1996年、東京・銀座に北米以外では初となるスターバックス コーヒーがオープンした。以後の成長ぶりは誰もが知る通りで、店舗数・出店エリアともに急成長を遂げている。
「昨年度末には776だった店舗数は本年3月末に854に増加。出店に伴う契約は私たちの重要な業務になっています」
そう語る川田正達・法務チームマネージャーに、詳しい話を伺う。
「組織名称は管理本部 総務法務部法務チームです。業務は契約関連と法律相談が最も多く、米国スターバックスとの契約に関する折衝や会社法関連業務が続きます。内部統制とコンプライアンスはチーム内に専任スタッフを置いており、知財や景品表示法関連も所管業務です」
業務の特徴はどんな点だろうか。
「ロゴの模倣など商標権侵害の情報は法務に集約され、米国スターバックスと連携しながら対応を行います。これは一例ですが、米国スターバックスからライセンスを受け事業展開をしている弊社は、多くの局面で米国とやりとりをします。また、自社ウェブサイトやプレスリリースのチェックは特にスピードを要する仕事。毎週の経営会議、毎月の取締役会の事務局も担当ですが、資料の準備、当日の運営、議事録作成など、毎日のように何かが動いています」
出店契約の多様化も顕著だという。
「ほとんどの店舗は賃貸借や業務委託の契約に基づき直営で出店していますが、病院・公園など公共施設では特殊な契約形態となる場合があります。また、直営での出店が困難な施設や立地には、ライセンス契約を締結した他社が運営する場合もあり、ひとことに出店契約といってもさまざまな形式・内容があります」
これら幅広い業務をカバーするのは実にコンパクトなチーム。
「メンバー5名のうち昨年入社した2名は幅広くいろいろな業務を経験していく段階。したがって明確な担当分けはありませんが、すべての分野で活躍しているのがインハウスロイヤーの佐藤です。契約や会社法関係を中心に、堪能な英語で米国との折衝も担当しています。法務で資格者は佐藤一人ですが、ビジネス現場へのかかわり方などが彼女の志向とマッチし、私たちのニーズとも合致したということですね。考えてみれば少人数のチームに法律事務所の勤務経験者が彼女を含め3名いるのは特徴的。理由として、企業経験にこだわることなく、個人の法的素養や志向を重視する風土があると思います」
そんなチームが目指す方向は…。