Vol.79
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北浜法律事務所の弁護士などの人数は、総勢92名(2021年11月末時点)。うち、大阪事務所には55名が所属する(外国法事務弁護士・中国律師を含む)

北浜法律事務所の弁護士などの人数は、総勢92名(2021年11月末時点)。うち、大阪事務所には55名が所属する(外国法事務弁護士・中国律師を含む)

STYLE OF WORK

#153

弁護士法人北浜法律事務所

若い世代の意見を尊重しながら、専門性の高い優れた弁護士の育成に尽力

“人づくり”を大事にする事務所

大阪、東京、福岡に拠点を有し、国内外企業のM&Aやファイナンス分野など、企業法務を中心に取り扱う北浜法律事務所。1973年の創設で、所属弁護士などの数は92名と、関西エリアでトップクラスの規模を誇る。

現在、CEOとして経営を担う森本宏弁護士は「私の使命は、優秀な弁護士が育つ組織をつくること」と言いきる。

「“人づくり”に注力し始めたのは、私が当事務所の代表社員になった2008年頃からです。まず、弁護士としての志を高く持ち、依頼者の思いを十分に理解して共感できる“社会人としての基礎”を育むトレーニングから始めて、それがある程度備わったあとに、専門性の強化を行います。主に若手弁護士を対象とし、この教育方針を徹底していきました」と、森本弁護士。

同事務所では、海外留学、出向や研修も積極的に支援する。国内においては、公正取引委員会、特許庁、金融庁などでの任期付公務員への応募、証券取引所、証券会社、銀行、商社など、民間企業への出向を促している。

「私たちは常に『次はどんな時代が来るのだろう』と、時代の先をにらみながら、新たな分野の開拓に苦心してきました。企業のグローバル化、金融ビッグバン、事業再編や経営再建など社会の動きとともに、弁護士が活躍できる分野を拡大するべく試行錯誤しています。今の時代、英語力はあって当たり前です。そのうえで突出した得意分野、すなわち専門性を各自見つけるなり身につけるなりして戻ってきてほしいと考え、国内の様々な機関への出向を含め、“事務所の外”で経験を積むことを勧めているわけです。なお、新卒採用と併せて比較的若い世代の即戦力採用を積極的に行っているのも、所内に新たな知見や事務所運営のアイデアをもたらしてくれることを期待してのことです」

実際に、即戦力採用で同事務所に入所した弁護士の多くがパートナーとなり、事務所のクライアントを担当し、主戦力として活躍している。

クライアントといつも、ともに

そのように、人づくりを大切にする同事務所には、法分野・業種・地域それぞれに高度なリーガルサービスを提供できる弁護士が揃う。クロスボーダーM&A、独占禁止法・競争法、知的財産法、GDPR(EU一般データ保護規制)などの専門性を持つ弁護士が、続々と輩出されている。

例えば、安田雄飛弁護士は、税務・租税法分野に専門性を有する。安田弁護士に、日々の取り組みについてうかがった。

「税務紛争では、『訴訟になったら弁護士に頼もう』という依頼者がほとんどで、税務調査段階から弁護士に頼むという習慣が浸透していません。しかし、本来はまだ事実認定が固まっていない税務調査の段階で争うことが非常に重要なのです。最近は、税務署でも“紛争性のある案件は国税局に必ず上げる”という流れになっているので、国税局にもこちらの見解が正しく伝わるように、書面でしっかり主張しておくことがとても重要になってきています。実際、税務調査の終盤で処分を科されそうになった局面でクライアントからご相談をいただき、私たちが介入して書面で主張し、税務署の結論を変えられたという例は多々あります。そのように弁護士がお役に立てる場面がたくさんありながら、クライアントが依頼に思い至らないというのは、私たち弁護士の責任です。当事務所では、案件の大小に関係なく、先輩弁護士がクライアントに真摯に対応してきたからこそ得てきた信頼があります。だからこそ、『税務についても相談してみようか』と思っていただける土壌があるのだと考えます。そうしたクライアントとの信頼関係をさらに広げていくため、税務面においては、税理士との協力体制を構築しつつ、早期から法的側面でのサポートができるよう、私なりに尽力していきたいと思っています」

