Vol.54
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前列左から、小島浩二郎税理士、正込大輔弁護士(61期)、末岡雄介弁護士(61期)、櫻井康史弁護士(61期)

前列左から、小島浩二郎税理士、正込大輔弁護士(61期)、末岡雄介弁護士(61期)、櫻井康史弁護士(61期)

STYLE OF WORK

#96

晴海パートナーズ法律事務所

6人の得意分野と多様性をつなぎ合わせ、“総合病院”のように法的サービスを提供

税理士法人も併設。IPOや相続関連など税務が絡むものもワンストップでサービス提供

晴海パートナーズ法律事務所は、61期の修習同期6人が集まり、立ち上げた事務所だ。パートナーの正込大輔弁護士は特徴を次のように語る。

「企業法務、住宅・建築、事業再生・倒産、交通事故、不動産紛争、地方自治体の任期付公務員と、各自異なる得意分野を持っています。その得意分野と多様性を有機的につなぎ、依頼者にとって総合病院のような存在でありたいと思います。また税理士法人を併設しているので、IPOや相続関連など税務が絡む案件についても、迅速かつワンストップでサービス提供できる体制を整えています」

案件対応例を、パートナーの末岡雄介弁護士に聞いた。

「資金繰りに行き詰まったクライアントから『破産せずになんとか立て直したい』と相談を受けた際、事業再生案件の経験が多い櫻井弁護士に最初の相談から入ってもらい、両名で事案処理にあたりました。一つひとつ必要な事項を調べながら次のステップに進むよりも、事案処理経験のある弁護士とともに事案にあたることで、クライアントにスピーディかつ幅広い法的サービスが提供できました」

またパートナーの岩川翔弁護士も、「例えば一人がクライアントへの対応に集中し、もう一人が対外処理にあたるといった役割分担をする時も。〝得意分野で補完すること〞はもちろん、そうした面でも協働しています。〝一人でもできるけれど、そのほうがクライアントへのサービスクオリティは上がる〞と判断した場合は、二人体制で対応しています」と語る。

晴海パートナーズ法律事務所
各人に他の弁護士のキャラクターを尋ねたところ、「マイペース」「学者肌」「冷静沈着」「豪放磊落」「スマート」といった多様な回答が。「面白いほどバラバラですよね」と、正込弁護士

自然と意思疎通ができており、同期であるがゆえに、言いたいことは言える風土だという。もっとも、互いに協力はしても依存しないという関係性を維持しているとのこと。

事務所を共同運営するにあたり、「同期同士ゆえの弱点はないか?」と、あえて尋ねた。

「得意分野があるとはいえ、今まで出合ったことのない事件に対応することもあります。そういう時は、経験豊富な先輩弁護士の意見を聞きたくなることもあります。とはいえ、パートナー間で気軽に意見交換ができるので、その中で、自分の考え方が整理されたり、対応の糸口を掴むことができたりするので、その意味でも同期同士というのは助かっています」

パートナーの櫻井康史弁護士は、「細々したことにこだわらないメンバーの集まりなので些細なことでの〝ひび割れ〞の心配がないこと、『みんなで事務所を盛り上げていこう』という気持ちが強い者が集まっていること、これが強みです」と言い切る。

気心が知れた仲間で、意見をぶつけ合いながら共に成長していけるのが同事務所の魅力。強いて不安要素を挙げれば、この結束の固さにジョインできる、新たな仲間を探すのに時間がかかりそうだということか。

事務所の未来については、週1回の事務所会議で議論するほか、日常的にパートナー同士で意見を出し合っていると正込弁護士はいう。

「今後、規模を拡大していきたい、とか、渉外系の弁護士を採用したいとか、尊敬できる方ならパートナーとして入所してほしいとか、それぞれが事務所の将来やビジョンに対する思いを語る機会はよくあります。ただ、仕事の進め方もキャラクターもバラバラで、各自考え方も異なるので総意を得るのはなかなか大変です。とはいえ根本的な部分ではリスペクトし合っています。そんな個性豊かな多様性があるメンバーで、協力し合い、また、切磋琢磨していく中で独自性のあるクオリティの高い仕事ができているのではないかと感じています」

法曹界を目指す若者へのメッセージ

櫻井康史弁護士

櫻井康史弁護士
弁護士の仕事や業界の先行きについて、悲観的な意見を述べる人も少なくないので、不安を覚える人もいるかもしれませんね。ただ、どの仕事をするにしても、最終的には「個々の人間力」で勝負しなければなりません。周囲の環境や情勢に流されるのではなく、信念をもって自分の力を磨いていく――そんな努力を積み重ねていくべきではないかと、私も、このことを自分自身に言い聞かせて、この仕事にまい進していきたいと思っています。

正込大輔弁護士

正込大輔弁護士
今や弁護士の資格は“一生安泰”のツールではありませんが、資格があることで、例えば普通は話せないような立場の方でも、ひとまずは会ってくれるなどのチャンスが得られます。資格というのはうまく使えば、そうした出会いを広げたり、深めたりする際に役立つ。多くの人との出会いの中で、仕事の面白さを見つけていってほしい。ロースクール生や修習生にとって、今はつらい時期かもしれませんが、弁護士はとても魅力ある仕事ですから、ぜひ頑張って今を乗り越えてください。

末岡雄介弁護士

末岡雄介弁護士
私はロースクールでの指導も行っていますが、授業や定期試験を乗り切ること、あるいは司法試験に合格することに意識が向きすぎ、表面的な勉強に終始してしまう学生もいます。しかし、弁護士として適切に実務をこなすには、法的根拠や理論が己の中にしっかり構築できなければいけません。腰を落ち着けて学べる学生のうちに、理論や判例など基礎の部分をおろそかにせず、しっかり勉強しておくべきだと思います。

岩川 翔弁護士
弁護士を仕事にするということは、背負わねばならない責任が非常に重く、最善の結果を得るため、依頼者に厳しくすることが必要な場面も多々あります。他人に厳しくするということは、それ以上に、自分自身を厳しく律しないといけません。まさに“命がけ”という事態もあるわけで、その覚悟ができる人なら弁護士として身を立てていけると思っています。

後藤 大弁護士
世の中には様々な問題があり、困っている人がたくさんいます。解決すべき事柄も山積です。弁護士は、単なる資格にすぎないと思います。目の前の困っている人に、どう役に立てるかを考えていけば、それが仕事になるのではないでしょうか。既存の弁護士の仕事の領域や法律に囚われず、視野を広く持って自分のできることを考えてみるとよいと思います。

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    エントランスホールから応接室へは、壁と一体化したドアから出入りする。まるで隠し扉を通り抜けるような、遊び心のあるアプローチ
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    応接室やエントランスホールには、花や観葉植物が飾られ、明るい印象を持たせている。
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    エントランスホールに設けられたスペースは、壁に鏡を配して広く見せる工夫も。ちなみに、飲み物の用意はコーヒーだけでなく、紅茶、カフェオレなど、喫茶店なみの品ぞろえ。お客さまには、メニューから選んでいただく方式