これからの目標は2つあります。当社のミッションは「全ての契約リスクを制御可能にする」です。全世界における、契約書作成から締結まで契約のリスクを制御し、発見・認識してコントロールする役目を果たすことです。さらに契約案件発生から締結までリスクマネジメントできるよう、機能を強化していく。それがまず1つ目の目標です。2つ目は、海外展開。私は米国とタイで勤務していましたが、外から見ても日本の弁護士のクオリティは高いと感じました。具体的にいえば、細やかなドラフティング力、行き詰まった時にクリエイティブな思考でゴールに導く力などです。そうした能力はグローバルでも日本の弁護士は勝負できる。まさにその優れたプラクティスを、私たちは製品に搭載するわけですが、これを海外展開し、世界に通用することを証明するというのがもう一つの目標です。
法務プラクティスにテクノロジーの力を活用して変革を支える。私たちの業務の社会的価値は、そこにあります。弁護士も企業法務部員も、日々、目の前の案件に必死に取り組んでいます。私たちが提供するサービスによって、業務改善、品質向上が実現され、日本の法務プロフェッショナルが世界と伍していく力を持つことができるのであれば、本望です。
今後も、法務プロフェッショナルの経営への関与強化やDXの推進など法務業界の変革は待ったなしで進むことは間違いないです。その未来に貢献できることや、私と同じ夢を持ってくれる仲間が増えていったら、これほど喜ばしいことはありません。
もしも今、弁護士のキャリアで悩んでいる方がいるなら、お伝えしたいことがあります。
私のキャリアは、計画して成り立ってきたものではありません。法律事務所でのコーポレートローヤー、留学を含む海外経験、そして法務開発と歩んできていますが、そのつど分岐点があり、その時々に応じて自分が挑戦してみたいこと、惹かれたことを選んできた結果、今があります。私は「弁護士だから法律事務所。弁護士だからインハウスローヤー」という、いわば“弁護士という檻”にとらわれずに生きていくべきだと思います。法律は社会活動のすべてに影響するもので、どんな場でも必ず役に立つ知識です。法律を熟知し、使える弁護士はもちろん優位です。ただ、弁護士という肩書にとらわれて自分自身の可能性を狭めるのはもったいない。私自身のキャリアパスが、弁護士の無限の可能性を示す一つの証となるよう、挑戦を続けていきます。
※取材に際しては撮影時のみマスクを外していただきました。