Vol.38
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女性比率も高く、和気あいあいの雰囲気の法務部メンバー。18名のうち8名が有資格者である

女性比率も高く、和気あいあいの雰囲気の法務部メンバー。18名のうち8名が有資格者である

THE LEGAL DEPARTMENT

#43

KDDI株式会社

“垣根”を設けず、多彩な事業案件を担当。現場の法的ニーズを意識的に拾い上げ、国内屈指の情報通信企業の飛躍を支える

事業部のニーズを積極的に吸収

同社法務部は山本裕幸部長以下18名の体制。知的財産、株主総会、内部統制関連などについては別に専門部署があり、主として訴訟、法的トラブルへの対応、M&Aなどの新規プロジェクトをはじめとする各種施策への法的支援、契約書等作成サポート、社内啓発といった業務に携わる。

案件には、必ず2人一組で対応するのが同部の決まりだ。山本氏は「メインの担当者に、経験の長いメンバーをサポートとして付けます。そうすることにより、案件対応の安定性が高まると同時に、人材育成にもつながるわけです」と狙いを語る。

業務に関しては特に明確な担当分けはせず、現場から依頼が来れば、その都度部員の仕事のバランスなどを考慮して割り振る。「せっかく多角的なビジネスを展開する会社にいるのですから、何かの領域に特化するより、いろんな分野を担当して、知見を広めてもらいたい」という考えもあってのことだ。ただ、そうした日常業務とは別に、各人には担当の事業部がある。

「法務としては、依頼を待っているだけではなく、こちらから事業部との距離を縮めていく姿勢が大事になります。中で抱える問題とか、求めている法的支援は、実は事業部によって様々。そこで部門ごとに担当者を決め、定期的に現場に入っていき、話を聞くことにしたのです。そうやってニーズを拾い上げることで、より適切なサポートが可能になるほか、現場でビジネス感覚を学べるというメリットがあります」

また、社内留学で米ニューヨーク州弁護士資格を取得した横尾大輔マネージャーは、「現場には法務は敷居が高い、という意識もあるので、逆にこちらから踏み込んでいくスタンスが大切なのです」と話す。

「例えば外資との英文契約は、普通は相手がつくった書類をチェックするというパターンなのですが、こちらで作成したほうが有利に交渉を進められる場合もあります。そんなケースで、法務に頼むのは気が引ける、という雰囲気を斟酌し、先んじて契約書を作成したら、担当者からもその上司からも非常に感謝されました。僕自身、ここまで貢献できるんだ、という大きな気づきとなりました」

KDDI株式会社 法務部
各事業部門から頼られる法務部を目指して、常に情報交換を怠らない。レベルアップに向け、自主的な勉強会なども活発に開かれている

世の中と直接つながる面白さ

KDDI株式会社 法務部
2000年入社の横尾氏(ニューヨーク州弁護士)

山本氏の目下の課題は、「新規事業展開など法務のかかわる案件が増える一方なので、組織力の増強がより必要」なことだ。

「人数だけでなく、当然のことながらメンバー個々人のレベルアップも重要です。M&A、海外案件などが増加するなか、これからは単に従来の法的な専門性だけではなく、例えばより高度なビジネスセンス、国際法務に対応できる能力といったものが求められることになる。そうした人材を意識的に育成していきたいですね」

同部には前出の横尾氏のほか、日本法の弁護士資格を持つ7名、計8名の有資格者がいる。

「企業内弁護士を希望する人が増えているというトレンドも踏まえ、ここ数年コンスタントに採用した結果です。今後もビジネスの現場で専門性を生かしたいという方には、ぜひ活躍してもらいたいですね。法に従うというより、法を使っているという感覚で仕事ができるのも、大きなやりがいだと思いますよ」

KDDI株式会社 法務部
12年入社の森脇氏(弁護士)

最後に、弁護士資格を持つ入社3年目の森脇亜美主任に、〝インハウスロイヤーの仕事〞について語ってもらった。

「法律事務所の仕事と違って、企業の中に入ると、ただ法的なアドバイスをしただけではダメ。それに基づいて実際に動いてもらわないと意味がないのです。現場の人と一緒になって実際にモノやサービスをつくりあげ、それが世の中に出ていくことは、何ものにも代えがたい喜びです。この業界にいる醍醐味は、10年前には想像もつかなかったスマートフォンのような製品が、突然出てくること。これからも同じようなことが起こるはずで、その時には未知の法律問題も発生するでしょう。そうしたものに現場で対応できるのが、今から楽しみです」

  • KDDI株式会社 法務部
    オフィスの来客用エントランスには、同社の展開する事業や製品、サービスなどの展示スポットが
  • KDDI株式会社 法務部
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    同社の携帯電話サービス「au」の契約数は、およそ4000万件にのぼる