Vol.82
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前列左より、横山直樹弁護士(62期)、山中健児弁護士(50期)、延増拓郎弁護士(53期)、橘 大樹弁護士(61期)。後列左より、岸 聖太郎弁護士(65期)、小宮純季弁護士(66期)、前嶋義大弁護士(64期)、仁野直樹弁護士(63期)、塚越賢一郎弁護士(62期)、柳瀬安裕弁護士(65期)。所属弁護士数は、総勢33名。司法書士と社会保険労務士も複数名所属する

前列左より、横山直樹弁護士(62期)、山中健児弁護士(50期)、延増拓郎弁護士(53期)、橘 大樹弁護士(61期)。後列左より、岸 聖太郎弁護士(65期)、小宮純季弁護士(66期)、前嶋義大弁護士(64期)、仁野直樹弁護士(63期)、塚越賢一郎弁護士(62期)、柳瀬安裕弁護士(65期)。所属弁護士数は、総勢33名。司法書士と社会保険労務士も複数名所属する

STYLE OF WORK

#162

石嵜・山中総合法律事務所

新体制のもと、チームワークを重視し、高度な労働問題を解決する専門家集団

次世代に向けた新体制を始動

石嵜・山中総合法律事務所は、石嵜信憲弁護士が前身の事務所を1984年に開設。その当時から、経営者側の代理人として多くの労働事件を手掛けてきた。

開設35年の2019年に経営体制を組合組織に変更し、22年1月1日からは、石嵜弁護士の単独代表から、代表弁護士7名の共同経営に移行。

その理由と背景について、山中健児弁護士にうかがった。

「まず、数十年先を見据え、依頼者に対して常に最適なリーガルサービスを提供する持続可能な事務所にしていく、という決意を石嵜弁護士以下全所員があらためて固めました。一方、若手を中心に弁護士採用を継続的に行ってきたことから、現在の陣容は弁護士33名に拡大。構成要員が徐々に増えていくなかで、依頼者から寄せられる様々な案件に丁寧に目配りできるよう、複数の代表弁護士を置いて対応することとしました」

同事務所の得意分野は、経営者側の代理人としての労働紛争対応や労使関係に関する法律相談、労働組合との団体交渉、労務デューデリジェンスなど、人事労務問題全般。加えて、クライアントの企業法務、一般民事事件なども取り扱う。

山中弁護士に、入所当時を振り返っていただいた。

「石嵜弁護士の個人事務所に入所した初めての弁護士が、私と同期の2名でした。日常的な法律相談から、交渉案件、訴訟案件、団交案件など多くの仕事に対応していた石嵜弁護士のもと、それらの案件を通じて、OJTで鍛えていただきました」

同事務所では、そうした労働事件に加えて、経済不況下には、会社更生事件や民事再生事件など数多くの企業倒産案件にも関与している。

「主として対応したのは、雇止めや整理解雇事件、労働組合対応などの労働法分野です。大型の企業倒産事件では、様々な分野でチームが組成されます。私自身は労働法分野以外でも、別のチームで、関連子会社の破産申し立てや、店舗解約に伴う処理なども、担当しました」

近年、労働基準法の改正をはじめとして、「不合理な待遇差の禁止」などを謳う改正パートタイム・有期雇用労働法や、いわゆるパワハラ防止法、改正育児介護休業法などが施行されている。企業にとっては、高い専門性に基づく解決策を示すことができる弁護士の存在が一層不可欠な状況だ。

「例えば、長時間労働による従業員の過労死、ハラスメントなどは、企業にとって大きなレピュテーションリスクです。また、そうした問題は企業の訴訟リスクにとどまらず、経営の根幹を揺るがすトラブルにもなり得ます。私たちは、問題発生後の対応のみならず、現状把握や防止体制づくりなどの予防法務を提案できるコンサルタント的な事務所としても、お客さまに評価いただいています」

石嵜・山中総合法律事務所
2022年4月末に現在のビルに移転。人数が増えたため、以前はフロアを分けざるを得なかったが、現在はワンフロアで執務

クライアントに寄り添い粘り強く、諦めず!