また、国内外のM&Aや国際取引を得意とする田島圭貴弁護士は、同事務所のよさを次のように語る。

「“点”ではなく“線”で仕事が続いていることが当事務所のよいところだと感じます。入所間もない頃、児玉実史弁護士のクライアントの金融機関による、大型統合案件がありました。同案件を獲得するため国内のトップファーム数所が名乗りを上げましたが、結果的にクライアントが指名してくださったのは、従来から日常的な相談もお受けしていた当事務所。どれほど大きな案件でも“線”で継続的にサポートさせていただけるクライアントとの信頼関係の深さが、当事務所ならではの強みだと思います」

森本弁護士とともに、同事務所の“第二創業期・成長期”を見てきた児玉実史弁護士は、「創設メンバーである3名の弁護士の思いが、今の『クライアントとともに』という事務所理念に引き継がれている」と語る。

「当事務所が取り扱う案件は、“大から小”まで実に多様です。私自身、国際関係法務、国際紛争解決(仲裁・調停)、M&Aなどを得意としていて、新聞の一面に載るような案件にも関与してきました。しかしその一方で、『自分は英語を話せないが、アメリカで亡くなった身内がいる。遺産をどうしたらいいだろう』といった相談をお受けすることもあります。解決後にその依頼者から、『先生がカレー好きと聞いたから、美味しいカレーを送るわ』と(笑)。依頼者と、そんな人間味のあふれるお付き合いができることも、当事務所の仕事の面白さ。一人ひとりの悩みに寄り添い、じっくり話を伺い、最適な解決へと導く――創設メンバーが大切にしてきた思いが根底にあるからこそ、このように幅広い仕事を経験できるし、弁護士として、飽くことなく日々の仕事に向き合えています」

弁護士法人北浜法律事務所
当日インタビューに応じてくださった弁護士。写真右から、森本宏弁護士、安田雄飛弁護士(64期)、田島圭貴弁護士(59期)、児玉実史弁護士(45期)

自由闊達に、走り続ける

同事務所の経営形態は収支共同型で、パートナーの売り上げや経費を明らかにして、各自の貢献度に応じて平等に利益を分配している。この点について、森本弁護士は言う。

「当事務所が成長してきた一番の理由は、何事も“平等に”、なおかつ“若い世代の意見をどんどん取り入れる”風土にあると思っています。“自由闊達。型にはめない”と、言い換えてもいいでしょう。創業メンバーである弁護士たちがそもそもそう考えていましたし、私自身もその風土のなかで弁護士人生を長く過ごし、法律事務所の経営者としての経験を積ませていただいています。だから、所属弁護士本人がやってみたいと言ったことは、たとえ失敗しても、未来への投資だと思って応援したい。これまで、『インドの法律事務所で研修したい』、『イスラエルのベンチャー支援を学びたい』など、当時はこちらがおどろくようなリクエストもありました。しかし、その弁護士たちは、自分の人生をかけるくらいの信念を持って発言している。また、若い世代ならではの先見の明かもしれません。多様なアイデアを受け入れて応援しなければ、事務所の永続可能性が低下します。事実、若手弁護士が切り開いてきた専門性の高い分野が、当事務所の新たなマーケットとなったケースが出始めているのです。何事も機が熟してから走り出したのでは遅すぎる。チャンスが見えたら、投資を惜しまず、迷わず挑戦する。そんな事務所の姿勢を、これからも大切にしていきたいと思っています」

※取材に際しては撮影時のみマスクを外していただきました。

  • 弁護士法人北浜法律事務所
    執務スペースは、パーティションをあえて低くし、お互いの“顔が見える”環境に
  • 弁護士法人北浜法律事務所
    眺望のよい休憩スペース。事務スタッフと一緒に一息つける場所

Editor's Focus!

大阪証券取引所ビルにオフィスを構える北浜法律事務所。1973年に、佐伯照道・八代紀彦(故人)・西垣立也(故人)弁護士が、前身となる事務所を創設。まもなく50周年を迎える同事務所は、いわゆる“大阪四大法律事務所”の一つ。なお同オフィスがある北浜1丁目は、大阪の金融・経済の中心地だ

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