Vol.41
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法務グループと、IRを担う広報グループ計9名が、垣根なく業務を遂行する

法務グループと、IRを担う広報グループ計9名が、垣根なく業務を遂行する

THE LEGAL DEPARTMENT

#48

日本工営株式会社 法務・広報部

有資格者の経験とスキルを生かし、新たなフィールドに打って出る現場に、「便利」で「役立つ」存在を目指す

ビジネスの広がりで求められる機能強化

我が国最大手の建設コンサルタントとして、グローバルな事業展開を図る同社の法務・広報部は、総勢9名の体制だ。深作克弥部長は「私を除き、法務グループは5名。IRに携わる広報グループと同じ組織になっており、株主総会関連の仕事を協働するなど、お互い溝を感じることなく仕事をしています」と話す。実は「建設コンサルタント」といっても、従来、海外と日本ではその捉え方に大きな違いがあった。

「我々のクライアントは、政府機関や民間企業など、建設プロジェクトの実施主体です。欧米では、そうしたクライアントの代理人として建設業者との間に立ち、プロジェクトの川上から川下まで工事の品質をチェック、管理するというのがコンサルの仕事。他方日本では、官公庁が自らプロジェクトを立案し、設計、施工を外注するパターンがほとんどだったため、我々が関与するのは主として調査・設計に限られていたのです」

しかし、市場環境の変化などを背景に、「クライアントから我々に対するアウトソーシングの幅は広がっているし、今後さらに加速するでしょう。バックオフィスである法務も、さらなる機能強化が不可欠だと認識しています」と深作氏は言う。

「海外事業も含めて、これまではおしなべて、〝公共の世界〞なのだから法的リスクもそうは高くないだろう、といった考え方があったのは事実です。でも、新しいマーケットに出ていけば、当然、従来なかった課題が出てくるはず。事後対応だけでなく、例えばこうしたかたちのプロジェクトであれば、こんな考えをベースに約款を作成すべきだ、というメニューをあらかじめ用意するような機能も、ますます必要になってくるでしょう」

日本工営株式会社 法務・広報部
同社は建設コンサルティングに加え、電力事業本部で、エネルギーマネジメント事業などに取り組む。写真は同社が開発した、発電された電力を抽出してデータ化し、表示する「発電モニタリングシステム」の一例

弁護士2人を中心に組織づくり

日本工営株式会社 法務・広報部
業務は、「“内”の山川」(中央)「“外”の小西」(左)両弁護士が中心となり、チームを組んで行う

ところで同部には、山川達弘主査と小西かおり主査の2人の弁護士が在籍する。

「法務機能の強化を目的に、山川は法律事務所から、小西は大手商社の法務部から迎えました。この2人は、企業人として本当にヒットでしたね。それぞれがリーダー的な立場で、ほかの部員を引っ張っていってくれるので、大変助かっています」

どちらかというと、社内規程の整備やガバナンス徹底のための器づくりなど〝内側〞の領域を山川氏が、海外を含めた〝攻め〞の部分を小西氏が担うという役割分担が、「それぞれが個性と能力を発揮するうちに、自然に出来上がった」のだという。

「当たり前のことですが、専門家は法的に揺るがないのが強み。我々からすると、それが大きな信頼感、組織としての安心感につながっています」

企業法務での仕事について山川氏は、「法律事務所から転職する時は、正直、発想をガラリと変える必要があるのかも、と思っていた」そうだ。

日本工営株式会社 法務・広報部
毎年開催される「日本工営グループ駅伝大会」で走る、山川氏。6月7日に「夢の島競技場」を借り切って行われた大会には、250名ほどが参加。山川氏の成績は、「中ほど」だったそう

「ただ実際には、目の前にいる人間が違うだけで、リーガル的な発想を軸に説明を組み立てていくという点で、仕事のやり方にさほど大きな違いを感じることはありませんでした。法律の専門家として改善できる部分は足下でもいろいろありますし、部長がおっしゃるようにこれから開拓していくフィールドでも、貢献できるはず。積極的に〝口出し〞できる環境を与えていただいているので、非常にやりがいを感じています」

小西氏も、「前にいた会社は法務も大所帯だったので、その機能の一部しか担当することができませんでした。でも当社では、『それは私の担当ではありません』とは言えない(笑)。いろんなことにかかわる中で、例えば事業部の人が契約書の交渉方法を身につけるとか、周りが日々目に見えて変わっていくのは、うれしいですね」と語る。

深作氏は、「法務に関する意識を、社の隅々まで浸透させること」を、今後の目標に定める。

「私自身、1年前まで海外事業本部で仕事をしていました。現場からすると、本社の法務は何となく面倒臭くも見えたし、逆に今振り返ると相談しておけばよかったと思うことも、多々あるんですよ(笑)。そんな経験も生かしながら、『便利で役に立つ、相談すれば利益に結びつく法務』と言われるよう、我々の側からも有用な提案を行っていきたいと考えています」

日本工営株式会社 法務・広報部
本社内に併設されている、創業者・久保田豊(1985年、勲一等旭日大綬章受章)の記念館には、本人の胸像のほか、愛用の杖などが展示されている