「一つの事件であっても、訴訟、組合交渉、労働委員会の対応などを並行して進めなくてはいけない複雑なケースも多々あります。当事務所は比較的人数が多いので、労働事件であれば全方位的なチームを組んであたることが可能です。同時多発的に紛争が起きた場合も、複数名のチームで個々の事件に対してきめ細やかで迅速な対応ができる体制です。それが、組織としての一番の強み。各自の力を結集し、労働法分野におけるオンリーワンの事務所になることを、全員が目標としています」と、山中弁護士。さらには「粘り強さも我々の長所です」と、続ける。

「例えばこれまで、雇止めや解雇事件などにおいて、上級審で逆転判決を得るまで粘り強く対応してきた経験は、多々あります。『法律論としておかしいのでは』という自らの思いを払しょくするべく、信念を持って裁判に臨み、その結果、逆転判決となって、新たな判例を生み出したということもありました。そうした粘り強さの根源にはもちろん、『やり抜きたい』というクライアントの意思があってこそ。その思いに寄り添い、粘り強くあきらめずサポートして結論を出すことが使命です。困難な事件であればあるほど、それを乗り越えた時の達成感や、喜びは大きいですし、お客さまとの関係づくりという点でも、弁護士としての糧になる得難い経験ができる事務所だと思っています」

そうした労働法分野の高度かつ複雑な事件について、同事務所では、一人で悩むのではなく、チームおよびクライアントと連携して方針を決め、そのゴールを目指す――そんなスタイルも、全弁護士のやりがいとなっている。

石嵜・山中総合法律事務所
ヴァイスパートナー以上は個室スペースを提供。「同じフロアで全員、顔を合わせやすい環境となり、コミュニケーションも一層とりやすくなりました」(山中弁護士)

社会変化へ柔軟に対応できるチーム

昨今、同事務所において、取り扱いが増加傾向にある分野・案件についてうかがった。

「調査案件という点では、職場でのハラスメントの被害通報の調査が一つ。社内で調査する企業ももちろんありますが、慎重に考えなくてはいけない事案について、調査依頼が増えています。また、雇用者が競業先に転職したことによる、競業避止義務違反や秘密保持義務違反――不正競争防止法上の営業秘密の持ち出しに絡み、経営者側からのご相談が増えているように感じます」

そうした所内の多様な案件について、先述の山中弁護士の説明のとおり、複数人のチームを基本単位としてあたる。代表弁護士の一人、延増拓郎弁護士は、仕事の進め方について次のように話す。

「小さな事件でも2、3名。労務デューデリジェンスなど人数を要する案件では、5、6名でチームを組むことが多いと思います。ただし、当事務所ではパートナーに固定のアソシエイトがつくのではなく、案件によってチームを編成します。その編成のためには、各自の仕事内容をよく知っていることも大切。ですから毎週1回、報告書を作成・共有し、つどチーム編成を含めて案件の進め方、方針を決めていく。人数は多いのですが、一人ひとりの顔が見えるかたちで、各自の希望を聞きながら、チーム編成を行っています」

なお、労働関係全般、労務デューデリジェンス・法務、就業規則の作成・改訂・診断業務、公務員関係、刑事関係、その他一般民事関係など、カテゴリーごとの最新情報、法改正情報および知見が集約できるよう、各カテゴリーに担当弁護士(責任者)を置く。各弁護士は、自身が担当したクライアントで当該カテゴリーの問題が生じれば、担当弁護士にアドバイスをもらうといった流れ。

またアソシエイトについては、勉強会はもちろん、セミナーの講師や文献執筆も担当させるなどして、知見を深め、なおかつ自分自身をアピールできる機会も提供している。

「これからの社会全体の変化と雇用社会を見据えて、引き続き、依頼者に法的な側面でのサポートを行っていくとともに、労働法分野に強い事務所として、変わりゆくこれからの社会を担う若手弁護士の育成にも尽力してまいります」(山中弁護士)

※取材に際しては撮影時のみマスクを外していただきました。

石嵜・山中総合法律事務所
石嵜弁護士の独立当初は、修習時代の恩師で、事業再生・倒産分野で知られる阿部昭吾弁護士が設立した阿部・井窪・片山法律事務所との連携もあった。山中弁護士入所以降、年々、陣容拡大が図られたそうだ

Editor's Focus!

東京駅が徒歩圏内で、銀座・日本橋エリアの中心にあるオフィスビルに移転したばかりの同事務所。受付から応接室をつなぐ廊下には、石嵜弁護士が好んで収集した、日本画家・平山郁夫の絵画が飾ってある。依頼者もほっとできるような、あたたかな雰囲気の空間だ

石嵜・山中総合法律事務所