Vol.72
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立山大就弁護士(68期)、伊藤祐貴弁護士(70期)。事務スタッフ3名を加え、5名で運営。事務所はJR御徒町駅から徒歩すぐの高架沿いにあり、個人顧客も利用しやすい

立山大就弁護士(68期)、伊藤祐貴弁護士(70期)。事務スタッフ3名を加え、5名で運営。事務所はJR御徒町駅から徒歩すぐの高架沿いにあり、個人顧客も利用しやすい

STYLE OF WORK

#136

アイゼン法律事務所

離婚・男女問題の解決を事務所の軸とし、顧客を幸せな人生に導く2人の若き弁護士

〝あたりまえ〟を真摯に遂行

東京・上野にあるアイゼン法律事務所は、立山大就弁護士が2017年4月に一人で立ち上げた、離婚・男女問題、相続・金銭問題、事故・労働問題などを得意とする事務所だ。立山弁護士に、業務の特徴をうかがった。

「取り扱い割合は、離婚・男女問題が約75%、労働問題ほかが約25%です。年間で約150件の離婚相談を受け、多くの離婚事件を受任し、協議、調停、裁判にかかわってきました。離婚・男女問題はほとんど依頼者から直接、もしくは弁護士、行政書士、夫婦カウンセラーなどからの紹介です」

これまで関与した離婚事件には、離婚訴訟の一審敗訴後に依頼を受けて控訴審で覆した例、「よりを戻したい」という依頼者の訴訟に関与し、最終的に相手方からの訴え取り下げと、「やり直したい」という言葉を引き出した例などがある。

「当事務所だから、特別それらができたわけではないかもしれません。ただ“まっとうな離婚弁護士”として、まっとうに仕事をしているだけです。相談者が来れば、その方の目を見てきちんと話を聞き、まずは思いを受けとめる。訴訟に進んだ場合は、相手方の反論を招かないよう主張と立証をし尽くす。語弊を恐れずに言えば、“相手方も自分のお客さま”という気持ちで臨み、相手方を必要以上に否定する発言はしないなど、“あたりまえ”をきちんとしているだけなのです」

親権、面会交流、慰謝料など様々ある離婚争点の中でも、養育費の未払いは残念ながらよく聞かれる話。しかし、同事務所が携わった案件で養育費の支払いが滞った例はない。これも、“あたりまえ”を徹底している一つの証しだ。昨年からは、伊藤祐貴弁護士が新たに参画。「期の若い弁護士が開業し、かつ絶対的な強み・専門性を持つ事務所で力をつけたい」というのが入所理由だ。

「“若い弁護士が開業した事務所”に入所したので、仕事はすべて丸投げかと覚悟していたら(笑)、ほとんどの案件に一緒に入り、指導してくれています」と、伊藤弁護士。

「私もまだ駆け出し。新しい分野の依頼があれば、伊藤弁護士と二人三脚で、判例などを調べながら取り組んでいく姿勢で仕事を進めています。ただ、離婚・男女問題について知らないことはないと自負しているので、その知見やノウハウは伊藤弁護士にすべて伝えていくつもりです」(立山弁護士)

アイゼン法律事務所
執務スペースは、仕切りのない開放的なワンフロア。窓から、JR御徒町駅を通るいくつもの線路を見下ろせる。「ちょっと休憩したい時など、行き交う電車を眺めていると癒やされるんです」と、立山弁護士

〝ぶれない軸〟を持ち続ける

アイゼン法律事務所
立山大就弁護士(68期)

立山弁護士が独立したのは弁護士2年目のこと。前勤務先は、離婚問題を得意とする丸の内ソレイユ法律事務所。同事務所を離れ、独立した背景を教えてくれた。

「在籍は1年3カ月ほどでしたが、その間、離婚・男女問題についてはどの弁護士にも負けないと思える量と質の仕事を経験させていただいたので、自信はありました」

実は「何年も務めて、やがてここでパートナーに」とも考えていた立山弁護士だったが……。

「1年目の冬、ある刑事事件の被害者に会うため、新幹線で山形へ向かった時のことでした。トンネルを抜けたら、突然の雪景色。その風景の変化になぜだか、自分の人生には“独立”という選択肢もあるんだと。そして、その思いが急速に強まっていったのです」

結果、前勤務先の了解を得て独立に踏み出した立山弁護士。一人で始めるにあたり、資金面などの不安はなかったのだろうか。

「独立して儲けたいという発想はなかったので、事務所家賃や水道光熱費、弁護士登録費用、判例検索システムなど、最低限かかる金額を試算したところ、離婚事件を毎月最低1件できればなんとかなる。弁護士業に仕入れはないし、人件費も自分一人分だけ。顧客がゼロからの独立なので、不安は多少ありました。しかし、そこで考えたのは、スタートは離婚・男女問題を専門に扱う事務所でいこうということ。きちんとWebサイトをつくり、体系立てたブログをどんどん書いて情報発信し、できるだけ多くの人に会って営業していけば勝算はあるだろうと。徹底してそれらを実践している弁護士・法律事務所は少ないですから。実際、独立直後から忙しくしています。そのため、当初計画していた“ブログ記事200本”掲載はまだ実現できていません(笑)」

