新規事業に積極的に挑戦する同社だが、一方で法務グループの性質を一言で表すなら、〝堅実〞だと塚田氏は言う。
「私も含めて、法務業務を志向する人は慎重派が多いのではないでしょうか。そんな私が安心感を持って挑戦できているのは、当社がインターネット・インフラを持ち、それを維持・管理しているという〝堅実〞な土台があるからだと感じます。IT事業というより、インフラ事業であるということです。私が担当するIoT事業は、先端領域ではありますが、そうした土台があるからこそ、果敢にチャレンジできるのだと思います」
挑戦する気風と堅実性――それをもって、法務のメンバーは日々どのように職務と向き合っているのだろうか。
「法律の専門知識はもちろん、社内アドバイザリーの機能を併せ持たなければこの仕事は務まりません。メンバー全員、法律とは関係ない相談でも、単なるアドバイスに留まらず、問題の核心に躊躇なく踏み込んでいます。相手が迷っている時は『やろうとしていることは何か、決まっていないことは何か、ゴールは何か』など論理的に整理し、リスクヘッジしながら、事業が円滑に進むようサポートしていきます」
最後に、プロアクティブな法務グループを率いる松本氏に未来の展望を語ってもらった。
「管理本部の中で一番先に〝現場の情報〞が届くのが法務部で、大切な最初のジャッジを下すのが我々の使命。社員からの信頼はもとより、経営側から『法務に任せる』と言わしめる存在感を増していきたいと思います」