Vol.36
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戦後、連合国軍総司令部(GHQ)が置かれた同社「マッカーサー記念室」(現在、一般入場不可)に集まった、法務部メンバーの一部(右後方はGHQマッカーサー元帥の銅像)

戦後、連合国軍総司令部(GHQ)が置かれた同社「マッカーサー記念室」(現在、一般入場不可)に集まった、法務部メンバーの一部(右後方はGHQマッカーサー元帥の銅像)

THE LEGAL DEPARTMENT

#41

第一生命保険株式会社 法務部

常に現場を知り、寄り添うことで“仕事のデパート”の多種多様な事業を法的側面からサポートする

商品開発からかかわる法務

第一生命保険株式会社 法務部
笠原佳明次長

同社法務部には、業務運営に関する法務などを担当する経営法務、資産運用などの運用法務、海外M&Aなどの国際法務、保険支払いなどの保険法務、それに保険約款、事業方法書の作成などにかかわる保険文書の5つのチームがあり、現在28名が在籍する。

「保険会社の場合、保険文書チームの機能は、実際に商品をつくっている部門が持つのが普通で、当社のように法務部に置かれているケースは例外といえるでしょう。歴史的にいえば、1994年に、これらにかかわっていた法規課が融資法務室と合体するかたちで、部の前身である法務室ができた、という流れを引き継いで今日に至っています。ただその結果、商品開発のプランニングの段階から法務が入り、現場と一体になって取り組むことができます」と、内田高弘法務部長は語る。

第一生命保険株式会社 法務部
堅木正人次長
堅木氏は「将来に向けた経営戦略をしっかりサポートする法務部でありたい」と語る

保険業は〝仕事のデパート〞と表現されるそうだ。

「当社の場合も、資産運用もやれば、大きな不動産会社といわれるほど不動産を保有していますし、そうかと思えば小さな営業所がたくさんあって、お客さまの対応などに当たります。種類の違ういろいろな業務があり、それに絡む法的リスクもバラバラなんですね。一般的な事業会社に比べて法務が理解すべきこと、やるべき仕事は幅広い。そこが大変さであり、面白さでもあるのですが」

〝デパート〞の機能には、近年保険業界でも急速に進展した、国際化への対応もある。

国際法務チーム長の笠原佳明次長は、「M&Aなどで海外に出るとなると、社外からも注目を浴びますし、失敗は許されません。国際業務部などフロントの所管の要請に対して、間違いなくかつスピーディに応えるのが我々の役目。定期的に所管に今後の動向などをヒアリングしながら、常に事前準備を心がけています」と話す。

1〜2年に1度弁護士を採用

第一生命保険株式会社 法務部
東京・有楽町に立つ本社ビルの19階にあるオフィス。眼下に都心の街並みが見渡せる明るい執務空間では、部長を交えた活発な議論も交わされる

ところで同部には、現在8名(関連会社への出向者を含めると10名)の弁護士がいる。かなりの比率の高さだが、最初に採用した2005年当時は、「インハウスロイヤーを置くことについては、まさに手探り。正直、社内には不安もありました」と内田氏は明かす。

「法務に求められる仕事の質が高まり、量も増えてきていました。新人を育てているだけではそのレベルに届かないのではないか、という〝限界感〞もあって、思い切って採用したのです。結局、様々な懸念は杞憂に終わり、すぐに周囲に溶け込んで、仕事をこなしてくれました。他部署の人間は、言われなければ弁護士と気づかなかったくらい(笑)。この成功体験が大きかったですね」

以降、結果的に1〜2年に1人ぐらいの割合で弁護士採用を続けている。ちなみに10名中8名は、法律事務所勤務の経験もなく、司法修習を終えて直接入社している。これも「結果的にそうなった」のだそうだ。

ほかのチームを兼務しているメンバーが多いのも、同社法務部の特徴といえるだろう。

「いたずらに人員を増やせないという事情もありますが、ベースには一人の人間がいろんなことをこなせるようにしたい、という考え方があります。先ほど述べたように幅広い領域を相手にする法務だということもあり、専門性をさらに細分化させるよりマルチプレーヤーを数多く育てたほうが、組織の力は高まるはずなのです。兼務でいろいろな現場に行くだけでなく、ローテーションでほかのチームに移ったり、将来的には一度法務部を出てほかの部を経験してもらう、といったことも検討したいと思っています」

求める人材は、「法的なスキルはもちろん大事ですが、何よりも現場がどこを目指し、何に悩んでいるのかを、理解しようとする人」だという。

「そのうえで、自分なりの考えを話せることが大事。独りよがりだったり、逆に相手の言うことになびいてばかりだったりでは、当社の法務の仕事は務まりませんから」

  • 第一生命保険株式会社 法務部
    DNタワー21(旧第一生命館)のマッカーサー記念室の隣には、第一生命の歩みが見られる展示室がある
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