大阪の西天満に本拠を構えるスター綜合法律事務所。2005年、同期5名で設立し、設立10年目となる節目に、冨宅恵弁護士、吉村洋文弁護士、久保陽一弁護士の3名による共同経営として体制を固め、現在の事務所名に改称した。現在はパートナー4名、アソシエイト3名、事務スタッフ4名の陣容で、次なる成長ステージに向かって突き進んでいる。冨宅弁護士に、業務案件の割合を聞いた。
「一般企業法務や事業承継・再生などの法人案件と、交通事故や一般民事・家事事件などの個人案件の割合が6対4ほど。ただし、法人案件である顧問先企業の、経営陣や従業員まで含めた“周辺の個人案件”も多数取り扱うため、そこを含めると法人関連の業務がほとんどを占めます。経営者と私たちとの距離が近いのか、大阪特有の文化か、いわば“ファミリービジネス”全体を扱うケースが相当数ある。経営者の“かかりつけ医”のような存在だと思います」
最近増加傾向にある案件について、久保弁護士が語る。
「個人の案件は交通事故や債務整理などの取り扱いが多かったのですが、近時はそれに加えて相続関係が増加しています。また、Webマーケティングの成果もあり、個人からの“飛び込み”相談も増えています。その結果、B型肝炎給付金訴訟の相談といった案件も扱うようになりました。一方、法人案件は、使用者側からの労務相談が増えてきたという印象です」
やはり今は新型コロナ対策の影響が大きく、企業からの事業継続困難・事業再生に関する相談、様々な労働問題・労働審判などが増加傾向であるようだ。
「インバウンドの激減による近畿圏の中型ホテル・旅館などビルホルダー、観光客をマッチングさせるサービスを行う企業などと、利用者間の法的トラブルが増え、その対応に追われています。“旅行バブル”といった様相だった昨年までは、中国企業のインバウンド案件にも多く関与していたため、国境をまたいだトラブル対応も新たな業務となっています」(冨宅弁護士)
世情・世相の変化にもしっかり対応し、多様な問題解決に柔軟に対応していく底力があること。それが同事務所の強みだ。