1984年設立の小島国際法律事務所。国内外企業の海外進出サポート、国際取引、合併・企業提携、紛争解決、知的財産権法務など、国際企業法務を中心にリーガルサポートを行う。
代表パートナーの小島秀樹弁護士は、世界各地の法律事務所へアソシエイトを研修に送り出し、逆に海外から若手の外国弁護士を受け入れるなどして、現地法、現地ビジネスに精通した弁護士の育成に取り組んできた。
同事務所では、日本企業が買収した米国の原子力発電事業に対する役員の法的責任についてのアドバイスや、インフラ関連製品製造の合弁事業を日本企業がインドで行うにあたり、許認可、資本政策、テクニカル・コラボレーション、インド会社法の観点からのアドバイスなどを行っている。また、外国国家が日本で発行した債券に関する償還請求事件では、当該国家の代理として紛争解決に成果を上げた。事務所がこれまでかかわった事案で、とりわけ印象に残るものを小島弁護士に聞いた。
「米国の老舗ギターメーカーを相手とする、『エレクトリックギターの形態の出所表示性に関する不正競争行為差止請求事件』でしょうか。当該企業からの不正競争防止法に基づく差止請求に対し、形態の出所表示性が争われた事案で、被告となった日本の中堅企業を代理し、第一審、第二審、上告受理申立のすべてにおいて勝訴しました。一審判決が出た後、米国大使から外務省へ抗議書が届いたことで、社長に代わって我々が関係省庁の方々に説明をしに行きました。さらにはUSTR(米通商代表部)の代表代行あてに『この件が米国で紛争となったとしても同じ結果になることは明らかである』という旨のレターも送付。そもそも米国法にはLATCHES(失権効)という日本法とは異なる法概念があり、米国ではこれを知的財産権分野で広く用いています。それを受け入れ5〜10年後に知的財産権の侵害を主張しても、それは侵害の排除請求権そのものを失権していることになる。つまり米国と米国法に精通していた我々ならではの法律武装で闘ったこと、結果として日本の優良企業の倒産を防いだこと、そこに大きな喜びとやりがいを感じました」