EXTRA
ARTICLE
  • ▼弁護士のブランディング支援サービス

    Business Lawyer's Marketing Service
  • ▼弁護士向け求人検索サービス

    想いを仕事にかえていく 弁護士転職.JP
  • ▼弁護士のキャリア形成支援サービス

    弁護士キャリアコンシェルジュ
  • 当社サービス・ビジネス全般に関するお問い合わせ

杉田 昌平 Shohei Sugita
弁護士法人Global HR Strategy GHRS法律事務所
代表弁護士
東京弁護士会所属

杉田 昌平

「国際労働移動」におけるコンプライアンスの確保と
法の支配の促進に尽くす
国際人事に関する法務・労務のフロントランナー

弁護士法人Global HR Strategy
GHRS法律事務所
代表弁護士

厚生労働省発表の「外国人雇用状況」によると、2022年10月末時点で、日本で働く外国人は182万人超。独立行政法人国際協力機構は、目標GDP到達に必要な外国人労働需要量を「2040年に674万人」と推計。“国内労働者の10人に1人が外国人”という時代はそこまできているが、雇い入れる側の日本企業が、日本人雇用と外国人雇用のオペレーションの違い(外国人雇用を取り巻く複雑な制度)に気づかなかったために、知らぬ間に法令違反となるケースが多発している。そうしたトラブルを未然に防ぎ、雇用主と外国人労働者双方の利益を守るために包括的な支援を行う杉田昌平弁護士の、“これまでとこれから”を聞く。

弁護士の道

ハノイで教鞭を執った経験が礎に

弁護士 杉田 昌平

私は、父から「仕事はお金が第一目的ではない」といった教えを受け、大学3年の時に、“人の権利や自由を擁護して社会の役に立てる”弁護士になろうと決意。ちなみに父は、国立大学の農学部で教鞭をとりながら、JICAを通じてモンゴルなどの開発途上国で技術支援をしていました。海外土産をもらったり、父のもとを訪れる留学生と触れ合った経験から、「知らない世界を見てみたい」「開発途上国で仕事をしてみたい」と思うようになりました。

弁護士登録後は、事業再生にまい進しました。一方で、国際活動への興味も高かったので、日弁連の国際交流委員会に所属。登録2年目には、在留資格手続きを扱う入管法施行規則に基づく届出済証明書も取得しました。そんなある時、名古屋大学が運営する日本法教育研究センター(海外の学生に、日本語で日本の法律を教えるもの)の公募に挑戦。特任講師に選ばれ、ベトナムのハノイで日本法教育を行うことになりました。派遣期間の2年間は弁護士業務を休業し、ベトナムの日本法教育研究センターの運営管理業務と教育、研究業務に従事しました。「日系企業に就職したい」という教え子たちのために、インターン先となる企業開拓も行いました。派遣期間を終えて帰国すると、彼らを受け入れてくれた企業から、「あの時の留学生は非常に優秀だったので、また採用したい」と依頼され、ベトナムの大学側に企業を紹介するお手伝いも。その時、企業担当者から「弁護士なら在留資格手続きもできますよね?」と尋ねられ、外国人在留資格申請に関する手続きも併せて行うようになったわけです。

外国人雇用は、送出国の労働市場法、日本の労働市場法や労働法など、様々な法制度がつながっています。“労働力移動のプロセス全体”を一体的に捉え、対応していく必要があるのです。私はベトナムの教え子たちの就職支援をしたおかげで、 “国際労働移動”の中核である入管法や入管業務はプロセス全体において重要だが一部であり、それが全てではないと知りました。また、送出国とホスト国両方の労働関係法令に業際なく対応できる専門家が非常に限られていることも体感することになりました。当時も、そして現在もまだ、本格的に着手している弁護士が少ないこの分野に早期から取り組んだことが、今の私の原点になっています。

弁護士 杉田 昌平

得意分野

東南アジア・南アジアと日本間の国際労働移動を支援

弁護士 杉田 昌平

私は、外国人雇用における“労働力移動のプロセス”に適用される法令に、ワンストップかつ“従来の企業法務のクオリティ”で対応することを得意としています。主に東南アジアや南アジアからの、一次産業・二次産業を含めた“コーポレートイミグレーション”を取り扱っています。

“労働力の移動プロセス”に適用される法令とは、送出国とホスト国両方の労働市場法、日本の労働法、さらにいえば厚生年金保険法、健康保険法、所得税法といった細かな法律まで含まれますが、それらをワンストップで取り扱うことが可能です。また、“従来の企業法務のクオリティ”で対応できる理由は、弁護士登録後の5年間、M&Aや事業再生といった企業法務を取り扱う弁護士として訓練を受け、実務に従事したからです。

弁護士 杉田 昌平

例えば、技能実習生や特定技能外国人を受け入れている複数の企業が組織再編で合併する場合、存続企業が外国人を雇用するための手続きを行うことになりますが、それにはまず、各社に所属している技能実習生については実習計画の認定を、特定技能外国人については在留資格変更を行わねばなりません。基本合意、デューデリジェンス、最終合意、効力発生……と、合併手続きのタイムラインがどう走るかを把握しつつ、それに合わせて外国人雇用の手続きを行うことは、複雑で難易度が高いものとなります。こういった企業活動に付随した複雑な手続きを得意としていることも、私の大きな強みの一つです。

