事務所探訪:2015年11月号 Vol.48

事務所探訪

アトーニーズマガジン 事務所探訪

多種多様な「働く場」としての法律事務所を、読者に代わり、編集部が取材します。事務所の理念・方針・特徴・こだわりや工夫が凝らされた事務所の“日常風景”を分かりやすくお伝えします。

Style of Work

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タイラカ総合法律事務所

ITとエンタメ分野で独自性を発揮。 新たなリーガルサポートを創出する

企業法務、著作権法、ベンチャー支援を専門とするタイラカ総合法律事務所は、代表を務める平山剛弁護士が2015年3月に設立。外資系ファンドからのレジャー施設事業МBO、IT企業と研究者の合弁会社設立、ほか様々なМ&A組成、損害賠償請求(企業役員側/肖像権侵害)などの支援に関与してきた。ITとエンタテインメント分野の案件を得意とし、依頼者のほとんどがインターネットに絡む事業を運営する企業だ。法律事務所としては珍しく、知人の経営する事業会社と対等な立場でフロアをシェア。〝法律事務所・弁護士かくあるべし〞という既成概念に囚われない。平山弁護士は、その経歴も興味深い。慶應義塾大学環境情報学部在学中に国家公務員Ⅰ種合格、映像・Web制作などの仕事に携わり、卒業後は広告制作会社に入社。退職後に法科大学院へ進み、在学中に公認会計士試験に合格、監査法人に入所した。そして、並行して07年に司法試験に合格し、外資系やエンタテインメントなどのコンテンツビジネス領域に強い法律事務所、証券会社で執務した経験を持つ。平山弁護士は言う。「私が得意なのは、企業や行政が大きなビジョンを企画・遂行する際の細部のツメをサポートすること。細かな点に気づくには全体を俯瞰する力も必要ですが、そこで監査法人や事業会社での経験が生きてきます。また資格があればこそ、法律に照らした重要な判断やアドバイスができるのです」フロアをシェアしていて、その仕事ぶりや人柄をよく知る株式会社キャッチボール(デジタル領域に特化したPR&メディアエージェンシー)の新甚智志氏は、依頼者にとって平山弁護士はありがたい存在だと語る。「〝法律の専門家〞であるうえに、法務、会計、税務など、複眼的視点から課題を発見してくれる。広告やWeb周辺の実務経験もあって、デジタルプロモーションやWebサービス、メディアの設計〜マネタイズに詳しい。インターネット広告の種類や仕組みの説明に何時間も時間を費やす必要がなく、打てば響くかたちで話が進む。そして何よりも発想や対応が柔軟。例えば契約書作成でも、法的リスクを抑えながら我々のしたいことを汲んで実現してくれる。そんなコミュニケーションが取れる貴重な存在です」現在、平山弁護士は株式会社オモロキ(Webメディア事業など)の役員も務める。同社が運営するWebサービス「ボケて」はPV数月間2億以上の写真を用いたユーザー参加型の人気コンテンツだ。大手企業や行政とのコラボレーションによる収益も上がりつつある。「利用規約の作成、企業提携時の契約書作成、肖像権侵害などの問題を回避する体制構築のサポートなどを行いますが、プロダクトやサービスづくりのアイデア出しにも参加します。広告制作会社にも在籍していたので、〝クリエイティブなこと、面白いコンテンツづくり〞にかかわりたいという思いが根底にある。ここまでならギリギリ攻められるという法的側面を踏まえながら、新しいサービスを創造することに喜びを感じます。新規事業に挑戦する企業から案件をいただくと心が躍りますね。今後も様々な企業のムーブメント創出にかかわっていきたいです」ものづくりのチームメンバーとして参加するからこそITやエンタメの最新技術・動向をキャッチできるし、ビジネスも熟知できる。それをベースに、自由な発想で必要なリーガルサポートを先回りして提供する。依頼者にとってはマルチプルな魅力を持った弁護士だ。平山弁護士の志向、仕事上のモチベーションを簡単に真似することはできないが、法律領域以外に得意とする分野を持つことは重要だ。そこでどんなリーガルサポートができるかを試行錯誤することで〝専門性〞が育ち、〝必要とされる弁護士〞になっていける。平山弁護士の例は、弁護士として独り立ちしたい司法修習生や若手弁護士にとっての、新たなロールモデルである。

■プロフィール

  • ●所在地
  • 〒105-0003
  • 東京都港区西新橋3-23-11
  • 御成門小田急ビル4階
  • TEL/03-3432-5234
  • http://tairaka.jp/
  • ●主たる取扱業務は会社法一般、株主訴訟、M&A・企業再編、事業承継、契約法、商取引、金商法、商標法、著作権法、エンタテインメント法、IT関連紛争、税務関連など。事務所名には、「誰でも平等に、公平に。依頼者たちが進んでいく道を、平らかな道にしていく」との思いを込めた。