Vol.81
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左から、中山碩弁護士(71期)、谷清司弁護士(49期)、西村学弁護士(62期)。弁護士18名、リーガルスタッフ57名の陣容(2022年4月現在)

左から、中山碩弁護士(71期)、谷清司弁護士(49期)、西村学弁護士(62期)。弁護士18名、リーガルスタッフ57名の陣容(2022年4月現在)

STYLE OF WORK

#161

弁護士法人サリュ

交通事故案件対応のベストプラクティスを!
弁護士とスタッフの“バディ制度”が強み

交通事故被害者の救済に強み

山口県萩市に本店を置き、大阪や東京など全国11カ所に拠点を構える弁護士法人サリュ。一般民事事件を中心としながら企業法務や刑事事件なども扱うが、なかでも交通事故事件の解決に強みを持つ。当該事件で弁護するのは“被害者のみ”。創業者の谷清司弁護士はもともと、損害保険会社側の代理人として経験を積んだ弁護士だ。

「交通事故の被害者が損害保険会社から休業補償を一方的に打ち切られるなどケガや後遺症に対して不当な対応を強いられ、苦しむ姿を見てきました。その罪悪感や、被害者が置かれた理不尽な状況を何とかしたいと思い、“被害者救済のみ”を掲げています」(谷弁護士)

現在、交通事故被害者からの相談数は年間3000件を超える。

「10年以上前、破裂骨折からくる遅発性の脊髄(腰髄)損傷という、重大な障害を見落とした被害者の主治医に対し、顧問医と協同するなどして粘り強く交渉し、自賠責保険、労災保険、裁判も含めたすべての手続きにおいて、こちら側が主張する脊髄損傷の認定を勝ち取り、解決に至ったことがあります。その被害者は入院中から、前述した病態による両下肢マヒを発症。退院後、通院治療中に相談に来られました。当時は、後遺障害の診断が出た後、示談段階から弁護士が入るケースがほとんどで、治療中に法律相談を受ける弁護士は少なかったはずです。しかし私たちは、被害者の治療中から、医学的な知識を持って様々なアドバイスをする、適正な後遺障害等級認定を取るためのサポートをするということに、いち早く積極的に取り組んできたのです」(谷弁護士)

ちなみに、前代表の平岡将人弁護士は、「すでに中枢神経障害があり、新たに事故において末梢神経障害を負った場合、自賠責保険の運用では既存障害を加重しない限り後遺障害とは認めない」とされていた、自賠責保険の運用上の慣例を覆す判決を勝ち取っている。

「後遺障害でいえば、通院のペースや、“整骨院への通院は評価されない”など、等級認定を受けるために知っておくべきこと・すべきことが多々あります。被害者側に立ってフォローしてきたから、それらを含む交通事故事件解決の強みができたと自負しています」

弁護士法人サリュ
Webサイトやフリーダイヤルからの問い合わせはエリアごとに自動で割り振る。リーガルスタッフが「相談シート」に事前ヒアリング内容を書き込み、担当弁護士を決めて、打ち合わせをした後、相談者と面談。

リーガルスタッフと二人三脚で相談対応

谷弁護士が前身の事務所を開業したのは1998年。弁護士過疎・偏在の解消が社会的課題として注目された頃だ。大阪出身の谷弁護士自身は地元の法律事務所に勤務していたが、「都市部に弁護士は十分いる。地方にこそ人々を助ける弁護士がいなくてはならない」と考えて独立。同期の弁護士に声をかけられた縁もあって、26年間弁護士不在の萩市に事務所を構えた。それは日本弁護士連合会が公設事務所を設置するよりも前のことだ。

「萩市には裁判所の支部がありながら弁護士が一人もいなかったのです。刑事事件の国選をはじめ、家事事件や地元企業の破産管財事件など、想像を超える数の相談がありました。私一人ではとても対応できず、3名の事務スタッフにずいぶん助けてもらいました」

この時の谷弁護士の経験が、現在の事務所をかたちづくった。例えば紹介制や有料相談が当たり前だったなか、いち早く無料相談を開始。「見積もり段階で料金を請求することに疑問を感じたし、弁護士が自分しかいない土地で“何でも対応する”状況で、単なる“情報提供”のような相談でお金をいただくのも気がひけた」と、谷弁護士。また、最大の特徴であり強みにもなっているのが、当時の経験を礎とした「リーガルスタッフシステム」だ。問い合わせが入ると、まずリーガルスタッフが事前ヒアリングを行い、担当弁護士を決める。その弁護士との打ち合わせなど事前準備を行ってから、弁護士とリーガルスタッフが二人一組で相談者の話を聞く。受任後は専門業務を弁護士が担当し、依頼者対応や細かなサポートをリーガルスタッフが行う仕組みだ。いわば、リーガルスタッフと弁護士の“バディ体制”である。この体制により、相談の早い段階で次の打ち手を検討し、スピーディかつ有利な解決に導くことができる。弁護士は、弁護士にしかできない専門性の高い仕事に注力できるわけだ。