「相談数は実に多い。しかし、この分野に本気で取り組み、得意とする弁護士は実に少ない」と立山弁護士。いわばブルーオーシャンともいえる離婚・男女問題を扱う弁護士市場。立山弁護士が、ここにこだわるのには理由がある。

「私は母子家庭で育ちました。母は離婚後、一人で3人の子供を育ててくれましたが、離婚のサポートをしてくれた弁護士から元気をもらえていたようです。私が弁護士という仕事を選んだのは、母を助けてくれたその弁護士のようになりたいと思ったから。かっこよく働きたいとか、たくさんお金を稼ぎたいとか、漠然とした社会貢献がしたいというのではなく、“身の回りの紛争(特に家事事件)”を解決して、その人から喜ばれたいという思いで司法試験を受けました。だから、今もぶれずにこの分野を専門とし、究めているのだと思います」

あらゆる人の真の支えに

立山弁護士は「リアルな営業を苦手とする弁護士が多い」と言う。

「例えば、私は朝活や読書会などが好きでよく参加しています。自らの職業を明かすことはないものの、話の流れで弁護士だと知られてしまうことがある。すると『相談したい』という方が現れ、仕事につながることも。営業活動だと思って参加したことはないけれど、結果的に、営業になったということがよくあります。もしも“営業目的”でそうした場を探すなら、いくらでも場所はあるということです。弁護士の営業には、ポータルサイト、自社Webサイト、相談会、チラシ、人とのリアルな接触などがあると思いますが、最初の4つはお金を払えば誰かがやってくれること。しかし最後の一つは、弁護士自ら動かなければなりません。私は、これをやるかやらないかで、仕事が増えるか否か決まるように思います」

離婚・男女問題の法的サポートは、人の人生に深くかかわる仕事だ。必要な素養も教えてくれた。

「“いかに依頼者とコミュニケーションがとれるか”が一点。もう一点は“あくまでも自分は代理人ということを忘れない”だと思います。思ったとおりに運ばないことや失敗は必ずあります。立証のために証拠集めをしていたら想定外のマイナス情報が出てきた、とか。それでも依頼者と一緒に進んでいくには、その方ときちんと対話し、その方を理解し、信頼してもらえることが大事。また離婚事件は個人の事情に深く入り込むので、ともすると当事者の心情に傾き、依頼者の主張に固執しかねない。しかし弁護士は、代理人。相手方とはケンカではなく、“いかに弁護士として説得できるか”が大事。ここで私が述べたことがすべて腑に落ちないのであれば、“離婚弁護士”になるのは難しいと思います」

事務所名の「アイゼン」とは、雪山や氷面を登る際、靴に装着する滑り止めの金具のこと。

「離婚事件において、依頼者は“不幸のどん底”で来所されるケースがほとんどです。私たちは、その苦しい山道を共に登っていかなければなりません。時に登り切れない険しい山もありますが、凍って滑る斜面でも、切り立った崖でも、依頼者がしっかり踏ん張って立っていられるよう、私たちが“アイゼン”となって支えていきます」(立山弁護士)

最後に、立山弁護士がこれからの夢を語ってくれた。

「長期的な視点では、離婚事件なら世界中のどんな国の方でも対応できる事務所にしていきたいと思います。実際、海外の離婚事件、親権争奪事件なども数件関与しています。英語、中国語、ロシア語、スペイン語……様々な言語を駆使し、世界を市場に『離婚で闘う事務所、離婚事件ならアイゼン』。これが私の夢であり、目標です!」

  • アイゼン法律事務所
    “アイゼン”はドイツ語で“鉄”の意味。「正しいスペルは“Eisen”ですが、日本語の発音に合わせて、“Aizen”としました。将来、海外展開する時には、事務所英名やWebサイトのドメインも、正しい表記にする予定です」(立山弁護士)
  • アイゼン法律事務所
    昨年秋に執り行われた事務所スタッフの結婚式。立山弁護士、伊藤弁護士も参列。弁護士とスタッフの、アットホームな雰囲気が伝わってくる

Editor's Focus!

面談スペースには、上野にある事務所らしく、パンダのぬいぐるみが飾られていた。つらい思いで訪れる相談者・依頼者の心を和ませる事務所の心遣いだ。なお個人顧客が多いため、同事務所ではスマホ決済も導入

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