同部のメンバーは、異業種からの転職、さらには社内外の法務畑以外からの転身組も少なくないのだそう。
「管理系の仕事はけっこう汎用性があるので、法務畑未経験者でも大丈夫なんです。大事なのは、その会社の法務にふさわしい専門知識を身につけることを厭わない、やる気。加えて、相談にきた現場の人間の目線で話を聞き、語ることができるコミュニケーション能力が必要です。これらはインハウスロイヤー一般に必須の条件だと感じます」
そうした考え方を部下に浸透させる意味も込めて、掲げたスローガンがある。
〝FUNKYでGROOVYでHIPでSOULFULでそしてCOOLな、avexにふさわしい法務〟
「ビジネスの役に立ち、現場のノリがわかり、柔軟で魂に満ち溢れ、頭脳明晰」。木内氏の意訳も交えた法務部の〝目指すもの〟は、この1年で着実に社内の理解を広げ、ともすれば煙たがられがちな法務部にも、社員が頻繁に相談に訪れている。法的な問題の発生も、法務部誕生以前に比べ減少したという。
「多彩なリソースを持つ当社は、たとえば、あるアーティストの価値を、音楽でも映像でもライヴなど他のパフォーマンスでも360度展開できる、日本で数少ない会社なのです。将来に向けてこの〝360度ビジネス〟はますます加速するでしょう。我々法務部も、そうした新しい価値創造に貢献できるよう、さらに勉強し、現場のみなさんとの連携強化に力を入れたいと考えています。そのために、会社業務に対するリスペクトと、業務を行う1400人の仲間に対するシンパシーを常に心がけているのです」