「実りの多い仕事でしたが、組織の中にいるとどうしてもアメリカンロイヤーの素養をベースにした仕事が中心になってしまいます。日米両方に通じる自分の経験をフルに生かしたいと思い独立を決意しました」。日本を起業場所に選んだのは、「日本の弁護士でありながら米国での経験や資格を持っている方が希少性も、提供できるものの価値も高いと感じたから」と語る。
現在扱うのは99%が渉外法務。小規模ながらも高度なリーガルサービスを提供し、依頼者のニーズに柔軟に対応できる小回りの良さは同事務所の大きな強みとなっている。依頼者の国籍は7割が日本。日本の法律事務所からの紹介が多く、そのほか米国企業からの依頼や、米国、イスラエル等のパートナー事務所と共同で進めている案件もあるという。
「典型的なのは海外のジョイント・ベンチャーや米国ファッション関連企業への投資案件などM&Aの仕事です。それ以外では国際ライセンス契約や販売代理店契約。両国の文化や商習慣をしっかりとふまえて交渉を進めるのが当事務所の特徴だと思います」