弁護士の肖像:2017年9月号 Vol.59

弁護士の肖像

アトーニーズマガジン 弁護士の肖像

日本のリーガルサービスを牽引する、著名な弁護士の素顔や仕事観・人生観をご紹介。

Human History

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アンダーソン・毛利・友常法律事務所 弁護士 三村藤明

格闘技や音楽などに 没頭しながら、 多感な日々を過ごす

「事業再生は人を再生すること」。二十数年前、初めて関与した和議事件をきっかけに、そう悟った三村藤明は、「事業再生を弁護士としての一生の仕事にする」と心に決めた。以降、積極的に数多くの会社更生・民事再生・私的整理案件に取り組み、その技量を磨き、今では事業再生・倒産のあらゆる分野に精通する第一人者として、確固たるポジションに立つ。代表的案件としては日本国土開発、千代田生命保険、マイカル、日本ランディックなどが挙げられる。〝一人事務所〞時代から幾度の合併を経て、2015年にはアンダーソン・毛利・友常法律事務所に参画。その都度、大きなステージアップを図ってきた三村だが、それらは戦略的なものではなく、決めた一本道を走り抜けてきた日々が引き寄せた結果である。時代や環境がどう変わろうとも、三村のスタンスに変節はない。「人が生き返る瞬間」を求めて、常に全力を尽くすということだ。

とにかく利かん坊で、ケンカばかりするものだから、幼稚園は3カ月で中退というのが僕の最初の経歴(笑)。両親の実家が山口県上関町の長島にありましてね、子供の頃は毎夏、そこで力いっぱい遊びながら過ごしたものです。海で魚や蛸を獲ったり、島で行われる4日4晩の盛大な盆踊りに夢中になったり。年上のいとこや、遊び相手をしてくれる島のお兄ちゃんたちから、おませな遊びも早くから教わって、本当に楽しかった。
島での経験は、僕の人格形成に大きな影響を及ぼしています。好きなことを奔放にできた一方で、身内のつながりや地域の人々との助け合いといった、共同体における相互扶助の精神を肌で感じ取ってきたことは、大きいと思う。今、弁護士として「俺は先生だ」ではなく、困っている人たちと共同・信頼関係を築きながら「一緒に問題を解決していく」ことに喜びを覚えるのは、こんなところに根っこがあるような気がしています。
打ち込んだスポーツは柔道。1964年の東京オリンピックの決勝戦で、神永選手がヘーシンクに負けたのを見て、「よし、俺が仇を!」と息巻き(笑)、中学から柔道部に入って本格的に始めました。メキメキ強くなりまして、山口県内では団体、個人共に優勝。地元では進学校である県立岩国高校に進学してからも、そのまま学業より柔道優先です。高3の時、団体戦でインターハイ出場までいったんですよ。
ただ、実はその前に…(以下略)

初めての和議事件で、 得た悟り。行く道を 事業再生分野に定める

新卒で就職する気にもなれなかった三村は、司法試験を目指して上京。塾の講師職などで生計を立てつつ、もう少しモラトリアムは続くのだが、それを一転させたのは中央大学白門会への入会だ。千葉県松戸市にあったこの全寮制の塾で、三村はのちに一生の付き合いとなる多くの仲間や地元の人たちと出会い、ようやく〝本気〞になった。

白門会では本当に真面目に勉強しました。2年ほどして、受験界ではわりに有名な西戸山ゼミナールにも入りましたが、ほどなくトップクラスの成績になり、『受験新報』には僕の答案が模範として取り上げられたりもしました。だから、次の年の司法試験は受かる気満々で臨んだのですが、なんと、それまで受かっていた択一試験の段階で落ちちゃった。問題の傾向が変わったこともありますが、結局は僕の慢心。この時はさすがに失意のどん底でした。
翌年、択一には受かったけれど、今度は論文試験がダメ。ものすごく考えた結果、「根本的に考え方が間違っている」ことに気づき、ついに開眼したのです。それは、①問いに答えること、②原則―必要性―例外と思考すること、そして、③誰にでもわかる日本語を書くこと。これは、のちの仕事や人生にも生きています。そのおかげで、次の年は論文試験の最中に「俺、上位何番かなぁ」くらいの余裕でした(笑)(以下略)

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■プロフィール

  • アンダーソン・毛利・友常法律事務所
  • 弁護士
  • 三村藤明
  • 1954年5月30日山口県岩国市生まれ
    1977年3月 愛媛大学法文学部卒業
    1984年10月 司法試験合格
    1987年4月司法修習修了
    弁護士登録(東京弁護士会・39期)
    郡司・畠田法律会計事務所入所
    1991年1月 三村藤明法律事務所開設
    2002年6月坂井・三村法律事務所開設
    2007年2月 ビンガム・坂井・三村法律事務所
    (外国法共同事業)開設
    9月 新東京法律事務所と合併してビンガム・坂井・三村・相澤法律事務所
    (外国法共同事業)開設
    2015年4月統合によりアンダーソン・毛利・友常法律事務所参画