Vol.51
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ユーザベースの“法務チーム”、毛利敦子氏(左)と、松井しのぶ氏(右)

ユーザベースの“法務チーム”、毛利敦子氏(左)と、松井しのぶ氏(右)

THE LEGAL DEPARTMENT

#63

株式会社ユーザベース 法務(バックオフィスチーム)

自ら目標を定め、能動的に動く。キャリア形成も働き方も“自由”を尊重

組織の成長を見据え 予防法務を強化

企業・業界情報プラットフォーム「SPEEDA(スピーダ)」と、経済情報に特化したソーシャル経済ニュース「NewsPicks(ニューズピックス)」を開発・運営するユーザベース。設立時より「世界一の経済メディアをつくる」ことをビジョンとし、「SPEEDA」をアジア市場最大級の企業・業界情報プラットフォームに押し上げた。今年1月には、上海、香港、シンガポールに続き、スリランカにも拠点を開設。それら海外拠点を含め、全社の法務を統括するのが、リスクマネジメント担当ディレクター・松井しのぶ氏と、リーガルマネージャー・毛利敦子氏の精鋭2名。毛利氏に、業務の特徴について尋ねた。

「業務委託先やデータ提供サプライヤーとの契約書のレビュー(英文契約書は約3割)、利用規約の検討などが恒常的に動いています。主に松井の担当ですが、海外子会社の労働契約内容の整備や現地の弁護士など専門家と協働することも多々です。また〝情報を扱うビジネス〞を行っているので、リスクマネジメントの観点からも情報管理を重視。システムや社内インフラなど全社的なセキュリティ体制強化のため編成された〝情報戦略チーム〞に法務も参加しています」

バックオフィス全体のマネジメントも担当する松井氏が、現在の法務の主な役割を説明する。

「契約・取引法務および情報管理などに加え、力を入れている施策の一つがコンプライアンス体制の充実と、それを守る企業風土の形成。一昨年より内部監査(一部会計監査を含む業務監査)も行い、今年度は海外拠点を含むグループ全社を14チームに分け、より一層のコンプライアンス体制の構築とモニタリングを進めています。当社は近年成長著しく、事業領域が拡大し、社員数も増加の一途。戦略法務も当然重要ですが、予防法務的取り組みが喫緊の課題となっています。そうした状況下、専任は毛利一人なので、活躍を期待される場面が多いのです」

  • 株式会社ユーザベース 法務(バックオフィスチーム)
    出社義務もなく就業時間も自由だが、週に1回金曜の11時から全員が集まり、“フリースペース”と呼ぶ場所で全体会議を行う。海外オフィスもZoomというツールを使って参加。現在、同社社員数は約160名。法務を含むバックオフィスは16名
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    オフィスフロアが見渡せるエントランスに掲げた「7つのルール」。同社のビジョン・バリューを示したものだ。「①自由主義で行こう②創造性がなければ意味がない③ユーザーの理想から始める④スピードで驚かす⑤迷ったら挑戦する道を選ぶ⑥渦中の友を助ける⑦異能は才能」に共感し、体現できているか――社員は職能以上にこれらを日々問われる。仕事をするうえで彼らの判断基準となる

企業文化は「自由主義で行こう」

働き方・働く環境において、自身の仕事への責任を果たすなかで、〝自由〞なスタイルを大切にしている同社。コアタイムを設けないフレックスタイム制で、在宅勤務も選択できる。実際、法務を含むバックオフィスの〝ワーキングマザー率〞は高い。

「10〜16時まで会社で仕事をし、17時に子供たちを保育園に迎えに行き、食事をさせて寝かしつけ、21時から契約書のレビューなど一人でできる仕事を再開――そんな時間の使い方をしています。法務のミッションは〝ビジネススピードを加速させるための法的アドバイスを迅速に行う〞こと。そのための情報は自分でどんどん取りに行き、能動的に各人・各部署に働きかけなければ、業務が成り立ちません。ですから私の場合は、ほぼ決まった時間に出社し、社内にいる時は誰かとミーティングをするなど、対面でのコミュニケーションを密にしています」と、毛利氏。そうした仲間との日々のやりとりのなかから研修やセミナーのテーマを見つけ、社内のリーガルマインドを高める様々な施策をかたちにする。そのように働き方が自由である分、伴う責任は大きいと松井氏は言う。

「短期・中期・長期と3つのスパンで上司と相談しながら目標設定を行い、短期(1年)でいえば四半期に一度、達成度合いを評価し、上司と見直しを図ります。自由ではありますが、プロセスではなく成果が問われますから、捉え方によっては厳しい環境といえますね」

毛利氏はやりがいをこう語る。

「自分発信で、やってみようと思ったことを仲間と力を合わせて実現できることが喜びです。ビジネスの最前線で、法的アドバイスを通じ、ビジネスを動かす一員となる実感が得られることも、やりがい。自由でチャレンジングな仕事を求める人には最良の場だと思います」

  • 株式会社ユーザベース 法務(バックオフィスチーム)
    創造力や対話を促す“クッションスペース”。ここで仮眠を取る社員も
  • 株式会社ユーザベース 法務(バックオフィスチーム)
    その年に成果を上げた社員を表彰する「Year End Party」の際、社員一人ひとりを紹介したトランプを作成
  • 株式会社ユーザベース 法務(バックオフィスチーム)
    毛利氏のデスクに並ぶ専門書の横には、双子のお子さんをモデルにしたカレンダーが置かれていた