自然と意思疎通ができており、同期であるがゆえに、言いたいことは言える風土だという。もっとも、互いに協力はしても依存しないという関係性を維持しているとのこと。
事務所を共同運営するにあたり、「同期同士ゆえの弱点はないか?」と、あえて尋ねた。
「得意分野があるとはいえ、今まで出合ったことのない事件に対応することもあります。そういう時は、経験豊富な先輩弁護士の意見を聞きたくなることもあります。とはいえ、パートナー間で気軽に意見交換ができるので、その中で、自分の考え方が整理されたり、対応の糸口を掴むことができたりするので、その意味でも同期同士というのは助かっています」
パートナーの櫻井康史弁護士は、「細々したことにこだわらないメンバーの集まりなので些細なことでの〝ひび割れ〞の心配がないこと、『みんなで事務所を盛り上げていこう』という気持ちが強い者が集まっていること、これが強みです」と言い切る。
気心が知れた仲間で、意見をぶつけ合いながら共に成長していけるのが同事務所の魅力。強いて不安要素を挙げれば、この結束の固さにジョインできる、新たな仲間を探すのに時間がかかりそうだということか。
事務所の未来については、週1回の事務所会議で議論するほか、日常的にパートナー同士で意見を出し合っていると正込弁護士はいう。
「今後、規模を拡大していきたい、とか、渉外系の弁護士を採用したいとか、尊敬できる方ならパートナーとして入所してほしいとか、それぞれが事務所の将来やビジョンに対する思いを語る機会はよくあります。ただ、仕事の進め方もキャラクターもバラバラで、各自考え方も異なるので総意を得るのはなかなか大変です。とはいえ根本的な部分ではリスペクトし合っています。そんな個性豊かな多様性があるメンバーで、協力し合い、また、切磋琢磨していく中で独自性のあるクオリティの高い仕事ができているのではないかと感じています」