の弁護士を擁する同事務所。「彼らと“一つの事務所の仲間”としてシームレスな共同作業ができる、これがもう一つの特徴。共同事業開始から4年弱、さまざまな案件を通してコオペレーションと信頼感の高まりを実感しています」(坂井弁護士)

前身の坂井・三村と、新東京は共に“比較的若い事務所”であった。ゆえに「現在所属する弁護士も野心と意欲にあふれるアクティブなタイプが多い」という。
「“機動性。柔軟性。変化への対応力”が、私たちのモットーです。今、アメリカの倒産事件におけるプラクティス※1が日本にどんどん入ってこようとしている。それに伴い倒産・再生から渉外・ファイナンスにまたがるアドバイスができる弁護士が求められる。そうした、伝統的には別個独立の弁護士が別個独立に行ってきた実務・専門性の融合点に新たな市場が誕生すると私は考えます。私たちは、そうした新たな市場の担い手になりたいと願っています。実際、使命感やフロンティア精神を持って難局にも果敢に挑もうとする弁護士が集まっていると自負しています」(坂井弁護士)
同事務所の弁護士は、その経歴も個性的だ。公認会計士の有資格者、銀行やメーカー出身者もいる。多様なキャリアを尊重する姿勢は、「女性の働きやすさ」においても同様だ。相澤光江弁護士に、この点を尋ねた。
「女性弁護士の力を活用すべく、パートナー登用を促進し、ビジネスロイヤーとしてのマインドの育成も意識的に行っています。ただし出産・育児の際のケアがなくてはフルにその能力を発揮できませんから、彼女たちをサポートできるチーム体制を作り、ベビーシッター費用の補助なども試みています。彼女たちに、短期間で結果は求めません。出産などを経た後、数年かけて成果を出せば良いのです。そうして真の戦力となってもらうこと、それが大切ではないでしょうか」


クロスボーダーのファイナンス・M&Aや独占禁止法、知的財産分野に強い弁護士の参加や、国際倒産・金融はじめIP訴訟ほか複雑大規模訴訟※2でも強いビンガムというプラットフォームを得たことで、“倒産・事業再生に強い事務所”から、次のステージへ進みつつある、同事務所。
「あらゆるレベルで質的な転換が進行し始めている。そこで大切なのは“事務所のバリューの共有”。同じ志のもと、“一騎当千の士”が集う事務所を目指します」(坂井弁護士)
※1/例えば、チャプターイレブンを適用された企業において債権者たちがまとまって委員会を作り、債権者委員会としてカウンセルを起用して債務会社と交渉することなど。
※2/例えば、2010年11月にビンガムの米国チームが、オラクルの裁判において陪審がSAPに対して13億ドルの支払いを命じる評決を下すという歴史的な勝利をおさめた。同評決は2010年の陪審員裁判で最高の賠償額であるとともに、著作権侵害事件でも最高額であった。
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「重要な戦力」と位置付けられるスタッフは、プロジェクトチームの一員としての意識・意欲が高い -
所内コミュニケーションの促進を目的に「ハッピーウェンズデイ」と銘打った交流会が毎月1度開催される。出張先で仕入れた名産品を弁護士が持ちよったり、アメリカの村瀬弁護士が日本のホテルからデザートを差し入れたり。また弁護士が中心となって結成したフットサルのチームなどもあり、所員の仲の良さがうかがえる -
写真は、この会での話題をきっかけに、事務所の空きスペースを活用して開かれているヨガ教室。男性弁護士も参加するという。