Vol.24
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「法律の専門家の前に日本ユニシスの社員である。その我々が業界の最先端をいく法務部をつくろう」という目標が浸透している

「法律の専門家の前に日本ユニシスの社員である。その我々が業界の最先端をいく法務部をつくろう」という目標が浸透している

THE LEGAL DEPARTMENT

#21

日本ユニシス株式会社 法務部

弁護士、法科大学院卒を積極採用しクラウド・コンピューティング時代に適合した業界最先端の法務を目指す

ローテーションでゼネラリストを養成

日本ユニシス株式会社 法務部
日本ユニシス実業団バドミントン部をメインビジュアルに、「U-Cloud」を標榜する

顧客の経営課題に沿った情報システムを構築、提供する「システムインテグレーター」から、インターネットを通じたIT利用のニーズなどにも対応する「サービスインテグレーター」へ。同社の事業は、クラウド・コンピューティングの本格化といった時代潮流に適応するかたちで、変貌を遂げつつある。

法務部の陣容は、総勢20名。部内には、コーポレート法務を担当する「企画法務室」、契約を含むビジネス法務がメインの「事業法務室」、そして「知的財産法務室」、「コンプライアンス法務室」の4つの部署がある。それぞれに専門性を持つのだが、3年をめどにローテーションを組み、全員がすべてを経験することになっている。

「この4つトータルで企業法務なのだということを理解してもらうのは、とても重要なこと。各分野のプロの知識は、外部から〝買え〞ます。相対的に我々はゼネラリストであるべき」と、山下良一法務部長は、その狙いを語る。

「週に1回、ノウハウ共有を目的とした部内スクールも行っています。持ち回りで研究発表して、質疑応答。『誰に相談しても、一定以上のサービスが受けられる法務部』が目標です」

あえて現場に任せることの大切さ

山下氏が現職に就いたのは、3年半ほど前。意識して進めてきたのが、「定常的、定型的業務からの脱却」だ。

「法務部の中に、膨大な契約書の照査などの、型にはまった業務を忙しくこなすのが私たちの役割、という空気がいつのまにか醸成されていたんですね。しかし、それでは時代の要請に応えられない。求められるのは、攻めの経営に不可避のリスクを、法務部の立場でいかに軽減していくのか現場と一緒に考える、というスタンスです」

そちらに力を振り向けるために、法務部はプロセスとしての契約書の照査など、定型的・形式的業務から「撤退」する方針を打ち出していった。

「現場の法務リテラシーを向上させるため、その組織ごとに法務的な業務にも対応してもらおうということです。そのための研修を行ったり、ホームページにある法務的な支援情報を充実させたり、年4回法務関係の小冊子をつくって配布したり。全社員が法務関連の基礎知識を頭に入れておくのは、実際のビジネスでもプラスになるはず。一方、法務部としては、限られたリソースを重要案件に投入することで、事業のスムーズな進展に寄与していきたい」

将来的には、大半が「法科大学院卒」に?

日本ユニシス株式会社 法務部
左 事業法務室1グループ主任 齋藤 美香さん(弁護士)

ところで、同社法務部には弁護士資格保有者が2人、法科大学院の卒業生が2人いる。

「〝専門家〞を採用した最大の理由は、基礎的な法務知識があり教育にかける時間やコストを削減できること。普通、学部卒の人を一応任せられるレベルにするには、10年かかります」

では、採用される側の意識はどうだったのか? 2009年入社で、弁護士資格を持つ齋藤美香さん(事業法務室1グループ主任)は、一般企業への入社を選んだ動機をこう話す。

「法科大学院で企業法務を学んだのをきっかけに、一般民事や刑事ではなく企業法務関係で仕事がしたいという気持ちが芽生えました。法律事務所に所属して企業法務に携わるという選択肢もあるのですが、私の場合はビジネスにより近い現場で、知識を生かして働いてみたいという思いが強かった」

実際の仕事も、その気持ちを叶えるに足るものだったようだ。

「法務部の〝改革〞の成果もあって、ビジネスの最初から『どう進めたらいいか』という相談が増えている。外部の弁護士と違って、ある案件を担当したら、社員として最後まで携わることになります。法的リスクが浮上すれば、その都度アドバイスして営業サイドと一緒にビジネスを進めていく。そういう深い仕事ができるのは、企業に入ったからこそだと思いますね」

山下氏は、「我々が欲しいのは知識ですから、資格を持つか否かにはこだわりませんが、今後も〝専門家〞の採用を進めたい。将来的には、法務のメンバーの大半が弁護士か法科大学院卒ということになるかもしれません」と言う。

「とにかくIT業界をめぐる変化は激しく、しかもその変化に前例というものがないのです。それに十分対応できるよう、『業界で最先端の法務部』を目指したいですね」