「法務担当6名のうち5名が有資格者です。知財担当の弁理士が1名、そのほかスタッフ3名という陣容。有資格者比率が高いのは弁護士中心の米国本社と同レベルの仕事をするためで、合併・買収から知財関連まで本社と連携する業務が数多くあります。当然ながら英語によるコミュニケーションが必須。そして国内は、クライアント・カスタマーともに日本人で契約の大半が日本語。日米のバイリンガルであることが必要です。また日本独特の難しさが伴う業務もあります。例えば数年前の買収案件ではヘルスケア企業の消費者部門をグローバルレベルで買い、本社が締結した契約をベースに日本での統合を行いましたが、薬事承認や代理店変更などに日本独自の業界ルールや法律があるため、とても難度の高い仕事になりました」
そんな法務部はどのように各社にサービスを提供しているのだろうか。
「4年前にヘルスケアコンプライアンス部が設立され、日常的なコンプライアンスは法務の手を離れました。しかし米国の法律FCPA(※)への対応は担当しますし、5事業体の『ルール』にかかわることはすべてサポートします。ルーティンワークである契約関連業務のほか、消費者向け商品の広告表示、医療機器・医薬品の営業資料などのレビューがあります。また各社に対して医療機器・医薬品の公正競争など業界ルールに基づいたアドバイスを行い、大きな問題に発展しそうなクレーム対応をサポート。これらの業務は基本的に各事業体の担当者が主導しています。5事業体に共通する日本法の業務や、ジョンソン・エンド・ジョンソンの全世界ガイドライン『ヘルスケアコンプライアンス』などの適合チェックは、仕事量・複雑さに応じて業務を割り振りチームで処理します」