Vol.68
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弁護士は全21名(外国弁護士、カウンセル、および顧問含む)。前列左より、堀籠幸男弁護士(19期)、小島秀樹弁護士(25期)、石田治弁護士(56期)。
後列左より、雨宮弘和弁護士(58期)、髙橋直樹弁護士(61期)、日比野明希子弁護士(68期)、ダーシー・キシダ弁護士(外国弁護士)、赤塚洋信弁護士(61期)

弁護士は全21名(外国弁護士、カウンセル、および顧問含む)。前列左より、堀籠幸男弁護士(19期)、小島秀樹弁護士(25期)、石田治弁護士(56期)。
後列左より、雨宮弘和弁護士(58期)、髙橋直樹弁護士(61期)、日比野明希子弁護士(68期)、ダーシー・キシダ弁護士(外国弁護士)、赤塚洋信弁護士(61期)

STYLE OF WORK

#123

小島国際法律事務所

「経営の羅針盤」として戦略的提案を行う、国際企業法務のプロフェッショナル集団

国内外企業の海外進出サポート、知的財産権法務など国際企業法務中心のリーガルサービス

小島国際法律事務所
小島秀樹弁護士(25期)/ニューヨーク州弁護士、代表パートナー。1973~77年、湯浅・原法律特許事務所(当時)勤務。米国留学後、79~81年、Reid&Priest法律事務所(米国)、81~83年Heuking Kuhn Herold&Kunz法律事務所(ドイツ)勤務。84年、小島国際法律事務所設立。

1984年設立の小島国際法律事務所。国内外企業の海外進出サポート、国際取引、合併・企業提携、紛争解決、知的財産権法務など、国際企業法務を中心にリーガルサポートを行う。

代表パートナーの小島秀樹弁護士は、世界各地の法律事務所へアソシエイトを研修に送り出し、逆に海外から若手の外国弁護士を受け入れるなどして、現地法、現地ビジネスに精通した弁護士の育成に取り組んできた。

同事務所では、日本企業が買収した米国の原子力発電事業に対する役員の法的責任についてのアドバイスや、インフラ関連製品製造の合弁事業を日本企業がインドで行うにあたり、許認可、資本政策、テクニカル・コラボレーション、インド会社法の観点からのアドバイスなどを行っている。また、外国国家が日本で発行した債券に関する償還請求事件では、当該国家の代理として紛争解決に成果を上げた。事務所がこれまでかかわった事案で、とりわけ印象に残るものを小島弁護士に聞いた。

「米国の老舗ギターメーカーを相手とする、『エレクトリックギターの形態の出所表示性に関する不正競争行為差止請求事件』でしょうか。当該企業からの不正競争防止法に基づく差止請求に対し、形態の出所表示性が争われた事案で、被告となった日本の中堅企業を代理し、第一審、第二審、上告受理申立のすべてにおいて勝訴しました。一審判決が出た後、米国大使から外務省へ抗議書が届いたことで、社長に代わって我々が関係省庁の方々に説明をしに行きました。さらにはUSTR(米通商代表部)の代表代行あてに『この件が米国で紛争となったとしても同じ結果になることは明らかである』という旨のレターも送付。そもそも米国法にはLATCHES(失権効)という日本法とは異なる法概念があり、米国ではこれを知的財産権分野で広く用いています。それを受け入れ5〜10年後に知的財産権の侵害を主張しても、それは侵害の排除請求権そのものを失権していることになる。つまり米国と米国法に精通していた我々ならではの法律武装で闘ったこと、結果として日本の優良企業の倒産を防いだこと、そこに大きな喜びとやりがいを感じました」

小島国際法律事務所
雨宮弘和弁護士(58期)/カリフォルニア州弁護士。2005年、小島国際法律事務所入所。07~12年の期間中にムンバイ、ロンドン、サンパウロなどの法律事務所に研修勤務。17年より同事務所パートナー就任。

近年は、北米・ヨーロッパのほかインドその他アジア各国への直接投資案件、国際税務案件などが増えている。その背景を、雨宮弘和弁護士に聞いた。

「当事務所は、『Meritas』『Mackrell International』など4つの国際ネットワークに参加しています。このネットワークを通じ、国際案件に関する相談が多数、寄せられます。また海外進出を検討する日本企業の相談には、現地弁護士と即座に連携し、スピーディな対応を約束。そうした姿勢が評価され、海外事案が増加しているのだと思われます」

そうした国際案件を含め、同事務所では弁護士2〜3人体制で各案件を担当するのが基本だ。プロジェクト規模が大きくなった場合も、この体制をベースとしてチームを拡大、編成する。

「当事務所では、基本的に1年目から企業案件を担当します。担当企業に寄り添い続け、関係性を深めさせるのです。確かに、たくさんのクライアントは担当できませんし、特定の法分野のみを深堀りすることも難しいかもしれません。しかし担当企業とそのビジネスをしっかり把握し、時には厳しい意見を述べ、提案を怠らない姿勢を大事にしてほしいのです。企業法務において大事な視点は『ビジネスを理解したうえでの法律』で、それを鍛えるのが当事務所の教育方式です」(雨宮弁護士)

小島国際法律事務所
小島弁護士の執務スペース。若手弁護士も相談などでよく出入りし、打ち合わせなどを行う

小島弁護士は「一定程度の専門性は必要だが、そこから先はむしろ全体性が重要だ」と言う。

「我々の理念は『企業経営に法的価値を』です。ただし、それは最低限の保証で、これからは『経営に対する羅針盤となり得る法律家』を目指すべきだと考えています。羅針盤となるには、全体性というモノの見方・考え方ができるかが重要です。法律の専門家とはいえ、『会社法にこう書いてあります』『裁判をするとこうなります』だけでは、本当の法的付加価値を提供できる、羅針盤となり得る弁護士にはなれません。ではどうするか。例えば、法律以外の科学分野や経済分野を徹底的に勉強する、社会全体の視点で一つの新聞記事を読み、考える――そうやって培った多様な知識や経験を蓄え、クライアントに自分なりの考えを述べられるようになろう。折にふれて当事務所のメンバーに話していることです。当事務所が複数体制を基本にしているのは『確実なクラアイント対応』という側面と、『きちんと休暇をとって公私共に充実した人生を歩んでほしい』という思いがあるから。一人ひとりが、全体性に対する洞察力を持ち、進取の精神に溢れた法律家として育つことを期待しています」

  • 小島国際法律事務所
    毎週1回朝9時から30分間のケースハンドリングミーティングと月2回程度行うランチミーティングは、弁護士のナレッジ共有や情報交換の場。写真はランチミーティングに早稲田大学法学学術院の研究者を招き、中国独禁法に関する講義をしてもらった時のもの(講義前昼食時の様子)。ほかに、「海外進出プラクティス」「紛争解決プラクティス」「人事・労務プラクティス」など研究グループごとの勉強会を実施
  • 小島国際法律事務所
    国際案件に長年携わってきた同事務所ならでは、歴史を感じさせる稀覯本、資料、絵画などでお客さまをお出迎え。エントランスには1888年初版『ウェブスター大辞典(英和版)』、1897年発行の『Japan Times』などが飾られている