日本の外国人雇用制度はまだ発展段階にあり、変化が早く、手続きは複雑で、企業は様々なリスクにさらされがちです。レピュテーションリスクは、その一例です。リーガルリスクを十分見越ししていたはずのプライム上場企業が、外国人雇用において法令違反を犯し、報道されたニュースや記事を目にした方もいるでしょう。その要因のほとんどは、外国人を雇用する際に、日本人と同じオペレーションを行ってしまうことです。日本の雇用慣行(産業組織構造)と、出入国在留管理法令(入管法)の間にギャップがあるため、法令違反になってしまうのですが、これが意外と知られていません。

弁護士 杉田 昌平

例えば、採用した後に配属先を決める“メンバーシップ型雇用”を行っている日本企業は多いと思います。しかし、外国人雇用の場合は、何の仕事をするかを確定してからでないと、在留資格を特定できません。加えて、採用した後に在留資格該当性のない業務が含まれる部署に配置転換した場合も、法令違反になる可能性があります。ほかにも、日本の在留資格を持っている外国人が他社から転職してきた際に、在留資格変更許可が必要な方についてその手続きをせず、日本人に行うのと同様に雇い入れた場合や、同様に別法人に出向させた場合も、不法就労となります。雇い入れる前、出向させる前に、在留資格変更許可の手続きがあるか否かを確認するなどの必要があったわけです。そのような日本の雇用慣行と入管法のギャップによって、知らぬ間に法令違反をしてしまうケースが多々あります。外国人雇用も企業法務の一分野としての対応が必要であることが浸透していけば、法令違反やレピュテーションリスクを引き起こす危険性は下がります。企業がそうしたリスクやトラブルに陥らないよう、尽力していきたいと思います。

こだわり

誠実さと創造性を大切に

私の仕事の中心は、外国人雇用のサポートデスクといえます。企業などから、「この制度はどういう内容ですか?」「うちは外国人を雇えますか?」「雇用している外国人が脱退一時金を申請したいとの希望をもっているがどうしたらよいですか?」といった問い合わせや相談が日々寄せられます。ご要望があれば、外国人雇用プロセス全体のBPOも行います。外国人雇用は様々な業務の複合体で、在留申請、就業規則の整備、厚生年金保険の脱退一時金の手続きなど、一気通貫でサポートする必要があるケースも少なくありません。また、より多くの方に外国人雇用のポイントを知っていただくため、企業経営者、法務部、人事部を対象としたセミナーを開催したり、Compliance as a Service事業として『外国人雇用の法務部クラウド』というクライアントポータルでの情報提供や、『外国人雇用の学校クラウド』というeラーニング教材の開発も進めています。お客さまにリーガルサポートをしっかり提供しつつ、このような新しいかたちでのリーガルサービスの提供も継続していきます。

私の弁護士としての信条は、“誠実であること、そして創造的であること”です。自分自身の実績はもちろん、お客さまの要望に応えられるか否か、すべて正直にお答えするようにしています。ただし、でき得る限り「否」とは言わず、「こうしたらできます」「レギュレーションの範囲内で、できる方法を考えます」など、常に創造的な提案を行うことを心がけています。

  • 弁護士 杉田 昌平
  • 弁護士 杉田 昌平

展望

国際労働移動全体に、法の支配をいきわたらせたい

日本は生産年齢人口の減少で、1990年代以降、国際労働移動受け入れ国へと転じました。企業経営にとって今後、外国人の労働者(外国人雇用)は、必要不可欠な資源となります。企業活動におけるヒト、モノ、カネのうち、“ヒト(労働力)の移動プロセス”に関する法務、外国人雇用の法務分野は、“新たな渉外法務”であると、私は捉えています。入管業務に留まらず、この新たな渉外法務、国際労働移動に関する法務を、一つの法務分野として確立できるよう、世の中に働きかけていきたい。また、より事業のコアに近い外国人雇用に関する案件を取り扱うことと、国際労働移動(国際労働移動全体)における法の支配の促進にも寄与していきたいと思います。

冒頭でも述べたとおり、私の弁護士としての転機、今の仕事の原点は、ベトナムの教え子たちの日本企業への就職支援でした。そうした外国人を日本に受け入れる場面だけでなく、悔いなく日本で働き、帰国した後も母国で活躍できる人材になってもらえるよう、法的な支援を続けていきたいです。

  • 弁護士 杉田 昌平
  • 弁護士 杉田 昌平

Message

入管法をはじめとして、外国人雇用を取り巻く制度は複雑で、知らずに法令違反をしてしまうケースがあります。そのような事態に陥らないよう“法令遵守”を第一に、「Beyond Borders with Compliance―国境を越えるという全ての挑戦を、法が支える世界を目指して」を旨に研鑽を積んでまいります。そしてその先にある、多様性に満ちた企業風土の醸成、そうした企業が増えることによって、より素晴らしい日本になるよう貢献していきたいと思います。外国人雇用に取り組む検討をされる際は、ぜひ気軽にご相談ください。

弁護士 杉田 昌平