技術法務のなかで私が得意とするのは、ノウハウの保護と活用(契約交渉)を含む知的財産法分野です。具体的に業務領域を列挙すると、「知財戦略・出願戦略(ノウハウ化)の相談」「他社との研究開発案件に関する相談(契約レビュー、交渉支援)」「発明発掘、特許等の出願に関する相談(明細書、クレームのレビュー)」「特許(意匠、商標登録)の侵害・非侵害鑑定」「特許訴訟などの知財訴訟」「譲渡交渉、ライセンス交渉」「知的財産権の侵害警告、侵害停止の交渉」「侵害警告を受けた場合の対応」「他社特許などへの異議申立て、無効審判」などとなります。現在、関与している案件の7~8割が知財案件で、担当クライアントは自動車・オートバイ部品、半導体、精密機械、精密部品、建設・住宅、バルブ・配管、産業・工作機械、化学・材料、食品などのメーカー企業です。
私自身の強みは、次の4点であると考えます。
①「機械設備の設計開発経験から、事業計画に即した知的財産権の創出まで一緒に行える」
ある電気自動車メーカーのIoT機器に関する新規事業の特許戦略(意匠戦略)の相談では、まず技術上の特徴を即座に把握し、将来の事業シミュレーションの実施と技術課題の整理を行いました。そのうえで、他社が同事業に参入する場合に障壁となる技術を探し出し、参入障壁を築くための適切な発明の発掘と意匠の創作を依頼者とともに実施しました。
②「理系出身・事業会社の技術者だったので、訴訟や日々の相談業務での技術理解が早く、設計図面も読める」
依頼者と同じ視点で技術を理解できるということです。ある住宅建材企業の代理となって特許無効審判を請求し、特許無効審決を得て、審決取消訴訟でも勝訴しました。特許訴訟を実質一人で担当することも可能であり、技術的事項を技術者と直接打ち合わせて立証計画などを立てられるので、結果としてトータルの費用をセーブできる。この点もクライアントから喜ばれています。
③「特許出願とノウハウ化の判断・必須特許の取得など、知財コンサルの実務経験が豊富」
技術系企業が新規事業を進める際、「特許出願をすべきか。ノウハウ化して秘匿すべきか」、この選択で悩まれるケースが多いです。その判断と、その時にカギとなるのが必須特許の取得。「そもそも必須特許に仕上げられるか否か」といった点を検討する際には、相当な経験が必要。他社の“通り道”の障害とすべき必須特許ですが、その“通り道を探すアプローチ”を得意としているのが、私と当事務所の弁護士です。また我々は、知財案件を通じて最先端の技術に日々触れることで常に知見をアップデートしています。それを権利創出(知財戦略、発明発掘)や、権利活用(共同開発、ライセンス)の助言といった日々の業務に生かしています。
④「ノウハウの活用に関する豊富な対応実績があるので、ノウハウを保護しつつ、他企業との共同プロジェクトを円滑に進められる」
スマートフォンの部品などで活用される特化型技術を有する中小企業が、その製造ノウハウを自社にとどめたままで、大企業から開発資金を獲得したことがあります。大企業と中小企業の共同開発は、どうしても後者の立場が弱く、ノウハウの先行開示を求められがち。しかし、クライアントである中小企業の社長の思いをくみ取ったうえで、開発を3段階に分けて段階的に製造ノウハウを開示する契約を提示し、そのノウハウを保護。同社は大企業との協業に自信を持って対応できるようになり、ビジネス機会を拡大しています。