法規担当係は、私のほかに係長1名、係員4名の6名体制となっています。法務面の一層の充実を図るため、平成29年度から非常勤の弁護士が新たに1人増える予定です。
自治体内弁護士の業務内容として、一つは区が当事者となる訴訟や民事調停の指定代理人です。これは普通の弁護士業務と、同様ですね。
二つめは、先に述べた行政不服審査法上の審査請求の対応。審理員として審理手続を主宰し、意見書を起案したり、答弁書にあたる弁明書の起案をするなど、所管課の支援を行ったりします。場合によっては口頭意見陳述もあり、審査請求をした住民の方と処分を行った所管課の職員を集め、審理員として双方の意見を聞くこともあります。16年4月の法改正によって、この業務が葛飾区役所でも増えてきています。審理員に資格は不要ですが、意見書などの作成があるため、やはり弁護士である私が適任のようです。
三つめは業務執行上生じる法律問題についての、各課からの相談対応です。ほかに契約書、協定書、通知書などの法律文書の作成とチェック、いじめ調査委員会事務局(委員や外部機関などとの調整)、条例・規則・要綱などの制定や改正時の審査なども行います。
年々、自治体に求められる役割が増大しており、特に学校現場や区役所の窓口での苦情やトラブルに悩む職員や教員も多いのです。苦情に対応する職員は、どこまでが法的根拠に基づく義務なのか判断できなかったり、「謝罪したら過失を認めることになる」と思い込み、苦しい立場に置かれることも。窓口対応で大事なのは、苦情をすぐに法律問題として捉えるのではなく、相手の状況に応じて親切に対応することだと思います。しかし、法的な根拠や制度の仕組みを理解して、見通しを持つことで、リスクを防止しながら、より適切な対応ができるはず。その一助になればと思います。