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瀧谷 耕二 Koji Takitani
鳥飼総合法律事務所 
パートナー弁護士
第一東京弁護士会所属
税理士・公認会計士協会準会員

税務・会計と法務が絡む複雑な問題を解決し、
企業活動の根幹を支えるタックスローヤー

瀧谷 耕二

鳥飼総合法律事務所
パートナー弁護士
税理士・公認会計士協会準会員

企業が事業活動を遂行する過程では、法務と税務、法務と会計にまたがる課題が必ず生じる。こうした企業活動の根幹を支える領域で、プロフェッショナル・タックスローヤーとして活躍するのが、瀧谷耕二弁護士。企業法務および税務の分野で数多くの案件を扱い、特に税務分野で新たなソリューションを開拓してきた鳥飼総合法律事務所のパートナーを務める瀧谷弁護士の、“これまでとこれから”を聞く。

弁護士の道

国税審判官からタックスローヤーへ

私が弁護士になるために司法試験の受験をしようと決めたのは、大学3年の冬頃でした。それまでも漠然と考えてはいたのですが、就職活動が始まって、自分の進路を真剣に考えてみた時に、企業に就職して組織のなかで仕事をするよりも、専門家として職人的な仕事をするほうが自分に向いているのではないかと考えたのです。あまり格好がいい理由ではないのですが、今でも、少人数のチームで仕事をするほうが好きなので、自分に合った仕事を選んだということだと思います。弁護士としての出発点は、阿部・井窪・片山法律事務所という倒産や知的財産に強い法律事務所でした。その後、麹町パートナーズ法律事務所に移籍し、著作権などの知的財産に関する案件を中心に、様々な案件に関与しました。他方で、弁護士が税務や会計に通じることの重要性を感じて勉強もしていたところ、面識のある弁護士が国税不服審判所の審判官になったという話を聞いて興味を持つようになり、弁護士になって8年目の年に国税不服審判所の審判官となりました。今から思うと、明確なビジョンもないまま思い切った転職をしたなと思いますが、結果として、国税不服審判所での経験が、今の自分をかたちづくる“血肉”となっています。

国税審判官としての4年の任期を全うし、2015年に入所したのが、鳥飼総合法律事務所です。これは、当事務所が、弁護士にとって馴染みのなかった税務という業務領域に、いち早く本格的に取り組んだ法律事務所として知られていたからです。そして今、私はこの鳥飼総合法律事務所で、税務を中心とした業務を行っています。

弁護士 瀧谷 耕二

得意分野

税務争訟、タックス・プランニングに対応

弁護士 瀧谷 耕二

私は、 “法務と税務”および“法務と会計”にまたがる様々な問題の解決を得意としています。特に“法務と税務”にまたがる業務を取り扱うことが多く、現在、業務の7割~8割が、税務関連の案件です。税務争訟や税理士賠償責任訴訟はもちろんですが、税務調査や事業承継なども数多く取り扱っています。また、特に最近はM&Aなどの非定型的な取引や新規事業を行う際の税務上の取り扱いに関するご相談を受けて、意見書の作成を依頼されることが増えています。税務上の取り扱いの意見書については、税理士の方が書かれることもあるかと思いますが、法的に論理立てた文書を書くという点では、弁護士に一日の長があるのではないかと思います。

税務争訟では、建設工事用機械の売却収入の計上漏れの有無が争われた事件(法人税の更正処分等の一部取消し、消費税の更正処分等の全部取消し)、内国法人及び外国法人から成る企業グループの代表者が居住者であるか否かが争われた事件(所得税の更生すべき理由がない旨の通知処分等および源泉徴収所得税の納税申告処分等の全部取消し)、関係会社間で譲渡された船舶の評価額が争われた事件(法人税の更正処分等の一部取消し)、事業実態のない有限責任事業組合から利益の分配を受けていた組合員に所得が生じるか否かが争われた事件(所得税の更正すべき理由がない旨の通知処分の全部取消し)、土壌汚染対策法による要措置区域に指定されていないが基準値を超える土壌汚染物質が検出されている土地の評価額が争われた事件(相続税の更正処分等の全部取消し)などを担当してきました。

また、税理士賠償責任訴訟にも数多く携わっています。そうした税務争訟や税理士賠償責任訴訟では、これまでの経験で培われてきた“税務の強み”を生かしつつ、法務や会計を含む多角的な観点から検討することによって、よい結果を出すことができているのではないかと思います。

