Vol.53
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本社法務部メンバーは10名。うち1名は留学中。半数以上が即戦力採用で、日本法弁護士3名、米国法有資格者2名が所属している

本社法務部メンバーは10名。うち1名は留学中。半数以上が即戦力採用で、日本法弁護士3名、米国法有資格者2名が所属している

THE LEGAL DEPARTMENT

#66

JSR株式会社 法務部

多角化を進める日本有数の化学メーカーで、事業推進の一翼を担う法務を目指す

法務部を強化・拡大中

タイヤなどに使われる合成ゴムや合成樹脂を扱う石油化学系事業、半導体製造材料やディスプレイ材料などを扱うファイン事業が2本柱。診断試薬材料などのライフサイエンス事業にも注力する。同社は最先端の研究開発力を武器に、世界トップクラスの商品を多数創出する化学メーカーだ。その法務部は、グローバル化を視野に入れ、さらなる体制強化・拡大を図る予定。上席執行役員で法務部長の土居誠氏に、同部の現体制を聞いた。

「国内外のグループ企業を含めたグループ全体を管轄しています。体制としては、事業分野に応じて法務部を2チームに分け、各々で担当事業部のすべての法的サポートを行います。また法務部に置かれた法令遵守事務局がグループ全体のコンプライアンスの仕組みに目を配っています。さらに、法務講座の計画的な提供を通じて、グループ全体のリーガルマインドの向上にも力を入れています。なお、個々の法務部員の経験値を上げるため、チーム内メンバーや法令遵守事務局の担当についてはシャッフルを行っていく予定です」

法務部には「3つの基本方針」があるという。

「1つめは〝事業部やグループ企業は顧客である〞と認識し、納期(対応スピード)と品質(アドバイスの質)の両面で〝顧客〞の要望に応えて、〝社内CS〞を行おうというものです。2つめは〝全体最適〞を意識すること。3つめは〝評論家にならない〞こと。〝必ず提案。必ず代案〞を意識して仕事に臨んでいます。これらが、私が徹底し続けている法務部の基本方針です」

  • JSR株式会社 法務部
    低燃費タイヤの原料として使われる合成ゴム
  • JSR株式会社 法務部
    個別化医療のための研究試薬
  • JSR株式会社 法務部
    クリーンな環境で製造される半導体材料

主体的に取り組む人材を育成

JSR株式会社 法務部
同社の多様な製品を製造する四日市工場

実際、事業支援という観点で法務部が果たす役割は大きい。

「当社ではSSBR(溶液重合スチレンブタジエンゴム)という、エコタイヤの材料となる合成ゴムの事業に力を入れています。四日市工場がその製造拠点ですが、グローバル展開の一環で、タイおよびハンガリーの企業と合弁会社を設立しました。投資額は数百億円規模と当社にとってはビッグプロジェクトです。このプロジェクトに法務として私も参画。どのような運営体制・販売体制にするのか、技術導入のスキーム、契約スキームなど、ビジネスサイドと協力し、メインネゴシエーターとして契約交渉してまとめ上げました。今、すでに稼働開始したタイや建設中のハンガリーの工場が、当社事業の屋台骨となれば、嬉しい限りです。なお、この契約交渉には、法務部の若手も参加させ実地体験を積ませました。そうした重要プロジェクトを経験した若手がスキルアップし、やがて大きな案件に中心的に携わってくれることが楽しみです。望めばダイナミックな経験を積める――これが当社で働く醍醐味だと思っています」

土居氏が描く法務部の理想像は、次のようなものだ。

「法務部のミッションは〝当社グループ全体の利益の最大化を図るための事業支援〞と〝コンプライアンス〞。我々は単なるアドバイザーではなく事業推進の主体となることが求められますから、〝事業を知る法務であること〞が必須なのです。その観点から、事業部と法務部との人事ローテーションを、もっと進めたいと思っています。事業に詳しい人材が法務部にいることが事業支援の質の向上に資する、また逆に法的知識を持った人材が事業部にいることによりグループ全体のコンプライアンス向上につながると考えています。また、海外拠点との人材交流も行っていきたいですね。海外については、なかなか国内企業と同じようにサポートできないのが課題ですが、さらなるグローバル展開を見据えて、人材を育成していきたいと思います。数年ごとに1人ずつ、社費でロースクール留学に送り出しているのもそのためです。いずれも長期的な取り組みになりますが、理想の法務部をかたちづくるべく推進いたします」

  • JSR株式会社 法務部
    勉強会は、ディスカッション形式でじっくり理解を促す。法律事務所の弁護士を講師として招くことも多い。写真は、法律事務所から出向している弁護士を講師に行った勉強会の様子
  • JSR株式会社 法務部
    ランチタイムを利用したグループミーティング。風通しは良好で「言いたいことが言い合える職場」と、土居氏