「実は、旧司法試験でつまずいてしまった仲間に、その苦労が報われて活躍できる場を提供したいという思いもあって始めたこと。今いるスタッフの背景は様々ですが、おかげで、所内の若手弁護士も、実務はもとより人間性の面でもいい学びを得ていると感じます」

中山碩弁護士は、こう語る。

「弁護士になったのは、家族や友人など身近な人たちを守る存在になりたいと思ったからです。事務所訪問をしていくなかで谷弁護士と出会い、『うちは仲間を大切にする事務所。君の力を事務所の仲間(スタッフ)を助けるためにも使ってくれないか』という言葉に共感して入所を決意しました。実のところ、私は他者との関係性がドライなほうだと自覚しています。しかし、弁護士としての技術の根底には他者を知ることが不可欠。この事務所で働く意義は、人とのかかわり方や人間性の高め方を学ぶことにもあると感じています」

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弁護士とリーガルスタッフの密接な連携が、同事務所では不可欠だ(写真左は、中山弁護士。右がリーガルスタッフ)

30~40代を中心に事務所運営

現在、同事務所の代表を務めるのは、3代目の西村学弁護士だ。

「創業者の谷弁護士がつくった“広めの運動場”に何を建てるか、どう使うかを、2代目平岡弁護士が引き継ぎ、私にバトンが手渡されました。交通事故事件の解決という強みを持ちつつも、サクセストラップにはまらないよう、新規分野への挑戦や支店のさらなる増強など、この世代で何を成すかについて試行錯誤しています。この“事務所をどう発展させていくか”については、月1回の会議で、全所属弁護士の意見を聞き、議論しながら方向性を探っています」

「サリュは30~40代の弁護士が主役になれる事務所。私は、社会で活躍する中心世代は30~40代であるべきで、50代以降は、その知見・経験を生かし、後見役として若い世代を盛り立てていくというのが、社会の正しいありようだと思っています。だから『君たちにすべて渡す。その代わり本気でやってほしい』と伝え、49歳で事務所の代表を下り、運営を彼らに任せています」(谷弁護士)

そんな事務所ゆえに、若手弁護士の成長も早い。

「当事務所は交通事故事件以外の家事事件、企業法務などを得意とする先輩弁護士も多数所属しています。新人は特定の弁護士につかないので、多様な案件で経験が積めます。また、リーガルスタッフも日常的に実務のいろはを教えてくれます。初めこそ先輩弁護士がサポートしますが、早ければ入所3カ月目くらいから主任として事件に関与します。ですから当事務所では、短期間で一人立ちできるうえ、パートナーへの昇格も早いのです」(西村弁護士)

現在、同事務所の陣容は総勢80名ほどだ。「家族構成もふくめて、その一人ひとりの顔と名前がわかることが、当事務所の強みです」と、西村弁護士。

「そのよさを生かしつつ、事務所を成長させていくことを第一に考えています。なおかつ“人生という旅をともに楽しめる面白い仲間を集めて、その仲間と一緒に何をしていくか考えていく”ことが理想。面白い仲間が入所してくれたら、その人が『やってみたい』と思うことを、できるだけ叶えてあげたい――そんなふうに考えています。当事務所の採用コンセプトは『所長を採用しよう!』。人とのかかわりを大切にしながら、一国一城の主として多様なかたちの挑戦を果敢にできる弁護士と働いていきたいですね」

谷弁護士に、若手弁護士へのメッセージをいただいた。

「事務所名はカタカナですが、私自身は極めて“昔ながらの弁護士”。机に張り付いて仕事するより、現場に出向いて人と会うことが好きですし、正しいと思ったことがなされていないと腹も立てる(笑)。そうして腹が立ったことを一つひとつ解決するために、この事務所があると思っています。最先端のビジネスにかかわりたい、たくさんのお金を手にしたいという弁護士もいるでしょう。しかし、弁護士になるなら『法律を使って人を助ける』という、子供が持つような素朴な職業観・志が一番大切ではないかと思います。弁護士は本来どうあるべきかという、弁護士の原点を忘れず、日々の仕事に打ち込んでほしいと思います」

※取材に際しては撮影時のみマスクを外していただきました。

Editor's Focus!

勉強会は、若手弁護士が中心となって自発的に開催。ほかに、1年目から参加できる、経営などに関する勉強会も開催。講師は谷弁護士。谷弁護士の机上には、そうした勉強会に参加した弁護士・リーガルスタッフからの感謝の言葉が書かれた色紙や、記念写真がたくさん張られていた

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