弁護士の肖像:2018年11月号 Vol.66

弁護士の肖像

アトーニーズマガジン 弁護士の肖像

日本のリーガルサービスを牽引する、著名な弁護士の素顔や仕事観・人生観をご紹介。

※掲載記事の内容は取材当時のものです。

Human History

弁護士の肖像

弁護士法人芦屋西宮市民法律事務所 弁護士 津久井進

自分の思いや考えを貫ける職業として、「弁護士」を選択

 津久井進が弁護士としてスタートラインについた1995年は、まさしく阪神・淡路大震災が発生した年である。発生時は司法修習でかの地を離れていたが、実家は神戸市にあり、自身も震災経験者となった。〝1年生弁護士〞として復興支援を行ったのを起点に、津久井は、その後も日本各地を襲う災害の被災者支援に奔走し続けている。道のりにおける様々な場面で法の不備を体感した津久井は、その不備を正し、時代に則した法制度の改善にも尽力。民事・刑事・家事など幅広い分野で手腕を発揮しながらも、被災地・被災者支援は今やライフワークとなっている。弁護士会はもとより、災害関係や市民活動などで多くの役職に就く日々はハードだが、津久井の胸には「自分にしかできない役割を果たす」喜びと誇りが刻まれている。

 生まれは名古屋市ですが、神戸に落ち着くまでは、父の転勤に伴ってほぼ3年周期で動いていたんですよ。転校の繰り返しで、中学生時代に至っては1年ごと。中1の時に通った埼玉の中学校では丸刈りだったのが、転校した名古屋ではリーゼントだらけだったから、僕も髪を伸ばし始めたところ、次はまた丸刈りが校則の神戸の学校へと、まぁ忙しい(笑)。これは一つの例だけれど、環境がしょっちゅう変わったことで適応能力は養われましたね。だから僕は、どんな場に対しても人に対しても、抵抗感というものがまったくない。転校自体はイヤでしたが、災害支援で方々飛び回っている今からすれば、これはいい訓練になりました。
 高校受験も転校してから事情が違いました。当時、愛知県の公立高校の受験は3科目だったんですけど、神戸に来たら9科目。驚きましたが、僕はもともと一点集中タイプではなく、マルチを好むキャラなので、かえって向いていたように思います。すんなり進学校である長田高校に入学することができました。思えば、中・高の部活もバスケ、卓球、水泳といろいろで、何でもやりたがるところがあるんですよ。
 級友に担がれて生徒会長になったのは高校2年の時。面白半分で立候補したものの、役目を授かった以上は「応えなければ」と改心。それこそ自由とは何か、自治とは何かをにわか勉強して、近所の公園で演説の練習をしたりね。けっこう真面目でしょう(笑)。
 記憶に残っているのは、模試の一件。長田高校は「模試をやらない」校風だったのに、ある時、校長が代わったのを機に...(以下略)

災害復興の制度改善や被災者中心の法的支援に全力を注ぐ

 歳月の流れに伴い、災害復興支援にかかわる弁護士は減少したが、津久井は求められる役割に応え続け、活動を〝しつこく〞つなげてきた。2001年からは「阪神・淡路まちづくり支援機構」(現近畿災害対策まちづくり支援機構)の事務局長に就き、翌年には弁護士法人芦屋西宮市民法律事務所を設立、その足場を固め広げた。津久井自身が大きく成長した時期でもある。

 阪神・淡路まちづくり支援機構は、被災地における市民のまちづくりを支援するNPOで、専門家6職種、9団体で設立されました。まちづくり支援って、単一の専門分野で対応できるものじゃないでしょう。法律をベースにしつつも建築、登記、測量、税務などといった様々な職能の連携なしには進められません。僕は、機構を通じて阪神魚崎市場の再建計画のチームに加わったのですが、専門職能の連携の重要性を目の当たりにしました。そして、僕の役割はほんの一部ではあったけれど、合意形成の場で羅針盤の働きをする弁護士の力はやはり大きいということも実感。新鮮な経験でしたね。

 僕のエポックは30代後半を迎えた頃でした。地元で起きたJR福知山線脱線事故にかかわったこと、これも大きい。間近で起きた大惨事なのだから何とかしなければと、事故が起きた直後から弁護士会で被害者支援の勉強会を開き、無料相談窓口を設置するよう働きかけをし、様々な支援団体をつなぐなど、環境づくりから取り組んできました。弁護団の活動のメインは遺族の賠償請求になるわけですが、僕の活動は気がつけば、助かった負傷者がしばしば抱えるサバイバーズ・ギルトや、遺族の義憤に寄り添うことが主になっていました。
 その過程で身に染みてわかったのは、人が求めている解決のかたちは「一人ひとり違う」ということ。同じ遺族で...(以下略)

■プロフィール

  • 弁護士法人芦屋西宮市民法律事務所 弁護士
  • 津久井進

  • 1969年5月3日名古屋市熱田区生まれ
    1992年10月司法試験合格
    1993年3月神戸大学法学部卒業
    1995年3月司法修習修了
    4月弁護士登録(兵庫県弁護士会・47期)
    神戸海都法律事務所入所
    1999年4月芦屋法律事務所入所
    2002年4月弁護士法人芦屋西宮市民法律事務所設立

  • ●主な公職(2018年10月現在)
  • 日本弁護士連合会・災害復興支援委員会 委員長
  • 神戸家庭裁判所尼崎支部 調停委員
  • 兵庫労働局 労災法務専門員
  • 近畿災害対策まちづくり支援機構 事務局次長
  • 関西学院大学災害復興制度研究所 研究員
  • 日本災害復興学会 理事/復興支援委員長
  • 兵庫県震災復興研究センター 共同代表
  • 一人ひとりが大事にされる災害復興法をつくる会 共同代表
  • 一般財団法人あかしこども財団 監事
  • 公益財団法人ひょうごコミュニティ財団 理事
  • NPO法人西宮てらこや 理事長
  • ほか多数
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