弁護士 瀧谷 耕二

企業の税務調査への対応をさせていただくことも少なくありません。税務調査というのは、顧問税理士の先生が対応されることが一般的であり、それで十分であることも多いのですが、取り引きの法的性質が問題となったり、通達などで明らかにされていない税法の解釈が問題となったり、税額が大きく不服申し立ても視野に入れた対応が必要となるような場合には、税務に通じた弁護士としてお役に立てることが多いと自負しています。例えば、上場企業の創業家の資産管理会社が、当該上場企業に自己株式を市場価格よりも低い価格で売却したことが低廉譲渡であるという指摘を受けた事案では、会社法や金融商品取引法の観点を交えつつ、実際の取引価格が「通常得べき対価の額」であるから、低廉譲渡にはあたらない旨の意見書を提出し、その指摘を取り下げさせることに成功しました。実際には、意見書によって結論が変わったというわけではなかったかもしれませんが、意見書を出すまで調査担当者がかなり強気であったことから、クライアントに喜んでいただけた仕事となりました。

企業が新規事業を行おうとする場合のタックス・プランニングも得意としています。新規事業をどのように構築するかということは、ビジネス上の観点から検討すべきことですが、最終的にはどのような法律関係を構成すべきかということになります。そして、法律関係に複数の選択肢があり得る場合において、その選択によって税務上の取り扱いが異なることは少なくありません。そのような場合に、税務上の取り扱いの違いを踏まえた法律関係の構成を提案できることが、私の強みです。また、フリーマーケットサイトで利用者に付与されるポイントの消費税法上の取り扱いや、動画配信サービスにおける“投げ銭”の消費税法上の取り扱いが問題となったことがあるように、新たなビジネスを行おうとする場合には、既存の通達などでは明らかにされていないような、新たな税務上の問題が出てくることも多くあります。特に近年では、Web3、メタバース、NFT、DAOといった全く新しいビジネスが台頭してきていますので、新たな税務上の問題が出てくることも増えてくるのではないかと思います。そして、そのような問題は、前提となる法律関係から解きほぐして検討することが必要となります。租税回避や節税といった観点ではなく、税務上の取り扱いを明らかにしたうえでビジネススキームを構築する――この提案を得意としていますし、今後も積極的に関与していきたいと考えています。

弁護士 瀧谷 耕二

こだわり

柔軟に検討をしてシビアに判断する

弁護士 瀧谷 耕二

税務争訟に関するご相談を受けることは多いのですが、既に課税庁が処分をした事案ですので、正直なところ“負け筋”の事案が圧倒的に多いことになります。しかも民事の事件とは異なり、和解による解決はなく、勝つか負けるかしかありませんので、勝てる見込みがあるかどうかについてはシビアに判断してクライアントにお伝えするようにしています。税務調査対応の場合も、処分を受けて争うべきか、修正申告をすべきであるかといった判断はシビアに行います。他方で、課税庁が一面的な見方しかしておらず、見落としている視点があることも少なからずありますので、多角的な視点から固定観念にとらわれることなく柔軟に検討をするようにもしています。新規事業におけるタックス・プランニングでも、既存の通達などでは明らかにされていないような新たな税務上の問題も多いことから、柔軟な発想による検討を行うと同時に、課税庁にも受け入れられるよう、理論的かつ一貫性のあるシビアな判断を心がけています。

また、税務に関するご相談を受けた場合には法務面からの検討をすることを、法務に関するご相談を受けた場合には税務面からの検討をすることを意識しています。税務に通じた弁護士として、お客さまにどのような付加価値を提供できるか、他の弁護士や税理士とはどのように違うサービスを提供できるかを考え、仕事をしています。

弁護士 瀧谷 耕二

展望

企業や税理士の信頼に応えられる弁護士として

審査請求は年間300件~400件程度、税務訴訟は年間100件~150件程度と、それほど多くはありません。ただ個人的には、争うべき事案がきちんと“掘り起こせているか”ということに疑問を持っています。税務調査で指摘を受けて修正申告をした事案のなかには、きちんとした主張をすれば処分に至らないケースや、処分されたとしても審査請求などで取り消せる可能性のあるケースが相当数あると見ています。割合としては全体の数%程度なのかもしれませんが、それでも絶対数としてはかなりの数になるはずです。そして、この掘り起こしをしていくためには、特に税理士の方々からの信頼を得ることが不可欠となります。税理士の方々が、課税庁の指摘に疑問を持った時に「相談をしてみよう」と思ってもらえる、信頼に足る弁護士であるよう、これからも努力をしていきたいと思います。また、新しいビジネスを行おうとする場合に生じる新たな税務上の問題への対応は、まさに私の強みを生かせる業務であると思いますので、新しいビジネス分野にアンテナを張り、それらと税務との関係性を掘り下げていきたいと考えています。

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当事務所は、代表弁護士の鳥飼重和弁護士が事務所を開設して以来、多くの税務争訟を担当し、税務争訟では国内トップクラスの経験、実績を有しています。また、税務調査対応、タックス・プランニング、事業承継でも、豊富な経験と高い実績があります。近年は、印紙税の調査対応や固定資産税の評価の是正および還付を求める業務などにも注力しています。税務は、企業活動の根幹となるものです。税務争訟だけでなく、ぜひ“転ばぬ先の杖”として、お気軽にご相談いただければ幸いです。

※取材に際しては撮影時のみマスクを外していただきました。

弁護士 瀧谷 耕二